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国道16号線の話。

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2020年11月、新潮社より『国道16号線 日本を創った道」という本を刊行します。 国道16号線については、もう30年近くいろいろなことを考えたり、実際に記事を書いたりしてきまし… もっと読む
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記事一覧

国道16号線の話 古代東海道は16号線だった。

国道16号線の話 古代東海道は16号線だった。

古代の東海道の変遷を葛飾区のホームページが掲載している。

https://www.city.katsushika.lg.jp/history/history/p_image/2/古代東海道の駅路の変更と葛飾郡.jpg?fbclid=IwAR3L_K6qq0B_YFmx8QoX0pPvXpzD6NPV4fLdtpK-IDxUuIoo8LGUAnUkc4Y_aem_ATSPZW1XH8QA6cj6k

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メディアの話。なぜ麻布台ヒルズにはドローン発着場がないのか。

私たちはなぜ「交通の未来」を予測できないのか。

あるいは「交通の未来」を前提として、都市開発ができないのか。

ということにずっと興味がある。

情報系の変化に関する未来については、SFから未来予測までさんざんやられている。

でも、交通や物流の革新によって、どんな「未来の街」が具体的に生まれるか、ってことについては、案外予測ができない。

現在の巨大ビル開発。

あれは「投資」という「お金=情

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メディアの話その147 細田守とメタバースと川と坂と。

メディアの話その147 細田守とメタバースと川と坂と。

改めて細田守さんの「竜とそばかすの姫」をみる。

https://www.amazon.co.jp/竜とそばかすの姫-中村佳穂/dp/B09QFJP4R6/ref=sr_1_5?crid=31U6X3PZTQ2IH&keywords=千と千尋の神隠し&qid=1673836168&s=instant-video&sprefix=千と千尋%2Cinstant-video%2C151&sr=1-5

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メディアの話その136 近所にあったら絶対毎日行きたい! 稲城市立図書館のすてきなスタッフのつくったすごい書棚

メディアの話その136 近所にあったら絶対毎日行きたい! 稲城市立図書館のすてきなスタッフのつくったすごい書棚

今日、取材の帰りに、稲城市立図書館に立ち寄った。
2022年1月、こちらの図書館で講演をおこなったのだ。
「国道16号線と多摩の未来」というタイトルで。
もともと、こちらの図書館の担当の方々からお声がけをいただいたのがきっかけだった。「国道16号線」を面白がっていただいたのだ。
講演の模様と、イベントまでのあれこれは、稲城市立図書館のnoteをご覧いただきたい。

この図書館で担当くださった三人の

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国道16号線の話 稲城市立図書館の素敵なレポート。

稲城市立図書館さんが1月に行った国道16号線と多摩の未来、という私の講演の模様をレポートしてくださいました。

幸運の連続だった #中央図書館開館15周年 記念講演会レポート!

開催しました!

柳瀬博一氏による一般講演会

「『国道16号線』と多摩の未来」

――中央図書館開館15周年企画⑦|稲城市立図書館note【公式】

https://inagi-city-library.note.j

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メディアの話その134  1955年の「キネマ旬報」が教えてくれる、街を創ったメディアとしての映画。八戸に18の映画館があった時代。

メディアの話その134 1955年の「キネマ旬報」が教えてくれる、街を創ったメディアとしての映画。八戸に18の映画館があった時代。

街をつくったのは映画館というメディア装置だった。 戦後、焦土から立ち上がった鉄道資本主義の街、あるいは古い街道街を、にぎやかな場所にした最大のコンテンツ、それは「映画」だ。

私の手元に1950年代のキネマ旬報が4年分ほどある。

蔵書家だった母方の祖父、西岡彦太郎(1980年没)が、映画好きだった私に生前プレゼントしてくれた。中学卒業の頃だった。

この時代のキネマ旬報には、映画にまつわる面白い

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国道16号線の話 観光という見立て。

SNSを眺めていると「「国道16号線」なんか東京近辺の道の話だろ。俺、××(関西とか九州とかレユニオンとか)だから関係ないわ 全国放送でやるな」と言った意見を書く人が何人かいる。

それがとっても面白い。

というのも、同じ人が「湯布院」や「西表島」や「上高地」や「パタゴニア」や「アンダマン諸島」といった自分の地元じゃない場所のテレビ番組をやっていても、「うちの地元じゃないから・・・」とは感じない

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橋本と茅ヶ崎と16号線とユーミンと鉄道資本主義とシン街道資本主義と。

橋本と茅ヶ崎と16号線とユーミンと鉄道資本主義とシン街道資本主義と。

荒井由実=ユーミンの初期の傑作に『天気雨」がある。

茅ヶ崎のサーフショップ「ゴッデス」がとりあげられたことで、サーフィン愛好家の間でも有名な歌だ。

白いハウスをながめ

相模線にゆられて来た

茅ヶ崎までのあいだ

貴方だけを想っていた

「天気雨」(作詞作曲 荒井由実 1976 アルバム『14番目の月』より)

主人公は、鉄道に乗って、茅ヶ崎に行き、

彼〜サーファーだろう〜への片想いを歌

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メディアの話その129 非東京人がつくった漫画都市としての東京郊外。

日本の漫画、といえば、トキワ荘である。

豊島区東長崎。目白通りを目白駅から4キロ走り、一方通行の出口をちょっと逆走したところにあったボロいアパートである。

いまは、記念館が、もともとのトキワ荘の近所にある。

世界を席巻し続ける、日本の漫画・アニメの世界の本流は、ここから生まれた。

ここでポイントは、トキワ荘にいた漫画家たちは、東京人じゃない、ってことである。だから、ぼろいアパートに集結して

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メディアの話その121 鉄道資本主義が貫徹してない街、西武線の魔力。

ターミナルに百貨店をつくり、沿線に計画的な住宅街を設け、それぞれの駅前には系列のスーパーをつくり、病院や学校を誘致し、奥座敷には高級住宅街を設け、終点エリアにはアミューズメントパークをつくる。

阪急グループの小林一三が成功を納め、渋沢栄一が田園都市株式会社をつくり、東急の五島慶太が、実現した。

こうした「鉄道資本主義」のまちづくりは、東京の各私鉄がこぞって真似をした。

でも、鉄道資本主義を完

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メディアの話その120  シン街道資本主義と浜松の何もない駅前。

メディアの話その120  シン街道資本主義と浜松の何もない駅前。

浜松唯一の私鉄、遠州鉄道の駅前は、ほとんどがどんどんさびれている。

今に始まったことではない。2011年。いまから10年前に、こんな話をフェイスブックに書いていた。↓

浜松に電車で帰る。地元の遠州鉄道に乗り、20分ほど北の駅につく。駅に降り立つといつも自分の中でかかる曲がある。レイチャールズのインザヒートオブザナイト。夜の大捜査線のテーマ。あの映画では都会から来たシドニーポアチエ演じるチップス

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