ヴェルディをちゃんと見始めてから10余年、「昇格の風景ってどんなものなのだろう」と思っていましたが、実際に見たその景色は、とても残酷でありえないほど美しいものでした。

僕たちをここまで連れてきてくれた森田がPKを献上し、先制を許てしまった時には「仮にこのまま昇格を逃し、森田が移籍することになっても、彼を恨むなんてことはないだろうな」「森田と一緒に終わるなら本望だ」「本望ではあるけれども、でも、こんな終わり方、いくらなんでもあんまりだろ…」と、残酷な現実に押し潰されそうになっていました。
それでも、交代で入った平がチームメイトを鼓舞し、染野が森田を叱咤し、選手たちは安直な選択に逃げることなく今年やり続けたサッカーでなんとか清水をこじ開けようとして行きました。サポーターもそんな彼らを信じて声を止めることはありませんでした。そうした姿には大変勇気をもらえましたし、クラブ全体で今年のヴェルディのすべてを出し切ろうとしていたからこそ、運ではなく必然としてあのPKを奪取できたのではないかなと思います。
ひとつひとつ愚直に積み重ねたものというのは、あんなにも美しく輝くことがあるのですね。

おしまい。
とっても苦しく、絶望しかけましたが、最後の最後で選手、スタッフ、サポーターのみんなが笑顔になれて本当によかった。
それではJ1に向けて、これからも徳を積みながら日々を過ごして参りましょう。