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第6(最終)回:ソフトロボット学シンポジウム(2023年3月12日~13日)

はじめに

ソフトロボット学の最終報告がリアルで開催されるというので申し込んだ

今回は全ての研究成果を発表し、実演も行うという豪華版
会場は東工大ではなく東大本郷。交通の便も良い

第6回ソフトロボット学シンポジウム(一般公開・ロボット展示あり)

日時
シンポジウム:2023年3月13日(月)13:00-17:00,
14日(火)9:00-12:06;
成果物展示会:14日(火)13:15-17:00

場所
東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館213講義室(シンポジウム)および工学部2号館オープンスペース(展示会)

5年間のプロジェクトの最終報告として、一般公開のシンポジウムと成果物展示会を東京大学本郷キャンパスで2023年3月13・14日(月・火)の2日間、現地開催します。

展示会では、5年間で開発したソフトロボットを多数会場に持ち込み、展示やデモンストレーションを行う予定です。ぜひ大勢の皆様のご参加をお待ちしております。

3月13日

司会進行:田中博人(A01-3)

13:00-13:05 開会挨拶

中嶋浩平 実行委員長

13:05-13:35 新学術領域「ソフトロボット学」5年間のまとめ

 鈴森康一 領域代表

領域提案時に、ソフトロボットの設計学、物質学、情報学の確立を目指すと宣言し、フレキシブル基板、ゲル3Dプリント、人工知能などで成果

異分野を融合した計画班9,公募班32
異分野融合のための三層構造の研究体制
課題内融合→班内融合→設計学・物質学・情報学

身体グループの成果:ダチョウ・オルガノイド・羽・柔らかい関節
動作グループの成果:太陽電池・筋電センサ・人工筋・分岐ロボット
知能グループの成果:脳型知能・アバターロボット・柔らかい回路

実用化:ベンチャー5社
情報発信:関連分野との連携シンポジウム多数、「いい加減なロボット展」

13:35-14:05 「ソフトロボット設計学」

 新山龍馬

そもそも従来のロボットに体系はあるのか?

ソフトロボットで必要になる新たな分野
・柔軟な材料、柔軟な構成要素
・柔軟な材料や構成要素の運動解析
・柔軟な生態に根ざした情報処理
これらを含めたロボット設計学の体系を確立したかった

目標:大統一理論の確立ではなく、多層的な理論基盤を構造化したい
レイヤー1:マテリアル理論体系
レイヤー2:メカニズム理論体系
レイヤー3:情報処理理論体系
感想:量子力学を基本とした大統一理論を目指すのもありと思う)

従来のロボット工学を、ソフトロボット学の視点から俯瞰できるようになった(例:マニピュレーション)
しなやかな体の設計論
1.固さと柔らかさの設計 
空気圧筋:拘束のしかたで動きをコントロール可能。柔剛切り替え機構が設計可能。将来は可変拘束にして設計自由度をふやす。
拘束を入れた設計により、ダチョウの首やペンギンの翼を簡単な機構で実現
2.マルチスケール身体
メートルサイズ:キリンの首。ワイヤ駆動、空気圧人工筋
センチメートルサイズ:SMA,DEA、電磁モータ
ミリメートスサイズ:生きた細胞
インフレータブル構造は、表面積に質量が比例するので大型化で有利
3.受動ダイナミクスの利用
関数の数に比べてアクチュエータが少ない
受動ダイナミクス利用で、蝶のはね、芋虫移動、腸規範混合装置を実現

14:05-14:35 「ソフトロボット物質学」 

福田憲二郎

眼鏡(身体機能の衰えを補正)から暗視スコープ・オペラグラス(能力拡張)へ
1.柔らかい材料
タイ分子制御による高出力繊維アクチュエータ(高分子ポリマー分子)
ナノシート(生体にくっつく)を、筋電センサとして使う。くっつくので臓器に貼り付けも可能。ナノシートDEAアクチュエータも作成可能
自己充電可能なサイボーグ昆虫(5ミクロンの極薄フィルムで実現)
2.生体機能(成長・修復・分解)付与
細胞をアクチュエータとして使うロボット(生物を材料として利用)
自己組織化材料(光硬化性樹脂)による光導波路の接合
ロボット血管(自己修復する血管)
生分解性アクチュエータ・センサ
3.生体のインタラクション
光応答性胚移植マイクロロボット(マイクロ子宮)
摘便くん
4.新しいインタラクションの解釈
柔らかい記念写真(赤ちゃんのほっぺたがゲル材料)
身体から生えてくる分身ロボット

