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初めてでも書ける! 『メルカン』から読み取る“伝わる社員インタビュー記事作成”のコツまとめ。

前回は、まさに現代の愛されメディアの代名詞的存在「サイボウズ式」を取り上げさせていただき、愛されメディアの運用術を学びました。


今回も、ある企業の情報発信スタイルを参考に、ライティング・編集 初心者でもすぐに真似できる「社員インタビュー記事の書き方」を分析したいと思いますm(_ _)m

この記事では、日頃他社様のメディアを一人の読者として、また一人の編集者として拝見する中で発見した “独自の編集術・制作術” をご紹介しています。制作者の努力や心配り・気配りにリスペクトを込めて、書かせていただきます。

* 執筆者について *
経営者取材を1500以上行ってきた経営者プラットフォーム「ONLYSTORY」を運営する株式会社オンリーストーリーで編集業務に従事。企業価値を明文化・冊子化して経営課題の解決に役立てていただくサービス「OURSTORY」の編集長 / PdMを務める。当社に出会う前は、リヤカーを引いて旅をしていた経歴も…。


今回、題材にさせていただくのは、日頃拝見しているメルカリグループのコンテンツプラットフォーム『mercan(以下、メルカン)』です。

社員取材記事がたくさん掲載されているメルカンを分析しながら、普段はライティングや編集、取材を仕事にしていないという方でもすぐに真似できる点を分析していきます。

最近、採用広報面でよく見かけるようになった社員への取材記事ですが、実際自分が作成するとなった場合にはどのような点に注意すべきなのか・・・。


①初めて見る読者への情報共有

まず、メルカンに掲載されている社員取材記事の多くは、(めちゃ大雑把に分類すると)多くが次のような構成になっているように見えます。

その中の導入部から読み取れるのが、社員取材記事作成の1つ目のコツ「導入で、読者への情報共有を行う」ことです。例えば、下記の文章は『初仕事は国連管轄フォーラムでの発表。・・(略)』という記事の導入部分。

この記事内で登場する人物がどのような人なのか、どのような役割を担っているのか、メルカリに勤めていない人でもわかる言葉で紹介されています。

他の記事、『「欲しいけど、名前がわからない」を解決。・・(略)』でも取り上げている社員が記事内で主に言及している機能についてのわかりやすい説明が、導入部に置かれていますね。

読み人を“その部署や社員、機能の名前、役割を初めて知る人”であると仮定し、その後の記事を読み進めやすいよう、導入部でその記事のメイントピックとなる対象について丁寧に紹介・情報共有をしているのでしょう。

社内のことを社外に発信する際には必要不可欠な視点と配慮ですね!

導入部にこうした情報共有がないと、その人や機能を初めて知る社外の人に「なんかさっきから◯◯って言ってるけど、それ何?」「この人、さっきからなんでこんなこと話してるの?」と思われてしまいます。社内用語が使われていないか、も要チェック。


②理解しやすく噛み砕かれた文章

2つ目に読み取れる社員取材記事作成のコツは、「誰もが理解しやすい文章表現を心がける」ことです。

例えば、『「欲しいけど、名前がわからない」を解決。・・(略)』の文中に、次のような一節があります。

“メルカリでは、機械学習を取り入れた機能をつくり出そうと、さまざまな検証をくり返していました。代表的な例は、写真検索機能と非常に近いロジックを持つ「感動出品」と呼ばれる機能です。これは、お客さまの出品画像から商品名やカテゴリー、ブランドといった情報を解析し、自動入力してくれるもの。その後、違反出品物を探すためのカスタマーサービス用の写真検索機能開発などを経て、「いよいよお客さま向けの検索機能としてリリースできるのでは」という機運が高まっていきました。”

ここから、初めて読む人に配慮して丁寧に噛み砕かれた文章表現や読み手の理解を助ける補足部分が読み取れます。

赤字で上記に示した部分が、読者に合わせている配慮が読み取れる部分です。この赤字部分がないと、こうなります。

これでは、日頃からメルカリを利用しているユーザーでない限り、取り上げられているものがどのような機能なのかが分からなくなってしまいます。そのような状態では、どんなに大変な開発秘話を語ってもその功績が読者に伝わらなくなってしまいますね。


専門外のメンバーが取材を行うことで話し手の社員が言葉を砕いて伝えているのか、社員の言葉をその領域に関して専門外の編集メンバーが調整しているのかはわかりませんが、いずれかのアプローチで噛み砕いて伝える努力をなさっているように感じられます!

