東京ヴェルディ歴代外国籍選手列伝(2013年以降)

最近Twitter界隈で流行りのJリーグ外国人列伝。
「ヴェルディもはよはよ!」と思っていたのですが、仕事やヴェルディの調子が上がらない現状から逃避したくて自分で書いてみました。
自分がちゃんとヴェルディを見始めた2013年以降に在籍していた選手を書いています(在日枠は抜かしています)。

ペ・デウォン(2012〜2013)

最初に紹介するのが彼というのもあれだが。
2012年途中に練習生から正式加入した韓国人DF。2013年のキャンプ中でカマタマーレ讃岐との練習試合で藤田浩平に大怪我を負わせたことで有名になってしまった。というかその印象しかない。ヴェルディでは通算5試合に出て1ゴール獲っているらしいのだが…。藤田選手には本当に申し訳ない。
普段は声明的なリリースを出すことはあまりないヴェルディだが、この時はさすがに謝罪文を出していたし、当時新監督に就いた三浦泰年(ヤス)もこの影響で開幕から2試合ベンチ入り停止になっていた。今から考えるとヤス体制の崩壊はこの時から始まっていたのかもしれない…。

ニコラス・カタヤマ(2012〜2013)

日系ブラジル人3世で、「闘莉王2世」という触れ込みで2012年途中にフラメンゴから期限付きで加入。「闘莉王2世…?さては地雷だな?」と当時の自分は思っていたが、wikiを見ると「U-17ブラジル代表候補」「フットサル出身」「センターバック、ボランチをこなす」と書いてあり、今再び「地雷だな?」と思っている。
当時発行されていた『J2マガジン』をひっくり返してみたところコンフェデのブラジル代表についてニコラス・カタヤマがコメントを求められていたのだが、「ブラジル代表だけは見ていた」「(今大会のセレソン評は?)あんまり…」と、とても短いコメントで終わっていた。あんまりサッカー好きじゃないのかな?
結局ヴェルディで公式戦に出場することはなくブラジルに帰っていったのだが、予想通りだっただけに逆にインパクトが強く、その名は強烈に覚えている選手。

キム・ジョンピル(2013〜2014)

ヤスがヴェルディの前に監督を務めていたギラヴァンツ北九州からかっさらってきた韓国人DF。
前述のペ・デウォンとは同時期に在籍した韓国人選手ということで比べらてしまいそうになるが、ジョンピルの方はグラウンド内外でサポーターに愛される選手だった。対人○、高さ○、ビルドアップ?という感じで、長らくヴェルディを支えた井林章(現・サンフレッチェ広島)の良き相棒として活躍。セットプレーから2点くらい決めており、攻撃面でも重宝した。
20位で何とか降格回避した苦しいシーズンだった2014年も頑張ってくれたのだが、シーズン終了後に湘南ベルマーレに移籍。
湘南ではあまり試合に出ていなかったようなので「カモンヴェルディ」と思っていたが2016年にはタイのチョンブリーFCに移籍。2017〜2018年は徳島ヴォルティスに在籍したものの、ケガなどもあって確固たるレギュラーにはなれなかったので再び「カモンヴェルディ!」と思っていたが、韓国の慶南FCに移籍してしまった。
2019年のヴェルディはCBの層が厚いとは言えない状況なので、個人的には戻ってきてほしかったが…。

ニウド(2014年)

ジェシやエドゥアルド・ネット、アンデルソン・ロペスなどをJリーグに送り出したアヴァイFCから来たMF。
先日Twitterでどなたかがニウドのことを「めちゃくちゃダイナミックでめちゃくちゃ強くてめちゃくちゃ下手」と評されていたのだが、彼を紹介するのにぴったりの表現だと思う。
凡人から見たらプロサッカー選手は全員が全員「サッカーが上手い」存在だと思っていたのだが、ニウドを初めて見た時「え、下手じゃない…?」と思ってしまった。なんだか動きがカクカクしていて運動が苦手な子っぽい動きをしていたのだ。
しかし、長い手足を活かしてボールをかっさらったり、謎の得点力を発揮して2014年途中からはなんだかんだポジションを確保。24試合出場2ゴールを記録。まあ、ダイナミックさが売り故に2試合に1回ペースでイエローカードを貰っていたが。
苦しかった2014年シーズンの数少ない希望だったので翌年も残ってほしかったのだが、コンサドーレ札幌に移籍してしまった。
「ニウドーニウドー」という抑揚のないお経のようなコールは個人的にとても好きだったし、恐らく他のヴェルディサポーターの方も愛した選手のひとりだったのではないだろうか。
2017〜2018年は福島ユナイテッド、今年からは鹿児島ユナイテッドFCに在籍し、何気にJリーグ在籍年数が長くなっている。
笑顔が素敵なのでヴェルディ以外でも愛されているはず。