Q(わたし):お医者さんが、臓器を接着することができなくて縫合をしているいるので、ナノシートが臓器を接着可能になると革新的だ
A:担当者に直接聞いてみてください

14:35-15:05 「ソフトロボット情報学」

 中嶋浩平

制御器ー身体ー環境の動的相互作用を考慮した、自律性に根ざした制御を目指す(感想;流体工学と相性が良さそうだ)

1.線虫の自律パターン形成(温度で格子サイズを制御)
2.イカの色細胞を物理リザバーとして音声認識
音声→電気信号→イカの皮膚の色→音声認識
3.ケミカルロボティクス 体内時計をBZ理論を用いて構成した
(自律振動+光反応+耐温度(温度補償)
4.リザバーコンピューティング
非線形振動のパラメータ調整で移動ロボットを構築しているが、リザバーコンピューティングを使うと非線形振動のパラメータ調整も不要になる。
カオスのダイナミクスを利用するだけで移動ロボットの制御が可能。
蠕動ポンプにリザバーコンピューティングを活用する共同研究を進めている

物理リザバー用の新しい計算法(Deepリザバーコンピューティング)を開発した。深層学習のバックプロパゲイションと同じことを、フォワードプロパゲイションだけで実現できる

Q:物理リザバーの情報処理と熱の関係は
A:情報熱力学を考えていく予定
Q:リザバーで「気づき」と同じことが実現できるか?
A:リザバーコンピューティングは「意識」を必要としないが、脳をリザバーすると「意識」がわかるかもしれない。「身体」をリザバーして脳活動がわかる可能性もある

15:30-15:45 「車椅子ダチョウアーム」

 望山洋(A01班)

マニピュレーションの良例を示すことができた。Atlus(2017年)、ブラキエーションロボット(1990)は、体幹は、固い「歩く机」だと言える

ぐにゃぐにゃな体を作ることを目指した。ダチョウの首にあわせた18関節の首。
パッシブウォークにインスパイアされ、2本のレバー(背中側ワイヤーと腹側ワイヤー)で駆動できるようにした
外乱に強いので車いすに搭載した
スピンアウトの成果物として「柔軟6軸力センサ」がある

15:45-16:00 「ソフトEHDポンプと人工筋駆動」 

前田真吾(A03班)、難波江裕之(A02班)

ポンプやコンプレッサはかさばるので、エレクトロハイドロアクチュエータ(絶縁体+高電圧)を用いた柔らかいポンプを開発した。柔らかいので柔軟アクチュエータの中にポンプを埋め込むことが可能
現在、スイスの研究機関と「テンセグリティロボット」を開発中

16:00-16:15 「ヒモムシロボット」 

多田隈建二郎(A02班)

点・線・面の柔軟材をロボットのハンド機構に展開する中で、分岐ロボット(紐虫ロボット)を思いつき、分岐移動柔軟ロボットを作成した
分岐の「戻し」が難しかった
「太陽電池の展開」などの応用が考えられる

自己修復性材料を使用すると、キズ部分で分岐、かつ3分ほどでキズを修復できた。ガーゼを内蔵すると液だれもなく、修復可能になった。
今後「自己修復可能な人工血管」に展開し、ゆくゆくは「拡張身体」に応用していきたい

食虫植物を模擬した移動体で、過去の履歴をメモリとして持つ回路を流体工学で設計可能。分岐と同じ戦略が応用できると考えている

16:15-16:30 「ソフトロボット学の看護応用:”摘便君”」

 宮川祥子(B02班)

オンジョブトレーニングで、筋肉を刺激する方法の研究が本務
「摘便くん」のプロジェクトで「ソフトロボット学」の先生方と組むといいよとアドバイスを受けて参加したが、「アクチュエータって何?」状態から始まったけれど、ほんとうに共同研究をして良かった

セミナー→試作→相談 を繰り返し、現物合わせや、看護師さんの意見を聞きながら試作を繰り返し、現在「試作3号機」が完成した。

ソフトロボット学は、暗黙知が明示的に示されるところがすごいなと感じている。
3Dプリント→ソフト材料→看護師の感性ヒアリング
「それっぽさ」を「良い加減」に実現できた。

