情報リテラシー論 其ノ拾參

 そんな感じだった。

終始彼はそんな感じで、結局このときの林檎くんは、『交差点で信号機が全て赤になる時間は三秒』というトリビアを僕に教えたかった、自慢したかっただけらしいのだけれど、そんな話から人生やら主義やら、果ては夢まで語ってしまうのが、林檎ヲ剥イテ歩コフという、十九歳の男だった。

世の中には色んな情報が蠢いていて、行く手を遮る全ての信号が赤色で。青信号を渡ってもクルマに轢かれるそんな世の中。

だけど、きっとこの情報リテラシーについて学び終えたあとでなら、僕は林檎くんの雑学に対して、いつも言われっぱなしで圧倒されっぱなしな彼に対して、ひとつだけ言い返すことができるだろう。

つまり。

信号機にはもうひとつ、赤色と青色の間に、黄色があるのだと。

そしてそれこそが情報リテラシー論で彼が促したかったものなのだ。