ギリャルメ(2014年)

ニウドと共にアヴァイFCから期限付き移籍で加入した選手。185cmの恵まれた体格の若手DFとして井林やジョンピルのバックアップとして期待されたが、結局試合出場はなく謎のまま同シーズン途中にブラジルに帰国していった。
ただ、退団時のコメントで
「日本人の皆さんに暖かく迎えてもらって、非常に貴重な経験を積ませてもらえました。ヴェルディでお世話になった、選手、スタッフには感謝の言葉しかありません。僕はブラジルに帰りますが、ニウドがヴェルディに残ってプレーしますので、皆さん、ニウドのことをよろしくお願いします」
https://www.verdy.co.jp/news/2278
と、同輩のニウドを気遣うコメントを残しているように、きっと良い奴だったと思う。

アブダ(2014年)

2012年に岐阜に在籍して12試合1ゴールの成績を残していたというFW。
当時得点力不足に喘ぎJ3降格の危機に瀕していたヴェルディだったが、期待を込めて夏に獲得したのが彼だった。
「やばい、マジで降格する」
「夏の補強にかけるしかない」
「アブダ選手移籍加入のお知らせ」
「え、誰?」
「岐阜にいたな?」
「岐阜では1点だけか…」
「え…大丈夫…?」
という雰囲気だったのだが、案の定大丈夫ではなく、特にインパクトも結果も残せず、シーズン終了後に契約満了と相成った。
今知ったのだが、ニコラス・カタヤマ同様彼もU-17ブラジル代表に選ばれていたらしい。U-17ブラジル代表の地雷率…。

アラン・ピニェイロ(2015〜2018年)

2015年、ブラジルのヴィトーリアから加入したFW。ヴェルディに来る前の2013年に川崎に加入していたので、川崎サポの知人に印象を聞いたところ「スピードはあった気がするけど、その他は微妙だったと思う」と言われ、「また地雷か…?」と思ったものである。
確かにスピードは優れており、2015年、2016年は3ゴールずつ獲っていたもののどうにも物足りない印象で、「今年で退団かなあ…」と思っていたら2017年も契約更新。そして覚醒。いきなりフィジカルが強化され、アクロバティックなゴールも決めつつ得点ランキング8位の17ゴールでチーム初のプレーオフ進出に大きく貢献。「アランが決めた試合は負けない」という不敗神話も残した。
2018年はケガがちだったがそれでも6ゴールを記録し、「2019年は復活を!」と願ったものの、シーズン終了後に退団。それから少ししてジェフユナイテッド市原・千葉加入が報じられ、多くのヴェルディサポが涙を流した。
ズッ友ジェフに移籍してしまったとは言え、外国人選手としては4年間の在籍はクラブ史上最長(たしか)で、ヴェルディサポにとってはもはやユース出身選手と同じような扱いを受けている。実際、2019年5月25日のジェフ戦の試合終了後、佐藤優也、鈴木椋大とともにアランもヴェルディゴール裏に挨拶に来たが、アランへの声援が一番大きかったように思う(ちなみに佐藤優也にはしょっちゅうブーイングを浴びせているが、それもまた愛である)。

ジェフサポさんにお伝えしたいこととしては次の5点である。
・ワントップではなくツートップ、あるいはスリートップのサイドで使ってくれ。
・年1で物凄いゴールを決めるぞ。
・チームに慣れると可愛さがどんどん増していくはず。
・ポッチャリしているときは気をつけろ。
・良い奴なのでどうか長い目で見てください…!