16:30-16:45 「生きものとソフトロボット学」 

清水正宏(A01班)

生きた細胞を「部品」として使う
細胞は機械部品と異なり、「殖える」「死ぬ」「形が変わる」
1.細胞でないとできない機能がある
2.「ソフトロボット学」は、生物を深く捉える学問
3.生物は目標達成に細胞を使っている

達成点:
1.筋細胞駆動アクチュエータで2足歩行を実現
2.自己修復機能の発現に成功した
3.細胞触覚センサは、「過去の履歴」が残る
4.脳細胞の刺激を遮断して生体マテリアルを弛緩することに成功

成果物:
1,単細胞体内時計の可視化。温度依存性補償が謎だったが、温度依存EZゲルを温度依存性ソフトマテリアルに注入して解決した
2.子宮内着床促進システム。生体のインピーダンスと体内挿入物質のインピーダンスを一致させることで子宮をだますことに成功した(拒否反応が出なかった)
3.スフェリオ細胞にカンチレバーで応力を加え、応力ひずみ特性を測定した。今後、「システム生物学」の再来が期待できる

評価委員の先生2名の講評を聞き、写真撮影してお開きとなった。

ソフトロボット学の成果をまとめて勉強するには

休憩の時に鈴森康一先生に「ソフトロボット学入門」は、結構基礎的なことしか書かれていなかったとお話ししたら、英語版も教科書なので、突っ込んだ話まではのせていないとのこと。

最新の研究成果を知りたければ、こちらが良いと薦めてくれた
いや、これ、オープンアクセス(誰でも無料で読める)で
1テーマ4ページにまとまっていて、アイデアの宝庫!

3月14日(火)

司会進行:伊藤浩史(A03-3)
動物構造に学ぶソフトロボット設計

9:00-9:06 「弾性連続体の動的ふるまいの解明とバイオメカニクス融合」

新山龍馬(A01-3)

しなやかな体幹を創る為、脊柱に注目。キリン解剖学者の郡司先生との出会いが決定的。
脊椎は連続体であり、バイオメカニクスの融合(知る+創る)を達成した
「知る」では、ダチョウの突っつき力を測定し、50N以上の突っつき力があることを確認した。
「創る」では、解剖に立ち会い、ダチョウの首をまねる機構を実現した

9:06-9:12 「微細構造を活用した生物のやわらかい飛翔と遊泳の原理解明と実装」

田中博人(A01-3)

空中における鳥の翼や、水中を泳ぐペンギンの運動性能と効率性能を分析した。
鳥の翼では、ワイヤを引っ張ると羽ばたきの軌跡が変わる翼を制作した
ペンギンは、「しなる」ことが重要と判明した。3自由度の水かきを試作
さらに、「毛並み」による流体抵抗の低減も実装した。
空中では「柔軟な羽」により大気の乱れを抑制

センサと制御なしでも高効率化を達成できた

9:12-9:18 「四脚動物の肩部ハンモック構造から切り拓く即時適応的な柔剛調節メカニズム」

福原洸(B01-16)

生物の体は柔らかい筋肉と固い骨格で構成されている
チーターなどは前肢と後肢は筋肉のみで連結されている。
同じような構造「肩部ハンモック構造」にしてみたところ、受動要素だけでも動物らしい動きになった
動物の歩容を分析したところ、歩行から走りまで、「体幹の柔らかさ」を変えていることが判明
物理リザバーとしても使える。
「解剖学」との連携が重要だと悟った

細胞・生物とソフトロボット

9:18-9:24 「生物の自己改変能力を実装するバイオソフトロボティクス」 

清水正宏(A01-2)

生物には無限定環境を生き抜く力がある
メカに「自己組織化」「複製」「修復」能力を付与する

脳オルガノイド(ミニ脳)と筋組織を融合し、以下に成功した
1,少数アクチュエータの大自由度駆動
2.床反力を推進力に変換
3.細胞モデルの作成
4.多色マーカで生体反応を計測

クラゲの「引き込み現象」の知見を得た
いかにして、生物の「ありのまま」を測定し、まねるかが重要

9:24-9:30 「Motion Hacking により紐解く昆虫のしなやかな歩行制御戦略」

大脇 大(B01-15)

