OpendoorがOpen Listingsを買収

最近動きの多い米国不動産業界での新しいニュースです。Opendoor はiBuyer*と呼ばれるオンラインで不動産買取をする会社で、先日$325Milの投資を受けて攻勢を強めている中、Y Combinator卒業のディスカウントブローカー**のOpen ListingsをSeptember 11, 2018に買収したと発表しました。

Open Listingsは2014年5月設立、Series AでTotal fundingは$7.6Milとまだアーリーステージながら不動産購入者に50%分の売主が払う仲介手数料をRefund(キャッシュバックみたいなものですが、物件価格から割引でIncome taxがかからない)することで急成長中でした。

ちなみに50%分というのは、アメリカでは基本的には売主が買主の仲介エージェント分の手数料も払うため、その買主仲介エージェント分相当の物件価格 x 2.5% x 50%ということになります。$1,000,000の物件なら$12,500、結構大きいですね。同カテゴリーの先駆者としてはRedfinで公式サイトのシミュレーターでは$10,000のセーブになると出ました。

これで多くの人は不動産売却後に家を購入するため、Opendoor上で物件売却を手伝いながら、Open Listingsに掲載されている物件の購入も同時に手伝うことができ、Opendoorは一人のカスタマーからの手数料収入が増え、カスタマーは売却&購入が簡便に進められるという目論見かと思います。加えて、Open Listingsはより多くの物件データを持っているため、Opendoorの価格提案の精度も高められるのではないかと思いました。

また、公式のブログポストの中でTrade-in(車やiPhoneの下取りのように物件を下取りして同時に新しい家を購入)を強化するとありました。まだ詳しく調べてないですが、これがもしキャピタルゲインを回避できるようならスキームなら消費者メリットが大きいですね。サイトにも書いてないから難しいのかも、詳しい方いらっしゃれば教えてください。


*iBuyerのポイントは、自社で買取をするので決済実行までが早い事と、(彼ら曰く)競争力のある価格を提示できること、トータルのコストが低くなること

**Redfinのように物件購入者に、物件売却側からの手数料の一部をキャッシュバックするブローカー、他にはRedfinなど。OL = Open Listingsですがこの表はOpen ListingsのサイトからRedfin $2,000はミスリーディングですね。Refund率で比較すると1.25% (OL) vs 1% (RF)でそんなに変わりないですね。


シリコンバレーの不動産テック会社でProduct Managerをしています。PM x US x 不動産関連のノートを書いていきます。Twitterは https://twitter.com/yamotoshi です。