ブルーノ・コウチーニョ(2015年)

日本女子サッカーを代表する選手のひとり・岩清水梓がくぎ付けになったというイケメン。
https://www.nikkansports.com/soccer/news/f-sc-tp1-20150119-1423755.html
テクニックに優れ、キープ力もあり、パスも出せる選手で、ポーランドの名門・ポロニア・ワルシャワで活躍したという経歴も相まって同年に加入したブラジル人三人衆(残り二人は前述のアランと後述のウェズレイ)の中で最も期待値が高い選手だったように思う。
当時のチームメイトからも「色々な国の言葉を喋ってカッコいい」「ブラジル人っぽくない」と高評価(?)だったのだが、ピッチ上ではどうにも他選手と合わず。「自分の武器はシュート」と言いつつも21試合1ゴールという成績で1年限りで退団してしまった。
これも後述するが、同じくテクニックの高い髭面イケメンのカルロス・マルティネスも周囲と合わずに1年で退団してしまったので、ヴェルディは「足元に優れた髭面イケメン外国人選手」は合わないらしい。足元に優れた髭面イケメン外国人好きな自分としては至極残念であるし、近い内にこのジンクス(俺が勝手に提唱しているだけだが)は打破して欲しい。
いつの試合だったかは思い出せないが、敵陣ゴール前でのFKで壁に入って相手DFのスパイクの紐を解いていた姿が印象深い。
今はどこにいるのかわからないが、好きな選手だった。

ウェズレイ(2015〜2016年)

前述のアラン、コウチーニョとともに2015年に加入したブラジル人DF。2013、2014年は当時JFL、J3だった相模原に在籍して、そこそこ活躍していた中で引き抜いた選手。
類まれなるフィジカルを武器としていた選手で、キム・ジョンピルが去ったあとの井林の相棒として期待されたが、加入初年度は不用意なファールや致命的なミスを頻発してレギュラーを獲得するには至らず。「さすがに悪癖は直しただろう」と期待された2016年もやはり不用意なファールと致命的なミスを連発してギュラーにはなれず同年限りで退団。それでもビハインド時のパワープレー要員としては貴重な存在であったし、勝利後のラインダンスでは自ら太鼓を叩いて「太鼓の達人」と呼ばれるなど、サポーターに愛された存在でもあった。
http://blog.domesoccer.jp/archives/60052796.html

ヴェルディ退団後はブラジルに帰国したものの、2019年よりいわきFCに加入。いわき加入が発表されたとき、いわきサポーターよりもヴェルディサポーターの方が興奮していたと思う。当時からフィジカルだけならJ2トップクラスだったであろうウェズレイが、フィジカルモンスター製造所・いわきFCでどれだけ進化することになるのか。楽しみである。

コ・ギョンジュン(2015年)

2015年2月に香港リーグから加入した韓国人DF。
ヴェルディにはあまり多くない闘志むき出しで戦う選手だったので、個人的には非常に好きだった。のだが、むき出した闘志がマイナス方向に作用することも多く、結構カードももらっていた。
ヴェルディ退団後は韓国2部のソウルイーランドFCに移籍し、2019年現在はどうもフィリピンのスタリオンFCというチームにいるっぽい。

ドウグラス・ヴィエイラ(2016〜2018年)

自分は2012年途中からヴェルディサポになったのでアレなのだが、貢献度で言えばフッキやディエゴに次ぐぐらいの選手と言っても過言ではないのでは?
189cmの長身なのでヘディングでのゴールもよく決めていたのだが、高いキープ力、ヌルヌルしたドリブルで前線で起点になってくれ、「困ったときのドウグラス」とも言われた(逆に、それがチームに悪癖をもたらしてもいたが…)。
「なんであんたがそっち行くねん?」と言いたくなるくらいサイドに流れがちだったのはご愛嬌だが、2018年のPO横浜FC戦での劇的な決勝ゴールに象徴されるように幾度もチームを救ってくれた選手であり、サンフレッチェ広島移籍後もヴェルディサポーターからは非常に愛されている。
スーツ姿がめっちゃカッコよかった。

イム・ユファン(2016年)