昆虫の歩行を電気刺激でハッキング(モーションハッキング)
ナナフシの脚をハッキング
ミズクラゲの自律移動用自律振動をハッキング

9:30-9:36 「高速動作可能な骨格筋組織駆動型バイオソフトロボットの創成」

 森本雄矢(B01-02, 18)

細胞培養で、「柔らかい筋肉」の限界を実感した
そこで、弾性力を活かして二足歩行ロボットを試作した
中央大学の中村先生とコラボしてミミズロボットに展開
多自由度アクチュエータの実現を目指す

9:36-9:42 「感覚機能と運動機能を実現するバイオハイブリッド義手のための神経インタフェース」

八木 透(B01-19)

代理発表。神経と義手をつなぐことに成功した
電極を刺すと細胞が死ぬので、高導電性で直径5ミクロンの「DNAナノチューブ」を電極として細胞の死を防ぐ事ができた

9:42-9:48 「生きた組織の物質構成を変えながら弾性力を計測して『やわらかさ』の仕組みを理解する」

田中正太郎(B01-21)

直径200ミクロンの3D培養細胞スフェロイドにカンチレバーを押しつけて応力ーひずみ特性を計測した。ヒステリシス(履歴記憶)を有していることがわかった。

9:48-9:54 「細胞が棒状機材を操作することで作るしなやかなヒレの形態形成原理」

黒田純平(B01-24)

細胞の棒状物体(コラーゲン)を操作する
細胞はゼブラフィッシュのひれのように、形を変えることが出来る(分岐構造)
分岐には、間葉系細胞の変形が重要
変なところにコラーゲンができると、溶かして消す能力もある

今後、「設計図がないのにかかわらず、機能的構造が発現する」理由を追及していきたい

9:54-10:00 「超高速運動の進化から探る外骨格ばねと筋肉のやわらかい統合機構」

加賀谷勝史(A03-1, B01-08)

シャコパンチロボットを作りたかった
シャコパンチ前に準備電位が観測される。ザリガニや人間にも準備電位があり、グラフで同じ直線上に乗る。準備電位の謎を解明していきたい

10:00-10:06 「生物機械融合デバイスの創出と応用」

田中陽(B01-13, 23)

オジギソウ、ネムリスリカ、シビレエビ、ミミズなどを参考に、ゲルによりミミズやガラスシビレエビを試作
現在、サムスン日本法人に転職して、絶賛人材募集中です

フレキシブルデバイス

10:21-10:27 「弾性グラディエントナノ薄膜を利用した自由変形可能な太陽電池の創成」

福田グループ(A02-1)

休憩中に、学位論文でお世話になった樋口先生とお会いした。樋口先生は、評価委員なのに昨日は出番がなかったとのこと
「みんな、甘い評価をしてるだろう。わたしは懇親会の席でガツンと一発イク」とおっしゃっていたが、どうなったかはわからない

10:27-10:33 「イオン交換膜が実現するソフトロボットのモーションコントロール」

鈴森グループ(A02-2)

福田先生の代理発表
ペラペラ(厚さ5ミクロン)の有機エレクトロニクスを、伸びるフィルムと接合した。
無接着剤で金と銀、金同士を接着。ポリマーも接合し、有機LEDや太陽電池に展開

10:33-10:39 「タイ分子制御による高出力繊維アクチュエーターの創製」

上原宏樹(B01-17)

堀内代理発表
イオン導電性高分子の性能を上げるにはキャパシタ容量の増加が必要
多層CNTで容量増大を実現した
立体構造IPMCアクチュエータを、折り紙にCNTを溶かし込んだ後紙を溶かすことで試作に成功
現在、キリンロボットを製作中
タイ分子(決勝を結ぶ非晶分子)制御の高分子アクチュエータを試作
天然ゴムは、エントロピー弾性と呼ばれる、温度を上げると縮む特性がある

10:39-10:45 「グリーンロボティクス:生分解性ソフトロボット要素の研究開発」

新竹 純(B01-20, 06)

大豆油の袋を用いて、生分解性アクチュエータおよびセンサを試作した

10:45-10:51 「ゲル材料を用いた自己組織化光導波路の成長制御とフレキシブル光接続への展開」

杉原興浩(B02-04)

自動運転用光ファイバーの研究に、「自己形成光導波路」の技術を応用し、光導波路の接着に成功した

フレキシブルメカニズムと応用

10:51-10:57 「超柔軟素材を用いた分岐・伸展トーラス機構を基軸とするロボット駆動体の設計と具現化」

多田隈建二郎(A02-3)

