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生きるぼくら(著者:原田マハ)

著作者:原田マハ 発行所:株式会社徳間書店 2016年8月1日電子書籍版発行
 
主人公は、麻生人生(あそうじんせい)。父と母が離婚したのは、人生が小学校六年生十二歳のときだった。それまでは、人生にとって、さんさんと日のあたる、もっとも明るい時期だった。運動会や遠足で校庭や野山を走り回り、おにぎりをほおばる人生は幸せだった。おにぎりのなかには、母が苦労して作った梅干しが入っていた。
 
『見知らぬ町の中学校に進学した人生は、無視されたりいじめられたりしたが、どうにか耐え抜いた。やっとの思いで進学した高校で、今度はもっと酷いいじめにあい、ぎりぎりの日々を耐えていた。』
 
高校二年生のとき、暴力といういじめを受けていた人生は、母の作ってくれた弁当箱を投げ捨てられ、砂の混じった弁当を無理やり食べさせられる。そのなかには梅干しが入っていた。これから人生は梅干しを食べられなくなる。人生は死んだほうが良いと思う。
 
それからもいじめに耐えたが、十七歳のとき、高校を中退して働くことを決意する。しかし、慣れない就職活動はうまくいかない。そして引きこもりの日々が続く。引きこもりを始めてから四年目、母は失踪する。人生は、祖母を慕って蓼科(たてしな)へ行くことを決意する。果たして人生は立ち直ることができるのか。
 
注:『』は、引用文

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