論文調査について

 卒業研究のテーマが決まったら、ほとんどの場合、最初は論文調査に取り組むことになると思います。今回は論文調査のやり方について説明していこうと思います。

論文調査をしっかりやっておけば、研究背景やその研究の意義が説明できるようになりますので、就職活動や大学院の面接などで、自分の研究について聞かれたときに、ちゃんと答えられるようになります。研究配属が4月のところだと、就活で精いっぱいという人もいると思いますが、論文調査だけでもしっかりやっておいたほうがあとあと楽だと思います。

(1)先輩の論文を読む

 まずは、卒研テーマに関連する研究をしている先輩の修論、卒論、学会発表の原稿などを読みましょう。最初のころは、よくわからない専門用語が多く、なかなか読み進められないと思いますが、わからない単語を調べつつ、読んでいきましょう。就活の合間時間にちょっとずつ読むだけでも意味があると思います。

(2)関連学会の論文(日本語)を読む

 英語に自信があれば、いきなり英論文を読めばいいと思いますが、初めてやることをいきなり英語でやるのはハードルが高いですよね。私自身新しいことをやるときは、とりあえず日本語の資料がないか探してみます。そもそも新しい技術だと日本語で書かれていてもよくわからないことがありますので、楽できるならまずは日本語の論文を読んでみましょう。(もちろん、そもそも日本語の論文や資料がほとんどないことはありますが)

 日本語の論文を探すときは、いきなりキーワードで検索するよりは、先輩の論文で引用している論文を読んだり、研究室の論文データベースを利用したほうがいいと思います。最初のころは、そもそも何て調べたらいいのかキーワードがよくわからないですし、どういった学会・論文誌を調べたらいいのかもわからない状態だと思います。ですので、研究室の先輩たちの成果を利用しましょう。

 また、日本語の論文を調査するときに限らず、どんな場合もですが、著者、論文誌の名前、発表年はメモしておくようにしましょう。特に参考になる論文だったら、その著者の他の論文を読んでみるといいと思います。論文誌の名前も同様です。その論文誌に関連した研究が投稿されているはずです。こうやって探していくと、参考になる論文が見つからないということはほぼないと思います。たくさんありすぎて、どれから読んだらいいのか頭を抱えることはありますが・・

(3)英論文を読む

 日本語論文でベースとなる知識をある程度獲得したら、メジャーな英論文、例えば、関連研究の多くの論文や学会発表で引用しているような論文を読んでみましょう。英語が苦手でも最近だと機械翻訳のレベルも上がって、簡単に読めるようになってきました。個人的にはDeepL翻訳がオススメです。

 ここまでできるようになったら、あとは(2)(3)を繰り返していく感じです。研究室で論文データベースなどを作っているところであれば、論文データベースに自分が読んだ論文を追加しつつ、ほかの人が調べてくれた論文を読んでみたりして、情報を充実させていきましょう。

全部読むのがめんどくさい場合

学会発表の原稿なら2~4ページなので、そんなに大変じゃないと思いますが、論文は10ページ程度はありますので、全部読むのが面倒な場合、とりあえず、アブストラクト、緒論、結論だけ読んでみるのがオススメです。これらを読んでみて、参考になりそうなら、ちゃんと読んでみるという作戦は、読むべき論文が多すぎて、どれから読んでいいのかわからないときにはオススメです。

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