2016年、再び降格の危機に瀕していたヴェルディの救世主となるべく、二川孝広に続いて夏のウインドウでアルビレックス新潟より加入。加入直後は何試合か出場し、フィジカルの強さを発揮していたような気がするが、3試合目で前半早々に退場をかましてしまう。退場劇にへそを曲げてしまったのか、その後練習をバックレ、残念ながら9月には退団。竹本GM曰く「こちらへのホウレンソウが徹底されていなかった」らしい。
何があったのかはよくわからないが、彼は当時33歳だったので擁護もしづらい。
余談だが自分が昔勤めていた会社でも、能力は高そうなのにいきなりバックレる30代中途入社社員いたなあ…。

カルロス・マルティネス(2017〜2018年)

2017年にロティーナが新監督に就任し、夏にはスペイン人の獲得があるのでは?と多くのサポーターが期待した中でシーズン途中から加入したスペイン人FW。
「イニエスタと仲が良いらしい」「ビジャレアルで活躍していたらしい(ただしBチームで)」「イニエスタと仲が良いらしい」「弁護士資格も持っているらしい」「イニエスタと仲が良いらしい」「髭面イケメンらしい」「イニエスタと仲が良いらしい」という数々の魅力的な情報を引っさげて加入。
加入直後は技術の高さは見せつつも周囲との息が合わずに結果が出せず、されど試合には出続けることから「出場契約付けてね?」という噂も流れ、サポから評価はあまり高くなかったように思う。
半年で退団かとも思われたが2018年も契約継続。キャンプ時に海外サッカーマニアの林陵平と同部屋で、ツーショット写真に「トモダチ」という言葉を添えてインスタにアップして俺の涙を誘った。期待を込めて彼の背番号入りユニフォームとタオマフを購入したのだが、夏に家族の事情で退団。結局2ゴールのみで終わってしまった。
ただ、イニエスタがヴィッセルに来たのはカルロス・マルティネスからの助言もあったらしいので、ヴィッセル神戸サポーター、三木谷浩史氏、そしてJリーグに関わる全ての人はカルロス・マルティネスとヴェルディに感謝していただきたい。
今はスペイン3部のエルクレスCFでなかなかの活躍を見せているようだ。
フォーエバー、トモダチ。

レアンドロ(2018年〜)

2016年のJリーグ得点王。イニエスタが神戸に移籍した影響でヴェルディに移籍してきたので、カルロス・マルティネスの置き土産的な存在でもある。
近年のヴェルディでは最もネームバリューのある外国人選手であり、サポーターの期待も高く、実際試合に出場するとさすがのプレーを見せてくれるし、「レアンドロうめー」という言葉でTLが埋まる。だが、2017年に負ったケガの影響や寄る年波からか、なかなか本来のパフォーマンスを発揮できていない。
2019年のヴェルディの浮沈は彼に掛かっているので、どうにか復活してもらいたいのだが…。

ネマニャ・コイッチ(2019年〜)

2019年からイギリス出身のギャリー・ジョン・ホワイトが新監督に就任したので「イギリス人FWの獲得があるのでは?」と期待したサポーターも多かったが、連れてきたのはセルビア人FWの彼だった。
前所属がカザフスタンのクラブだったこともあり、最初は海の物とも山の物ともつかぬ扱いで、いつかの試合でプレスのタイミングが合わずに佐藤優平にキレられていたりもしたが、徐々にチームにフィット。第13節アビスパ福岡戦で初ゴールを記録すると、翌節のレノファ山口戦でもゴールを獲って勝利に貢献した。
頑張る系のFWだし、試合に出場していなかったのにラインダンスにノリノリで参加したり、「奈良輪マシーン」などおもしろ発言も豊富。既に多くのサポーターに愛されているので、ぜひとも頑張ってもらいたい。
あと、奥さんとの出会いが面白い。

ヴァウメルソン(2019年〜)

2019年に加入したサイドアタッカー。YouTubeに上がっていたプレー集を見ると高い技術やスピード、相手をあざ笑うかのようなプレーを披露しており、多くのサポーターが期待していた。
が、今のところチームにフィットしているとは言い切れない状況。俺の友人からは「YouTubeでしかゴール決めてないじゃん」と、本田圭佑がVVV移籍時にカラブロから言われていたような酷い言葉を吐かれたが、きっとそろそろ活躍してくれるでしょう。してくれないと困る。頼む。


以上です。
基本的にここに書いた選手は皆好きだったのだが、振り返ってみると最近は良い外国人選手を獲得できているようにも思えるな。まあ、2014年頃が酷すぎたのかもしれないが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?