アニメと町おこしと国防と

参議院選挙が公示され、ツイッターでも各党支持者の意見が飛び交うようになった。

そんな中、数年前の懐かしい記事がそこそこのリツイートをされて流れてきたのを観測した。

戦車が来なくなった大洗 共産党が「ガルパン」名指しで戦車展示の中止を要請していた - BIGLOBEニュース https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/1224/blnews_151224_5208955672.html

結局のところ、大洗での戦車展示がなくなったのは自衛隊側の事情で、共産党の中止要請は無関係だと公式発表されているので、ほぼデマなのだが、特にみんなが敏感なこの時期にまた誰かが意図的に流したのだろう。

さて、ここで戦車展示の是非は置いておいて、昨今のアニメを使った町おこしについて考えてみよう。

過疎化や空洞化によって経済が衰退している地方にとって、観光客は救いの手だ。だから昔から、ドラマの舞台や小説の舞台として宣伝して、外からきた人にお金を落としてもらって町を活性化してきた。

最近はその題材がアニメになり、若い人を中心にいわゆる聖地巡礼という文化が生まれ、市民にも受け入れられるようになった。

しかし、光には影も伴う。

アニメファンは、おおむねマナーを守って聖地を楽しんでいるのだが、時には心無いアニメファンが、現地の人に文句を言ったり、迷惑をかけることがある。

そうした時は、他のファンが注意したり、あまりよくないやり方だが、晒されたりして排除が起きる。

儲けになればそれでいいというわけではなく、現地に住んでいる人の生活がまず優先だ。そこは多くのアニメファンが理解していることと思う。

さて、最初の話題に戻すと、ガルパンファンの主張としては、ガルパンによって大洗には経済効果があるし、地域の人にも受け入れられている。だからそれに文句を言う共産党はナンセンスだという意見だ。

しかし、中身はどうだろう。別に共産党の要望書には、ガルパンイベントで戦車を展示するのはやめろとあるだけで、ガルパンイベントそのものは否定していない。

あくまで、もともと観光地である大洗に自衛隊が戦車を展示することは不適切だと主張しているだけだ。

あとは各人の理性で考えてほしいのだが、一介の萌えミリファンかつ自衛隊ファンとしては、超えてはいけない一線もあると考えている。

基地イベント等でやるには結構だが、子どもからお年寄りまで来る観光地で、自衛隊が少女の皮をかぶって宣伝活動をするのは、あまり褒められたものではないと思う。

もちろん、自衛隊は国を守る大切な組織だし、災害時にはお世話になる。

だからこそアニメファンばかりに媚びるのではなく、国を守る使命をアピールしてほしい。

自衛隊も人手不足だと言っているが、やはりパワハラや暴力がなくならないと内部にいる隊員からも聞く。そこを正すことをせずに、かっこよさや萌えで隠して勧誘しても、組織も隊員も不幸だろう。

そして、アニメファンには冷静になって、アニメ聖地は現実だということを認識して楽しんでもらいたい。

本物の戦車が来なくたって、心の目で街を走る戦車を感じて、女子高生がキャッキャウフフしてる姿を妄想して楽しめるのが僕たちオタクだろう。

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