社員取材記事の聞き手、書き手となる人は、初めて見る人の視点に立って言い換えや補足が必要な部分がないか気を配る必要があるでしょう。


③具体的なエピソード・数字で想像させる

採用広報記事や宣伝記事を書く時には、いかにして社外の読者に「自社の社員の話や自社の出来事を身近なこと、自分ごととして捉えてもらうか」という壁があるかと思います。

そうした際に重要なのが、最後に取り上げさせていただく社員取材記事作成のコツ、「具体的なエピソード・数字で想像させる」ことです。

こちらも、例を2つあげさせていただきます。

“IGFは年次プログラムです。そのため、毎年どういったワークショップを開催するかは世界各国にいる55名の選考委員が決定しています。しかし、この選考がけっこう厳しくて。だいたい200〜300件の提案のうち、通過するのが70〜80件ほど。選考委員は自国のチームから提出された企画書の採点ができないなど、厳格なルールもあります。”

(『初仕事は国連管轄フォーラムでの発表。・・(略)』より)

提案件数に対する通過件数を具体的に示すことで、今回社員が挑戦していた選考が容易なものではないことが第三者にも伝わりますね。


1日100万点出品されるとしたら、3ヶ月後には9,000万点が検索対象になっている。写真検索機能に関しては、そういった出品物を検索対象に含めます。そこで、AI Engineering内にあるSysMLチームの内製プラットフォームを使い、自動的に専用データを生成し、定期的に更新される仕組みづくりも同時に進めていました。”

(『「欲しいけど、名前がわからない」を解決。・・(略)』より)

こちらも、社員検索機能の開発においてどれだけの数の写真が対象となるかを具体的に示すことで、社員の取り組みが簡単なものではないことが第三者も想像ができます!


社外の読み手の感情や想像を引き出すために、社員の取り組みを具体的なエピソードレベルで取り上げることが必要ですが、ただエピソードを取り上げるだけでは△。取り組みの現場にいなかった第三者にもその難易度が伝わるように、具体的な数字も混ぜて書いていくことが必要でしょう。


まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今回は、日頃拝見しているメルカリグループのコンテンツプラットフォーム『mercan(以下、メルカン)』を題材とさせていただき、ライティング・編集業務初心者でもすぐに真似できる「社員インタビュー記事の書き方」を分析してみました。

①初めて見る読者への情報共有
読み人を“その部署や社員、機能の名前、役割を初めて知る人”であると仮定し、その記事のメイントピックとなる対象について導入部で丁寧に紹介・情報共有をする。
②理解しやすく噛み砕かれた文章
社員取材記事の聞き手、書き手となる人は、初めて見る人の視点に立って言い換えや補足が必要な部分がないか気を配る必要がある。
③具体的なエピソード・数字で想像させる
第三者にも社員の功績や活躍がより伝わるように、具体的なエピソードと数字を混ぜて書いていくことが必要。

自社のことになるとつい感情が入りすぎてしまったり主観に偏ってしまったりしてしまうところがあると思いますが、目に見える文章も目には見えないコンテンツも、客観視点を取り入れていくことが大切になりそうですね。


採用広報 / 採用ブランディングが必要とされるなか、社員取材やライティング・編集はそれらを生業としていない方にもその能力やスキルを求められる場面が増えていると思います。

突然の社員取材や慣れない採用広報業務を請け負うことになった際、初めて社員取材コンテンツを企画する際など、ぜひ参考にご覧くださいm(_ _)m


最後に

「社員インタビューコンテンツを用意したいけど、どうしても自社では手が回らない。」「社内にライターがいなくて、明文化したいものをまとめることができていない。」

お困りの方がおりましたら、弊社に一度お気軽にご相談ください^^

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