ナナニジは、どこで道を"間違えた"のか?

最初からでしょ!そもそもまともに道を進んでたことある?!

釣りみたいなタイトルと私の心の叫びから入らせていただきました。
言葉に"引用符"をつけるということはその言葉を全く逆の意味で使うということを意味します。

かなえるが卒業発表時に語った「夢」を受けてナナニジ(22/7、ナナブンノニジュウニ)ファンの間で、やっぱり武道館や東京ドームでライブできるような国民的声優・アイドルグループを目指したい!という声が高まっています。大きな夢を抱くのはいいことです。ただ何事も小さなことを一歩ずつやるしかない。

一部では具体的に人気を得るにはどうしたらいいのか抜本的な対策を真剣に考えて、Noteでも、もっとわかり易くアイドルをしようとか、しっかり声優としての訓練をやり直そうとかいう意見が出ているようです。

一見、人気獲得成功への近道に見える「アイドルとしての正しい道」「声優としての正しい道」。だが今からそんな修正効くのか?逆に、このグループが人気を出すために「正しいこと」をしたことが一度でもあるのかと問いたい。寧ろ声優アイドルとして世間的な人気を獲得するために今まで本当に”間違ってる"ことしかしていない。

まずプロデューサーが"間違ってる"

若い人はわからないかもしれないが、秋元康がアニメファンの多数からあまりよく思われていない。秋元康を嫌う理由も様々あるが、AKB48がそれだけ国民的アイドルグループであったという事実が、当時のほとんどの国民にAKBと秋元が好きか嫌いかという選択を迫ったのである。もちろんAKBもアニメも両方好きという人は当時からたくさんいたが、多数のアニメ・声優ファンの好感度マイナスからのスタートという点は事実だろう。

コンセプトが"間違ってる"

「デジタル声優アイドル」がナナニジの標語だが、デジタルという言葉はすぐ古くなってしまった。

キャラデザがバラバラなのが"間違ってる"

すごいよね。

メンバー人選が"間違ってる"

グループメンバーの最終選抜を合宿形式で行うのは何のためか?普通に考えれば協調性のない人間やメンタルの弱い人間をハネて、明るくしっかりした子たちを選ぶためである。ところがナナニジの場合はどこか影のある子を意図的に集めたとしか思えない。メンバーの休養が出ると運営の責任を問う人が出てくるが、人の心は「メンタルケア」なんて安易に使われる言葉で回復するものではないし、休養を避ける最善の策は最初からあなたの推しを採用せず、メンタルが強靭な子だけを採用することなのだ。

一部メンバーに声優させるのが"間違ってる”

結局才能がなければどうしようもないというのが定説になってきている。よほどの天才以外は才能があっても努力をしなければ駄目だが、才能がなければ努力をしても大成しない。才能がないパラメータは特訓をしても残酷なほど伸びない。ちょっとマシになる程度でトッププロレベルには到達しない。だから普通、声優アイドルオーディションでは「容姿・声質・演技力・トーク力・歌唱力・ダンス力」に総合的に優れた人間を選ぶ。ところがナナニジは明らかに「演技力」よりも「性格」を最重視してメンバーを選んでいる。西條和や涼花萌はいい声ではあるが、アニメ声優の演技の才能はない。(でも個性や優しさといったパーソナリティ優先で選んでしまったのである。)

11人選んだのが"間違ってる"

初期のアニメキャラクターが8人(1クールアニメ化の人数として適正な数値)なのに、11人を採用したということに文句を言う人がいるが、最も簡単な"正しい”解決策は、キャラが決まるまで仮採用にしておいて武田、高辻、涼花をクビにすることである。人数が足りない?もっと早く2期生を入れればよかったのだ(よくない)。

バラエティから入るのが"間違ってる”

"キャラ崩壊"から始めるスタイル。三四郎さんMCの『22/7計算中』面白いよ。

アニメオープニング曲が"間違ってる"

「ムズイ」という当時時代遅れの流行語を曲名と決め台詞にする秋元康のセンスが気恥ずかしくなるが、歌詞の内容も「生きるのしんどい、何で死んだらダメなの?」というもの。好きな曲です。

アニメのストーリーが"間違ってる"

キャラ個人にスポットが当たる個人回は名作ということでそうそう異論はない。問題は12話通してのストーリーのほうで、8人のキャラクターはよくわからない理由でアイドルグループのメンバーに選ばれ、地下にある秘密基地みたいな事務所に集められ、事務所の『壁』から吐き出される方針に事務所総出で絶対服従。というブッ飛んだストーリーである。終盤よくわからないまま解散させられメンバーは謝罪会見までやらされる。こんな間違いだらけの事務所よく描こうと思ったものである。もっと詳しく書きたいが端的に、これは秋元康が自覚的におかしなプロデュースをやっているということを意味している。

売れるメンバーを売らないのが"間違ってる"

ナナニジを手っ取り早く有名にする方法が一つだけあると思っていて、それは西條和をテレビに売り払うことだ。西條の性格は本当に希少で面白い。テレビにガンガン出せば、きっとどこかで本人か周りが炎上する。バズる。正直、西條和を守っている時点でバズウェーブ(ナナニジ事務所)は信頼が置けると私は思っている。アメリカ出身と京都出身の美少女カップル、サリ萌も百合コンテンツとして売れると思うけど、売らないのがいいところ。

ほかにも枚挙にいとまがないが

最初から正しい道を走らせず、道なき森の中に夢見る11人の女の子たちを放り出したのがナナニジだ。その結果が今の知名度は若干イマイチだけど、個性同士が目的を介さない謎の絆で結ばれた、類稀なるアイドルグループ。だから私はこれからもナナニジは"間違い続けて欲しい"し、今さら「皆で正しい道を走ろう」なんて思って欲しくない。大きな夢を見続けたまま、一人ひとりが自分の思う方向に道を切り拓いて欲しい。いつの日か、時代がナナニジに追いつくかもしれないし、皆で大きな頂に到れる日もあるかもしれない。

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