シベリア少女鉄道vol.33 『メモリー×メモリー』

『あ、なるほど』
 今、配信版で劇を見終わり、感想を書く為に頭を整理していて気付きました。題名からハッキリとオマージュが入っているんです。予備知識無しで観劇に臨んだので、今更気付きました。というか、あまりにそのままで笑ってしまいました。もう題名からそのままじゃないか!

『何が本筋?』
 中盤くらいまでは、登場人物の過去や絡み合う人間関係、そして殺人事件の謎が本筋だと思って見ていましたが、アドリブで遊んでいるのかな?と思っていた部分が本筋だと終盤で気付かされます。しかも、しっかりと作り込んだ真面目な芝居をフリにしてコントで遊び倒す、そして、まとめない、落とさない、という中々衝撃的な終わり方ではありましたが、僕は沢山笑わせて貰いました。

『伏線と回収』
 序盤から妙に気になる演出が入ります。登場人物の回想シーンに題名が入るのです。しかも、妙に回想シーンが強調される。この段階では、シリアスな芝居を見ている(と思っている)ので、凄く違和感を感じるのです。しかし、後半でメモリー×メモリーのバトルがメインになっていくと、なるほど、この為に強調していたのだな、と分かります。
 そして、メモリー×メモリーのバトル。いくつものメモリーを立ち位置や動きの組み合わせで、ぶつけ合っていく。「なんで戦ってるの?」という疑問の笑いから、段々と「あぁ、そうやって使うんだ」という笑いになっていき、終盤ではずっと笑っていました。しかも、このバトルはメモリーの組み合わせや出すタイミング、噛み合わせ等が本当に良く考えられていて、パズルが組み上がっていく様に感動すら覚えます。なんと言っても、凄く手の込んだ馬鹿らしさに笑いが止まりませんでした。

『オマージュとコント』
 見終わってはじめて、これは凄く手の込んだ芝居をフリにした大仕掛けなコントだと気付きます。この劇団の予備知識が無かったので、前半部分のフリに真剣に入り込めたし、その分、後半のコントで凄く笑えました。そしてハンター×ハンターの名場面オマージュも最高に馬鹿らしくて面白かったです。しかも、今回の笑いはハンター×ハンターを読んでいなくても笑えるネタだったのではないでしょうか。

『中山莉子』
 中山さんの役から感じたのは「真っ直ぐで不器用」でした。エビ中ファンとしてのバイアスが掛かっているだろうし、客観的ではないかもしれませんが、真っ直ぐ胸に響くお芝居でした。
 役としても、他の役者さんが当たり前の様に脱線していく中、それに少し疑問を感じながらも、少し遅れてその世界観にノっていくポジション。キャラクターもハマっていたので、キャスティングと演出の人凄いな、と素直に思いました。もちろん、それにしっかりと答えた中山さんは凄い!

『この世界は楽しい事に溢れている』
 今回、この公演を見て、改めて自分が見ていない面白い物、楽しい物が沢山ある事に気付かされました。今年は大変な年ではありましたが、エンタメは配信が増え見る機会は作りやすくなりました。ですから、もっと沢山の楽しい事、面白い事に触れていきたいです。

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