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肥後守を研いでます

 先日、肥後守ひごのかみを買った事を書きました。

 私が買った肥後守は白紙割込の剣型と言う特殊なタイプで、無印良品などで売られている普及タイプよりお値段が張ります。しかし、その仕上げは普及タイプと同様、グラインダーで荒く削ってお仕舞いという代物。大量生産の実用品なのだから見た目を重視してないのは理解しますが、実際に商品を目にするとお世辞にも価格に見合った仕上げとは思えません。これならAmazonで売られている中華ナイフのほうがよっぽど所有欲が満たされる見た目です。もっともあちらは安全性とか刃物としての性能の面で若干不安がありますが。

 刃物としては真っ当な素材が使われている事が分かっているので、自分で修正を試みることにしました。即ち研ぎ直しです。刃物研ぎは全くの素人で自己流ですが、最悪失敗しても諦めが付くというものです。

 肥後守では「背」、日本刀では「鎬地しのぎじ」と呼ばれている部分にはグラインダーの深い傷が刻まれており、先ずはこれを研磨しました。600番の耐水ペーパーで始めたのですが傷が深く、時間とペーパーがいくら有っても足らないので、ホームセンターに走り240番を買ってきました。しかしこれでも傷を消すまでにかなり時間が掛かったので、もっと粗い180番ぐらいから始めるほうが良かったかも知れません。

 次に日本刀では「切先きっさき」と「平地ひらじ」の境界となる「横手筋よこてすじ」が、肥後守ではグラインダー研磨により湾曲してしまっているので、これを真っ直ぐに修正を試みました。切先を背に対して直角キリに研ぐのですが、ここでもグラインダーの深い傷を消すのに大変苦労しました。

 肝心の「」の部分もグラインダー傷が多数残っているので消すのに苦労しました。まさかこれ程まで深い傷とは思ってなかったので、途中で240番が無くなってしまい作業を中断しました。

 包丁を研ぐ気分で気軽に始めた肥後守の研ぎ直しですが、意外にもトラブル続出で初日から心が折れそうです(笑)


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