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タスク管理ツールとしてのSalesforceの力

タスク管理ツールは世の中に山ほどある。軽くあげてsみよう。

TrelloAsanaFlowWrikeWunderlistOmniForcusThingsTodoistAny.doRemember The MilkJootoTaskChute

個人用とチーム用のものが入り混じっているが、タスク管理と聞いてすぐ思い出せたものでこんな感じ。これが、プロジェクト管理よりのツールや、他のツールに含まれる タスク管理機能などを含めたらどれだけあることやら。

さて、大して考えもせずに タスク管理ツールの名前が浮かんでくるのは、自分がこれらのツールを全部試しているからで、今でも自分はこれらのツールを「良いツール」だと思っていたりもする。

ただ同時に、これらのツールの記憶は、自分がタスク管理に挫折した記憶でもある。

ツールが悪いわけでは決してないが、自分はこれらのツールを利用してタスク管理を継続することができなかった。

そんな自分が2014年にSalesforceと出会い、Salesforceの活動管理の仕組みを知り、自分にとっての理想的なタスク管理ができそうな可能性を感じた。

このnoteでは、自分が過去にタスク管理ツールで挫折した理由と、それを解決できるかもしれないタスク管理ツールとしてのSalesforceの凄さと課題について書いておこうと思う。

きれいにタスクを分類したい欲求の罠

タスク管理ツールの利用がしんどく、挫折しやすい大きな理由は、タスクの分類にあると思っている。

タスクをリストアップしていくと、当然、タスクを分類したくなる。そして、タスクを分類するための機能がないタスク管理ツールはない。

タグ、トピック、カテゴリ、セクションなどを駆使して、細かくタスクを分類でき、ツールによってはタスクの親子関係を無制限に持たせることができる。そのため、その気になればいくらでも細分化して、細かくタスクを管理することができる。

そんなに細かく管理しいわけでもないのだが、自分の場合は下記のような分類をいつもしたくなる。

・業務の分類(管理、営業、マーケなど)
・顧客による分類・商談やプロジェクトなど

どのツールを利用しても、どんな複雑な分類でも機能的には簡単にできる。できるのだが。。。

この分類項目の整理がやっていられないのだ。単純に会社名だけでも、顧客管理をタスクの分類のためだけにするようなものだ。せっかくだから正しい会社名で、とか考えると余計に厄介になる。本来、Salesforceなどの専用ツールで管理する情報を、タスク管理ツールのタグとかで整理しようとすれば、大変なのも当然である。

組織的にタグやカテゴリの管理を徹底的に行うなら実現も可能なのかもしれないが、個人ではしんどい。真面目な人ほど破綻しやすいのではなかろうか。

Salesforceについて

まあ、それでもあれこれ考え試しながら様々なツールを使ってはいたが、Salesforceに関わるようになり、Salesforceの活動機能に出会うことになる。

Salesforceの軸はCRM(顧客関係管理)である。今となっては様々な用途のサービスとして拡張を続けているが、どこまでいってもその軸は顧客情報である。顧客に関係する様々なアクションを記録していくことで、マーケティングやセールス、カスタマーサポートの継続的な改善を行ったり、様々な施策の実行、記録、分析、改善を繰り返しながら企業の成長を促進していく。

なので、サービスの守備範囲や会社の収益面など、成長と拡大を続けるSalesforceだが、CRMとしての軸は揺るぐことはなく、そこからセールスカスタマーサポートマーケティングeコマースと、顧客を軸にしたお仕事のカバー範囲を増やしているだけだと考えると、とてもわかり易い。

Salesforceの場合、まず顧客情報における企業情報と、企業に所属する人を管理する「取引先」と「取引先責任者(担当者のこと)」がある。これはただの情報だ。それを軸にして、購入検討が具体化してから受注するまでに必要な情報やプロセスを管理する「商談」や、お客様からの問い合わせとそれがクローズするまでの過程を管理する「ケース」などがある。

「管理する」と言う視点で見ると、やはりただの情報なのだが、「商談」については受注するまで、「ケース(受注後の問い合わせ)」については対応が完了するまでのお仕事を最適化するためのものなので、純粋な情報である「取引先」や「取引先責任者」とは色が異なる。

