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「コンセントにつないで動かせば、電力以上のエネルギーを発生できる画期的な装置」の考察(2023年2月20日実現したらどうなるかアニメ描写追記)

梶田秀司先生から、以下のお題がTweetのTLに流れてきた。

「コンセントにつないで動かせば、電力以上のエネルギーを発生できる画期的な装置」を発明した人が現れた。どうする?

当然、梶田秀司先生は、大阪のエセ科学騒動を知ってのタイムリーな質問をされたわけである

梶田秀司先生の「エセ科学にだまされるな」
「エネルギー保存則から、二酸化炭素と水から石油を作るには、それ以上の量の石油を燃焼させるエネルギーが必要。よって不可能」
と言う主張はよく理解した上で、以下の話に進みます

私の答えは「物理学上の大発見なので話しを聞いてみる」です。
そう判断した理由を以下に述べます

1.エネルギー保存則は必ず成立するのか?

私たちが観測した範囲では、常にエネルギー保存則が成り立っているように見えます。

しかし、素粒子の世界では、エネルギーを借金して生まれ、すぐに消滅して借金を返済する「仮想粒子」が存在し、仮想粒子を実粒子として取り出すことができます

ミクロの視点では、真空は何もない空間ではなく、仮想粒子が空間からエネルギーを借りて出現し、すぐさま返済して消滅を繰り返している "泡立った空間" だよ。これは真空だけでなく、陽子内部などでも発生しているよ。エネルギーを与えれば、仮想粒子を実在粒子として取り出すことができるよ。
https://lab-brains.as-1.co.jp/serialization/sciencerelease/2022/08/26852/

さらに、「トポロジカル物質とは何か(長谷川修司著)」によると、物性物理学では「エネルギー」ではなく、「運動量」が自然界の本質的な量とされています。

また、宇宙物理学では、「エネルギー」ではなく「情報量」が保存されるとされており、さらに先に進んで「量子もつれ」が根源だと主張する研究者も現れています。

上記の状況に鑑みると、「ニュートン力学」が「相対性理論」に拡張されたように、「エネルギー保存則」が「量子もつれ保存則」に拡張され、エネルギーと情報など諸々の和が保存されるのであって、「エネルギー」単独では保存則が破れている可能性があるのではないだろうか。

セロテープ1枚で2次元トポロジカル物質「グラフェン」が作成できたように、「エネルギー保存則」の破れが生じる物質を簡単に創造できる可能性も否定できない

話しを聞いてみて上記の最先端科学と相容れない話だったら、私は話を打ち切ってその場を立ち去るだろう

しばしば、新しい発見は「狂気と思える」考えから生まれるものなのだ

2.エアコンと温度差発電の組み合わせ

質問は「コンセント」を電気のコンセントと述べていない。ガスやスピン流のコンセントかもしれない、などと揚げ足はとらないでおこう。

エアコン性能を見る指標に「APF(Annual Performance Factor)」がある。APFは、ある一定の条件(JIS C9612に明記)の元にエアコンを運転した時の消費電力1キロワット当たりの冷房・暖房の能力を表わしたものだ。

https://pps-net.org/glossary/43470

最近のエアコンは、APFが7を超えるものがある
これは、1kwhの電力エネルギーを投入すると、7kwhの熱エネルギーが室内に放出されることを意味する。
なんと、投入された電気エネルギーの6倍もの熱エネルギーを外気から室内に送り込むのだ。

この、エアコンによる室内外の温度差を利用して温度差発電を行えばどうなるか?

温度差発電といっても、沖縄テックの海洋温度差発電プロジェクトのようにタービンを回すだけではない

http://otecokinawa.com/jp/OTEC/index.html

ペルチェ素子のゼーベック効果を利用したり

温度差振動発電を行うなどの研究が進んでいる

https://vibpower.w3.kanazawa-u.ac.jp/about.html

高APFエアコンと高効率温度差発電を組み合わせることにより、投入された電気エネルギー以上の電気エネルギーを生み出せるのである

(おっと、黙って立ち去らないでください、梶田秀司先生!)w

3.無限のエネルギーを発生できる画期的な装置が実現するとどうなるか-アニメの世界では、不幸になる話ばかりだ

TVアニメ「灼眼のシャナ」でエネルギーがあふれ出て世界のバランスが崩れていくシーンがある(22話から最終話)

主人公が所有する宝具「零時迷子」(毎晩午前零時にその宿主が消耗した“存在の力”を元に戻し回復させる一種の永久機関)
が、頂の座ヘカテーと共鳴し、”存在の力”を無限に放出し続ける

頂の座ヘカテー

これにより、世界のバランスが崩れ、世界が崩壊の危機に瀕する
エネルギーもしくは情報あるいは量子もつれの保存則を破れば、世界のバランスが崩れ、ビッグバンクラスの宇宙崩壊も考えられる

TVアニメ「ディメンションW」では、「コイル」で、第4の次元であるW次元から無限のエネルギーを取り出せます

TVアニメ「正解するカド」には、無限電力供給装置「ワム」が登場します

余談だが、この建造物「カド」に似てる

閑話休題

おわりに

梶田秀司先生は「ものごとの本質を捉える訓練材料」として「お題」をくださったのだろう。
だが、「エネルギー保存則」から「運動量保存則」へと、物理学の基礎は移ろい、新発見の密度は時代を追うごとに濃くなっている。

最新情報を追いかけ、かつ事象の「本質」を捉える学問「本質学」が、今後ますます重要になるだろう

おまけ

エアコンと温度差発電の組み合わせは、「水飲み鳥」同様、環境からエネルギーを収穫しているから、エネルギー保存則には反していない(と思う)


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