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馬狩いきもの日記 -木の皮をめくったのは…?-

こんにちは!

いやぁ…あっという間に年の瀬になってしまいました。

今年最後のブログは、久しぶりのクイズ形式で入りたいと思います!


この時期、雪の森を歩いていると、こんな風に木の皮がめくられて雪上に落ちていることがよくあります。



誰のしわざだろう…?

これ、ある生き物が、木の皮と幹の隙間に入り込んで冬越ししている昆虫やクモを食べるためにめくっているのですが、犯人はだれなのでしょう?
次の3択から選んでみてください!


1.リス

2.オオアカゲラやアオゲラなど、大きなキツツキ


3.シジュウカラ、ヤマガラなど、小鳥の群れ


これらの生き物は、雪の時期に森を歩いていると、実際によく出会います。
だから、僕もこの中のどれかなのだろうなぁ…と思っていたのですが、なかなかはっきりと現場を確認できずにいたのでした。


でも、今日はついにこの大きな皮をめくっている現場を確認できました!


この森の横に住んでいる僕らスタッフでさえこういう感じですので、正直なところ、かなり難易度高い問題だと思います。

あまり悩まずに選んでみてください。



さぁ、選べましたか?

答えは…

3番の小鳥たちの群れでした!

こちらが証拠写真です。

これはシジュウカラです。今日の皮をめくっていたのもシジュウカラ。


僕自身は、今日見つけたような大きな皮は、2番の大型のキツツキたちがめくっていて、小鳥たちは薄くて軽い皮をめくっているのかと思っていたのですが…。
まさか自分の体と同じくらい大きな皮を小鳥がめくっているとは思いませんでした。
(人間が自分と同じくらいのサイズのベニヤ板をめくっていると思うと、結構大変そうですよね。)

実は大型のキツツキがマツの皮をめくっている、というのは、初めて白川郷に来た時にガイドをしてくれた、ベテランの先輩職員が教えてくれたことがあり、あまり疑わずにそうなのか〜と思い込んでいました。

でも、今回改めてよく考えてみたら、僕は白川村で鳥を観察してきた8年間の中で、オオアカゲラやアオゲラといった大きなキツツキが、アカマツの樹皮を剥がしているのを一度も見たことがないことに思い至りました。(僕が見ていないだけで、やらない、という根拠がある訳でもありません。)

僕もめくってみたら、クモが隠れていました。


オオアカゲラがミズナラをガシガシやっていたり、アオゲラがスギやヒノキの木でウロウロしているのはよく見るんですけどね。


とても細かいことのようなのですが、こういった小さな気づきが、それぞれの生物の生き方の違いを知るきっかけになることが、すごくよくあります。

野生の生物を紹介する仕事をしている人間としては、ここをおろそかにしてはいけません。


1年の終わりに、自分の目で見て確認することの大切さを改めて感じることができてよかったなぁと思います。

さぁ、明日から新年です。
来年もコツコツと怠らずに、生物観察を楽しんでいきたいなと思います。

みなさま、よいお年をお迎えください!

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