管理を目的とした情報だけでなく、仕事の進捗や全体像、次にすべきことなど、お仕事を進めるために必要な情報を置いておくことができる。つまり、商談用、カスタマーサポート用のプロジェクトテンプレートが揃ったタスク管理ツールとも言えなくはない。

ちなみに、顧客の情報を軸に様々なお仕事の進捗や数値情報を集約し、そのモニタリングをしながら改善を重ねていけば間違いなく成果が出る。それはダイエットアプリとかと同じなのだが、情報の集約だけだと入力がそれなりにしんどい。

そのため、商談やカスタマーサポートのお仕事をラクにするために、自動化できるものは自動化していく。必要最低限の情報をいれたら勝手に計算して見積書や注文書を作れるようにしたり、解約通知期限に合わせて更新商談の作成や通知メールを自動で送ったり、日々面倒だと感じるような単純作業をなるべく自動化していく。そのあたりを強化していくと、「入力が面倒なツール」から「仕事をラクにこなすためのツール」に変わっていき、利便性も劇的に変わる。

まあ、情報管理が目的であれば多少曖昧でも良いが、自動化するには、お仕事を自動化できるレベルまでロジカルに整理する必要があるので、難易度も上がる。大変だが実現するだけの価値もあるし、やっている会社はやっている。。。うちももっとやりたい。

Salesforceとタスク管理

タスク管理ツールを利用していると、タスクの組み合わせや階層化を駆使して、自分が抱える仕事の全てをタスクの組み合わせで表現したくもなる。

だが、Salesforceの場合はタスク以前に前述の「商談」や「契約」など、役割が決まったお仕事をまとめる管理対象が既にある。

Salesforceにおけるタスクの最小単位は「活動」として括られ、その中に「ToDo」「行動(スケジュール)」「メール」が含まれる。この「活動」を、顧客情報である「取引先」「取引先責任者」、顧客に対する各種アクションである「商談」「ケース」などに自由に追加して、細かいタスク管理やスケジュール管理に利用できるようになっている。

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(適当な図だ。。。)

商談中のお客様のフォローアップは商談にひも付けたタスクを、契約更新時期に合わせた更新連絡であれば、契約や注文情報にひも付けたタスクを作る。これらはSalesforceの画面上で入力することもあれば、何かの日付を条件に自動的に登録させることもできる。

また、どのお仕事に絡めていても、全てのタスクを1つの場所で確認できるので、様々な業務やお客様を抱えていたとしても、見失うことはない。タスクを実行するタイミングで内容を忘れてしまったとしても、ひも付いている商談の情報を見れば分かるし、そこで過去に実施したその商談に関するタスクも確認できる。

なんと素晴らしい。

何より、この構造の中でタスク管理をしようとすると、タスク管理のための分類はほとんど必要なくなる。タスク名を「状況確認」と書くだけでも、商談や取引先をひも付けておけば、どの商談、取引先に関する状況確認であるか分かるわけだ。

「取引先」や「商談」などの大きなカテゴリとしての分類と、個別の商談名による細かい分類を同時にでき、そのための情報は既にSalesforceに入っている。当然それは「タスクを分解するための情報」ではなく、お客様が関連するあらゆる仕事を動かすためのものだ。

「本来、CRMで管理するような情報」をタスク管理ツールで管理しようとするから破綻するのであって、CRM上でタスク管理するのであれば、分類で挫折することもないだろう。

あれこれ書いているが、SalesforceのToDo機能についても網羅的に説明できているわけでもない。

情報の持ち方は好きだけど

さて、Salesforceの情報の持ち方や考え方は大好きだが、これを使いこなすためのUIが「タスク管理ツール」としては、Salesforceはちょっと弱い。

入力や編集画面が全ての種類(ToDo、取引先、商談など)のデータで同じものを利用する必要があることが主な理由で、タスク管理やカレンダーに最適化された他の専用ツールたちに比べると、物足りなさをどうしても感じてしまう。

