DIR EN GREY/PHALARIS


ようやく!やっと!!全部通して聴けた!!!
『DIRのアルバムを初めて聴くときは歌詞を読みながら通して聴く』と昔から決めているので、今日までフルで聴けず。
発売前の視聴とかは全然OKで聴いちゃうけど、【パッケージを開封→新品の匂いを嗅ぐ→最初は歌詞を読みながらディスクで聴く】っていう流れを今も大切にしたくて。
DIRの曲たちは消費する曲じゃないし。

はぁ〜、今回も最高のアルバムでした。

本当は感想はSNSでつぶやくべきなんだろうけど、私のアカウントはフォロワーほとんどいないひっそりとしたアカウントだし、この想いを140字にまとめられそうにないのでここに綴っておくことにした。

アルバムを何度も聴いたりLIVEで聴くようになると曲に対する感覚が変わっちゃうし、これからメンバーインタビューを読んだりするとその回答にどうしても影響されてしまうので、自分だけの、初めて聴いて感じた、一度しか感じられないこの気持ちを忘れないように書いておきたい。

内向きで閉鎖的なアルバム

インサレくん(ジャケットの印象もあって、私は前作のアルバムをこう呼んでる)は鋭くてスピード感があって、怒りに満ちた攻撃的な曲たちだったけど、【外向き】のアルバムだと思ってた。

人が怒るときって「どうにかしたい」「どうにかして欲しい」って、少なからず自分や誰かに期待して、求めて、改善や解決したい前向きな気持ちがあるから怒るんだと思ってる。
だからインサレくんは外を向いていて、【自分の存在をアピールしているアルバム】っていう感覚があった。
怒りに満ちていても、最後にはラナンキュラスで自己を認め、【生きる】ということについて前を向いてみようと進み始めていた。
インサレくんでは自分の命に光が差し始めた。

それなのに…
【光が差し始めた】と思ったのに…
その後に来たのがThe World of Mercyですよ。

仲間に入れて欲しい気持ちもあった。みんなと同じに生きようともした。でも無理だった。同じ世界には違和感しかない。
自分を見つめ、【内側】の世界へと潜っていった。

そしてリリースされたPHALARIS。

世界や人間への諦め、同じことを繰り返す人間の愚かさ。でも、自分も同じ人間なんだという絶望感。インサレくんのように最後に光も差さず、『まだ生きるんですか』という絶望に満ちた締めくくり。
外へと向くことなく、また内へと向かい、アルバムが終わる。
なんとも言えない閉塞感。


はぁ〜、最高だった。(曲に疾走感や爽快感を求めてる人には理解できない感覚なんだろうな)

曲に自分の経験を重ねて、ぐるぐるとグチャ混ぜにかき混ぜるのに最高のアルバムだった。
好きなアルバムだわああああーーー。

拷問器具ファラリスも扉は開かれることなく燻され続けるから、このアルバムも多分そういう世界なんだろうな。
1人でいろいろと推察、考察してしまう人間にはたまらんアルバムです。

これからたくさん聴いて、ドロドロに煮出していきたい。


しかも!
disc 2の選曲がこれまた最高だった。

disc 1だけでは扉が閉じるのに、disc 2も通して聴くと、ain’t afraid to dieが絶望的な世界を洗い流して雪が溶ける。新たな未来への光も感じさせる。
世界は絶望だけじゃないかもしれない。
そして、花が咲く。

ただそのためには一旦全部焼き尽くされてリセットされてるけど(笑)

再録は 2曲とも要素が削られて、シンプルになった構成や音がこれまたカッコよくて痺れた。
25年続くバンドの貫禄。

これだからDIR EN GREYを聴くのをやめられないんだよなぁ〜。

LIVEでこの曲たちがどう変化して、どんな世界を繰り広げるのか楽しみで仕方ない。
PHALARISは大きな会場が似合いそうな曲たちばかりなので、ぜひとも日本武道館でやってほしいな!!!!
もしくはMMホールリベンジ。
内なる扉を開けて、大きな会場で曲を解放してみて欲しい。

そしてインサレくんの曲たちも大きな会場で走り回らせてあげてくれ。お願いだ。
インサレくんも大きな会場で走り回ったら、怒りが少し静まると思うんだわ。


あー、早く声を出せるようになって、LIVEでの一体感をまた味わいたい。
そんな日が一日でも早く来ますように。

DIR EN GREY最高!!!!!

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