メディアの話。その68、フェイスブックと林檎のカマトト。

GIZMODOに

元アップルのスティーブ・ウォズニアックさんと、アップルCEOのティム・クックさんが、フェイスブックの不祥事に噛み付いて、どちらもフェイスブックを事実上利用するのをやめたらしい。
https://www.gizmodo.jp/2018/04/steve-wozniak-disable-his-facebook.html

彼らは、こう語る。

ユーザーは人生のあらゆるデータをFacebookに提供し、
Facebookはそれで広告マネーを大儲けしている。
利益はすべてユーザー情報から生まれているのに、
ユーザーにその利益が還元されることはない。
Facebookにおいてはユーザーが商品なのだ。

ーーウォズニアック。

これだけ細かいプロファイリングが存在すること自体、
おかしいんですよ。複数のソースの情報をつなぎ合わせると、
信じられないほど深い個人情報になります。
データポイントの点と点をつなぎ合わせて誰かが悪用しようと思えば、
いとも簡単にできてしまう。

できるけどやってはいけないことが人生にはあります。これはそのひとつ。

その存在を許してはなりません。

ーーティム・クック。

ふむふむ。もちろん、であるが、個人の人生を「データベース」化し、それを広告のマッチングに使ったり、マーケティングに使ったり、というフェイスブックのビジネスモデルは、ハナからオープンにされていた。別に秘密でもなんでもない。だからこそ、フェイスブックは莫大な広告を集めることに成功した。

デジタル界のグルと経営者が知らないわけはもちろんない。

不祥事が明るみになったから、こう語っているわけである。

もともとマスメディアというのは、「コミュニティ」をビジネスにする事業である。

コンテンツを作って、そこに2層構造のビジネスを展開する。

まず、ある特定の人々が集まるコンテンツを作り、その特定の人々に、コンテンツを売る。新聞ならば新聞記事を、雑誌ならば雑誌記事を売る。この場合、どんな新聞か、どんな雑誌かで、コンテンツの中身は当然変わる。「ビジネスの側面」からみれば、コンテンツは手段だ。目的は、そのコンテンツに誰が集まってくるか、である。

競馬の予想記事というコンテンツを書いてまとめれば、「競馬好き」という特定の人々が集まる。

中身は趣味でもビジネスでも勉強でもなんでもいい。わざわざお金を払ってくれる、特定の人々を集めるコンテンツを作ること。これがメディアの第一歩である。

次の層は、そんなコンテンツによって集められた人々を、「クライアント」に売るビジネスである。

そう、「広告」ビジネスのことだ。

ある特定の傾向のコンテンツに集まる人々は、ある特定の共通する特徴を持っている。そんな特定の特徴=趣味思考やビジネスのジャンルを持ち得る人々が「コンテンツ」によって雑誌や新聞などのメディアに集められば、メディアはそこに彼らの趣味に直結する「広告」を打つことができる。釣り好きが集まる釣り雑誌には、釣り道具の広告が出る、というのが典型である。

新聞や、雑誌というコンテンツを手で持てるメディアは、概ね以上の「購買料金」と「広告」とで稼ぐビジネスモデルであった。

これが、テレビやラジオのようにコンテンツが「手で持てない」と、人はなかなかコンテンツにお金を払わない。そこで、テレビやラジオは、広告の一本足打法で、ビジネスを展開することになった。

1000万人単位の視聴者を集めてビジネスを行うテレビ局ですら、コンテンツによって集まる客層はそれぞれのコンテンツの趣味傾向に応じて、バラバラだ。

つまり、テレビもまた番組単位で、顧客データベースを構築し、そのデータベースをクライアントに売るという手法を取ってきた。

そして、フェイスブック(とそのウェブ仲間たち)は、ゲームのルールを変えた。個人の生活を垣間見えるデータベースで、テレビや新聞や雑誌よりはるかに個人を直接マーケティングデータである。

個人の「人生」をデータベース化するフェイスブック.

個人の「興味=検索結果」をデータベース化するGoogle。
個人の「買物性向」をデータベース化するアマゾン。
個人の「メディアコンテンツの趣味嗜好」をデータベース化するCCC。

メディアに人を集めて、そこを疑似データベースにして、広告を売る代わりに、自分のサービスを使ってもらうことで、顧客の様々な「情報」を直接いただいて、様々なクライアントに直接想定顧客をターゲティングしてもらい、広告やマーケティングに金を払わせる。

根っこの発想は変わらない。フェイスブックは、悪か。善か。

続きます。








































































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yanabo

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