この辺はSalesforceに限らず、こうした汎用業務で利用できるツールでは避けられないので、仕方のないことだ。

とはいえ、比較対象が冒頭に挙げたようなタスク管理ツールになってしまうからか、日々利用するタスク管理ツールとして利用するにはちょっとしんどく感じてしまう。

AppExchangeアプリで補完できるか

ではどうするか。

Salesforceには「AppExchange」という、Salesforceの機能を補完・拡張するアプリが並んだマーケットプレイスがある。Salesforce自身やサーうちの会社が提供しているアプリも、すべてこのAppExchangeで上で提供している。

Salesforceが提供していない業務を担うアプリや、業種に特化したテンプレートに近いもの、UIを拡張してSalesforceの利便性や操作性を高めるもの(うちのはこれに近いか)、帳票や電子契約などのSalesforceに存在しない機能を提供するもの、既に市場で一定のシェアを持つSaaSとの連携に特化したものなど、色々ある。

そこで、何かタスク管理を快適にする良いアプリがないかと国内外のAppExchangeで調べたこともあったが、タスク管理に特化して、Salesforceの文脈にしっかり沿ったアプリは存在しなかった。タスク管理やプロジェクト管理ツール自体は存在するのだが、タスクデータが独自仕様で、Salesforceの「活動」を直接取り扱っているものがない。

で、専用ツールを探すことは諦めて、今は汎用の入力支援ツール「RaySheet」に頼っている。

細かい機能については紹介資料におまかせするが、SalesforceのデータをExcelっぽい画面で取り扱えるアプリである。Excelと同じようにスプレッドシート上でざーっと編集したり、フィルターや強調表示、ソートなどにもしっかり対応しているので、Excelに慣れているととても楽だ。

その使い勝手と、グルーピングなどのRaySheetならではの機能をあれこれ試した結果、「これならタスク管理をなんとか回せるかもしれない」と思えたことで導入を決め、試行錯誤を重ねながら利用している。

自由度が高いアプリであるため、自分1人で試行錯誤を続けていると、使い方を他人に共有するのはなかなか難しい。ただ、タスク管理をみんなで同じようにやる必要はなく、他の用途では共有できていることもあるので、まあいいだろう。

というわけで、タスク管理に特化したAppExchangeアプリの登場は今でも期待しているが、現時点ではリリースされる気配がないため、当面はRaySheetをうまく工夫して頑張るつもり。

RaySheetは2016年にリリースされたアプリなのだが、この年はウイングアーク社のVyNDEXや、マッシュマトリックス社のMashmatrix『Sheet』など、なぜかスプレッドシート関連のアプリが相次いでリリースされた年であった。VyNDEXはExcelのアドインなので切り口がちょっと異なるが、Mashmatrix『Sheet』はRaySheetと同じくSalesforceの画面上で動作するアプリである。自分はグルーピング機能が必須だったためRaySheetを選んだが、それぞれ個性があって面白い。Mashmatrix『Sheet』のスプレッドシート内だけで利用するデータを扱える「シート内データ列」とかはとても興味深い。

ちなみに、うちの会社で提供している「Calsket(カルスケット)」は、SalesforceにおいてToDo(タスク)と対をなす行動(スケジュール)を取り扱うカレンダーアプリだったりする。他にも「CM ActivityPlus」や「CM ActivityChart」といった活動を取り扱うものが多い。。。好きなのだろうな。きっと。

まとめ

2014年にSalesforceビジネスに参入したころ「Salesforceの活動機能、良くできてんなー」って思ってから、ずっとSalesforceの活動を愛してきた。

自分のタスク管理のすべてをSalesforceに集約することに挑戦したのは、RaySheetを使い始めた2017年なのでまだ最近のこと。その後も他のメンバーとのタスク共有がうまくいかず中座したりしているので、まだまだ道半ばである。

ただ、この活動機能が好きなことは変わらず、Salesforce上でのタスク管理が、世間でクローズアップされることもあまりないので、現時点での自分の思考や試行錯誤を記録しておくことにした。

良くできてると思うんだけどな。みんなどのくらい使っているのだろう。

Photo by Glenn Carstens-Peters on Unsplash

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