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2022年9月に聴いた曲3曲

 どうもヤンです。

 さ、9月分も曲紹介していきますよ〜


真島ゆろ「あっぷりケ」

 真島ゆろが音楽的同位体・可不を用いて書き下ろした新曲。コミカルな印象のサウンドと、音楽全体を統制するベースの響きが聴く人に優しい印象を与える曲です。
 その上で、歌詞はポップながらもけっこう攻めたことを言っているのが真島ゆろらしさ。タイトルの元ネタである「アプリケ」とは、フランス語で「土台となる布の上に、別の布や皮などの小片を縫い留めたり、貼り付ける手芸」(Wikipediaより)のことを指す言葉です。MVのサムネイルはまさしくアプリケ風に作られていますね。
 そして、サビ冒頭で「ぼくらはアップリケだらけ」と、自分たちは他人の土台の上に成り立っている生き物なのだと主張しているのが印象的ですね。その後には「そっくりばっかり モンタージュ / もうどこにも無いな オリジナル」と続き、人間というのは誰かのツギハギで作られているんだ、と言い聞かせてくるような感じがとても深いんですよね。
 Bメロもこの曲の面白いポイントですね。「失敗があるから成功がある / 否 禍福はあなざえる縄の如し / 周りのみんながすごく見える / 否 そうでもないみんなを見てないだけ」と、天使可不と悪魔可不(?)の掛け合いがコミカルで、なおかつ世の中の核心を突いてくる歌詞が刺さりますね。この世界というのは、そううまくはできていないんだということを思い知らされます。
 真島ゆろの魅力は、自らの主張したい文言を、ポップな曲調と自ら制作するかわいらしいMVによって親しみやすく出してくるところですかね。人気クリエイターP丸様。に提供した「MOTTAI」や「ないばいたりてぃ」でもそうでしたが、聴きやすくてゆるめなキャラクター性を持った曲とMVにいつも惹かれております。


KOH⁺「ヒトツボシ」

 柴咲コウ福山雅治によるユニット・KOH⁺が、9年ぶりの『ガリレオ』シリーズ最新作である映画『沈黙のパレード』に向けて書き下ろした曲。
 KOH⁺は2007年に月9ドラマ『ガリレオ』にて結成されて以来、『ガリレオ』シリーズに向けて「KISSして」「最愛」「恋の魔力」などの名曲を提供してきました。そして来る2022年、『ガリレオ』シリーズ最新作に合わせ、これまた珠玉なバラードを生み出したな、と思いましたね。
 この曲の真髄は、「愛さずにいられたなら / こんなにも苦しくはない / 出逢わずにいられたなら / この旅は幸せだったの?」という歌い出しに全てが詰まっているのではないでしょうか。『沈黙のパレード』を見ていただければ分かっていただけるかもと思うのですが、人と人というのは数奇な運命で繋がっており、一度出逢ってしまったのなら、彼彼女らの間で何らかの感情が発生してしまうんだな、と感じました。
 「ヒトツボシ」は、「一期一会」のありがたみ、そして出逢いのその先には祝福も破滅も有り得る、ということを改めて思い出させてくれる、そんな作品でした。令和の時代にKOH⁺の新作が聴けるということに、この曲に出逢えたことに改めて感謝ですね。


YuNi「Higher」

 最後はもちろんこの曲!我らがYuNiの最新曲「Higher」です!
 作詞作曲は「夜と幽霊」のR Sound Design、編曲は「フィルモノローグ」のSakuと錚々たるメンバーによって制作された新曲。「Higher」というタイトルに相応しい、最高のブチ上げ曲となっております。
 この曲はもう、「EDMとはこうでなくっちゃ!」というのを体現したかのような、誰でも分かりやすくアガれる縦ノリ曲です。クラブでかかっていても何らおかしくないクオリティ(というか全国のDJさん、この曲使ってくれ)。今回の新曲はYuNi自ら「縦ノリ曲がほしい」と要望したようで、その要望を完璧に実現させた作曲陣のセンスに唸らされます。
 この曲を聴くたびに、早くリアルライブで「Higher」を聴きたいという想いが強くなっていきますよね。個人的には、この曲はコロナ禍における「声出しができない」というライブ事情を考えて作られた曲だと思うんですよね。YuNiの曲の中で、ゆにチルと一緒に盛り上がれる曲といえば「ウタオウヨ、ウタオウヨ」のコールアンドレスポンスや、「Beautiful World」のシンガロングなどがありますが、どちらも観衆の発声を伴う行為で、コロナ禍においては非常に危険。ならば「然ア皆サン 御手ハ 此ノ様ニシテ / 斉ノデ手ヲ叩ケ」と、ゆにチルに手を叩かせるのであれば問題ない!と思って作られたのだと想像します。実際、この曲がかかったら、思わずどこにいても手を動かしてしまうので、本当にすごい…
 また、この曲には驚きの仕掛けが。Dメロの部分では、YuNiが溺愛しているゲームである「FINAL FANTASY VII」より、ボスキャラ・セフィロスのメインテーマである「片翼の天使」をオマージュしているとのこと。「片翼の天使」の、前へとグングンと進んでいくイメージの部分が、ノリノリな縦ノリ曲へと流用されるというのはナイスアイデアですよね。YuNiがラスボスになる日も近い…何のラスボスになるんだよ

 というわけで、今月はここまでです。また来月お会いしましょう!

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