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通りすがりの美術展 - 世紀末ウィーンのグラフィック

なんとなく目黒川沿いを中目黒から目黒にかけて歩いている途中で目黒区美術館の案内が目に入った。ほんとは軽く図書館にでも立ち寄ろうかと思っていたのだが、ふと気が向いて美術館に入ってみる。

この企画展に興味があって入ったわけではなく、たまたま通りがかり、せっかく目黒区内に美術館があるなら一度くらい入って見ようと、そんな動機ではあったので、それほど期待していたわけではないのだが、入ったら入ったで予想以上に楽しめてしまった。

この企画展は19世紀末のウィーンで生まれたグラフィックアートが多数展示されているもの。自分が楽しめたのは実用的いうか、一部のお金持ちのための趣向品としてのアートではなく、ポスターや本の挿絵や装丁、カレンダーやトランプまで、当時の都市やそこに住む人々の生活に近いグラフィックが中心だったからだと思う。

背景は異なれど、普段自分が目にしているデザインやグラフィックと同じ立ち位置な訳で、とっつきやすかったのだろう。

まあでも、展示されていたグラフィックの多くはアートがどうとか言う以前にとにかくカッコいいものが多く、こんなものが街中に溢れていた(かどうかは知らんけど)かと思うと当時のウィーン人々が羨ましい。

街や都市の景観まで含めたアートに対する意識は今でもウィーンにしろ他のヨーロッパの国々でも残っているはずで、そう考えているとどこかでヨーロッパには行ってみたいと思ったりもしていた。

・・・

しかし、知識が薄いものはなんでもそうだけど、誰かにうんちくをもっと聞きながら見たくなる。今回の企画展は章立てされていて、その解説文書もわかりやすかったのでイメージがまだ湧いたほうだけど、個々の作品については最低限の情報だけで特に解説はない。

見たものを感じれば良いって話もあるのだろうが、一言でも二言でも解説が付記されてたりすると、もっと楽しみが広がるのだけどな。例えば今回のグラフィックであれば、考察までは求めないが、使われた場所や目的とか記載されているだけで大分違うのだろうけど、なかなか難しいのだろうな。

まあでも、拝見やうんちくをもっと聞きたくなるくらい今回は楽しめたわけだ。何となく記憶に残しておきたくてポストカードを買ったのだが、それも自分としてはかなり珍しい。

ラッキーな1日だった。

#日記 #美術館 #世紀末ウィーンのグラフィック #アート #散歩

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