動物のうろこは固い。うろこを使い、柔剛併せ持つメカを創りたい
流体+ロープで戻しが可能になった
一つの主駆動体と複数の被駆動体によるメカを目指す

10:57-11:03 「腸管神経機能を規範とした蠕動運動型柔軟機構の食品/化学系製造プロセスへの社会展開」

中村太郎(B02-06, B01-10)

蠕動捏和システムで、蠕動運動中の粉体の状態を機械学習で判別する

11:03-11:09 「ウェットコンタクトの力学と粘滑物ハンドリングへの応用」

平井慎一(B01-12)

生牡蠣やタコのハンドリングに取り組んでいた。
生牡蠣やタコの応力ひずみ特性をとると、リリース時に力が負になる現象が見られ、はがれてくれない

11:09-11:15 「光応答性マイクロロボットによる胚移植システムの開発」

池内真志(B02-05, 01)

妊娠成功率30%の現状打開。磁場で着床位置をコントロールする
シリコーン素材で子宮と機械インピーダンスを合わせるのがポイント。着床場所と着床時間(培養後3日)を制御可能

11:30-11:36 「身体から生えてくる柔らかいアバタロボットに関するインタラクションモデルの設計」

ソン ヨンア(B02-07)

ウエラブルアバターロボット
収納可能なソフトインフレータブルロボット
3Dモデルから型紙を起こすプログラムを作った
アバターのワークショップデザインを行っている(感想:SFプロトタイピングに似ている)

11:36-11:42 「ソフト油圧ロボティクスによるヒューマノイドの手足の実現」

山本 江(B01-04)

ソフト油圧。ソフトと言っても10MPaの圧力。油圧ポンプ内蔵で、重量物の野菜をつかめるハンドを試作した。

しなやかな知能

11:42-11:48 「やわらかいダイナミクスとフレキシブルセンサー技術の融合による情報処理限界の突破」

中嶋グループ(A03-1)

物理リザバーにはダイナミクスが重要なので、固いセンサは装着できない
傘に雨量センサを貼り付け、リザバーコンピューティングで雨量と風速を計測可能に
マッキベン人工筋の長さ推定が、空気圧とゴムの抵抗値だけでリザバーコンピューティングで可能になった
マッキベン型人工筋のヒステリシス(履歴記憶)を活用したメモリ構築

11:48-11:54 「ストカスティックマシンの創成を通じたソフトロボティクスの攻究」

前田真吾(A03-2)

BZゲルを用いた体内時計
温度補償モデルを立て、実験で確認した

11:54-12:00 「コントローラブルな生物リズム・パターンの創成」

伊藤浩史(A03-3)

線虫のメカニズム解明に向けて、異分野の研究者が集結した
体内時計は下流ほど正確になる
体内時計=振動子+線形の出力系と仮説を立てた

12:00-12:06 「バイオロボットが自律運動を発現するきっかけの解明」 

古澤和也(B01-22)

オルガノイドに筋肉が反応しないなと思っていたら、オルガノイドからの信号が出っぱなしだったことが判明してオルガノイド+筋細胞システムがモデルどおりだったことを確認できた

12:06-12:12 「マイクロデバイスを用いた軸索における伝導調節機構のモデル化」

榛葉健太(B01-03)

軸索が情報のフィルターになっている
軸索をモデル化→軸索1パルスごとの反応計測
跳躍電動を検出した!

13:15-16:30 展示会 成果物のデモンストレーションおよびポスター展示

ひととおり、実物展示を操作させてもらった。
ダチョウの首は、レバーを引く加減と順番が重要で、おなじだけワイヤーを引っ張っても履歴でまるで違う結果になる。
摘便モデルも上手く操作できたので満足

いつものことだけれど、ポスター展示は、とりまポスターから、機器を持ち込んだ実演まで著しく温度差があった

おわりに

ソフトロボット学の研究成果の集大成。
これだけのものを無料で聴講し、成果物を自由に操作できるというのに
会場は関係者ばかり。マスコミも来ていない様子。

みなさん、科学に関する探究心はどこかに置き去りにしてしまったのか
一時前はメタバース、今は人工知能の事業化などの高額講演会は大盛況だけど、みなさん1周遅れではダメですよ。
もっと将来芽が出る研究に目を向けましょうと言いたい


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