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写真を観に行く

インスタグラムで勝手に追いかけている、マキエマキさんの写真展を仕事帰りに観に行く。赤いワンピース姿の実物のマキエマキさんも在廊されており、お話できて嬉しかった。写真よりもずっと綺麗で、ポーっとなる。つげ義春さんの『ねじ式』や『ゲンセンカン主人』などの舞台となった土地を実際に訪れ撮影されたそうで、漫画の場面を頭に浮かべながら観ると更に趣き深い。
「つげさん漫画でシリーズ化されないのですか?」と尋ねると、『隣りの女』や『やなぎ屋主人』などで構想されているそうで「ドロドロした女の情念みたいなものをやりたい」とのお話が聞けて、嬉しい。ちなみに、ご自身を被写体としてセルフポートレート、ヌードなどを撮影されるようになったのはここ5、6年?くらいだそうで、置いてあった作品集を立ち読みしたところ、若い頃から性の対象として見られる女というものに抵抗があったが、閉経してからはもう少し違うところへいけるのでは、という感覚が生まれ、それがセルフポートレートを撮る背景にもなったらしい。目から鱗が落ちるとはこのことで、やはり閉経なのか…。1966年のお生まれで、あの瑞々しい白肌、汗が滴り落ちるような肉感、まったくわたしの求めるリアリティ溢れるエロのカタチを体現されている。インスタにあげられていた、『㊙︎色情めす市場』の芹明香ぽく撮られた写真のことを聞くと、「あの映画1番好きなの」とおっしゃっていて、私も同じなので、更にまた嬉しい。たくさん書籍も出されていて、日本の古典和歌を勝手に意訳してみたり、仮想ピンク映画のポスター作ったり、ほんとにおもしろいことを次々とやっておられて、ただただ嬉しくなる。「どんどんアイデアが湧いてくるのですか?」と聞くと「そうなの。まだまだあるの」とおっしゃっていた。インスタで写真を拝見していた時は勝手に肉食系の女性をイメージしていたが(←失礼)、実際お話してみると、実にたおやかで上品なお方だった。
最初は私ひとりだったが、50代60代くらいの妙齢?の男性が3人、4人と訪れ、食い入るような目つきで写真を観ておられる。そして、全員がマキエマキさんに話しかけたくて仕方がない様子である。私はお礼を言ってそそくさと退散した。
ほんと元気がでる。やりたいことをひたすらやっている人を見ると、ただ嬉しくなる。そういう人が好きだ。
1曲完成させるために、深夜3時半までひとりぼっちでギター弾いてドラム叩いてベース弾いて歌とコーラスまでも歌って録音してしまう、そういう人が好きだ。そういう人に損得勘定とかないでしょう。

先週の土曜日、友だちのOさんにすべて話した。
もうなんの未練もない。
わだかまりを抱えたまま、おもしろいことなんてできるはずがない。不毛な関係を終わらせる。

マキエマキさんの写真展の後は、きゅうりや
トマトまでエロく見えてきた。



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