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中日応援歌のサウスポー問題と技術革新の関連性

時事ネタなので。

前のコラムの話と一部被ってしまうかもしれないからどうしよっかなと思ったんだけども流行りには乗っておこう。ツイッターだけでなくテレビにまで報道されて割と大きな問題になってしまったが自分は応援団いなくてもいいと思っているのでどうでもいいというのが本音だ。正直もう私設応援団だから何しても許される時代はもう終わったと思っている。これだけでテレビでもネット配信でも中継されるようになって、球場の観客動員数が過去最高の記録を残し、色んな人が観戦しに来るようになった今において様々な意見が出るのは避けられないし、コンプライアンスもしっかりしていかないといけない。

ただの論点のすり替え

「お前という言葉は元々は御前だから」「与田監督だって選手をお前呼ばわりしている」「商魂こめての歌詞の方が問題なのに何故そっちには言及しない」といった批判かあるが、元の意味はそうだったかもしれないが言葉の意味は常に変化している。現代で知らない人にいきなり「お前」って呼ばれたら嫌な気分になる人が多いのは確かだし、与田監督は応援団が公式で「お前」が入った応援歌を子供も来る球場で歌うのはどうなのかと主張しているだけで、「お前」という言葉自体を使うのを止めようと言っている訳では無い。双方に信頼関係があれば「お前」と呼ばれても前述したような不快な気持ちになることは減る。「商魂こめて」はそもそも与田監督からは聴こえていない可能性が高いし、一部の中日ファンがしているだけなので公式のものでは無い。その点も理解せずに「こっちの方が問題!」と論点をすり替えるのはお門違いだと思う。

様々な考えに対応した言葉の変化

今回は与田監督の発言が元になっているが、現に私の弟の小学校では「さん付け」で呼ばないとダメだったりしたし、最近では「障害者」を「障がい者」と表記する動きもある。現に弟が軽度な知的障がい者な家族としては、健常者と比べてできないことや劣る部分があり、第三者の協力が必要なのは事実なのだから「障害」という言葉でも差し支えないと思っていた。

しかし昨年に自分もADHDだったことが分かってからその考え方に少し変化が起きた。「障がい者」という言葉の重さを感じるようになった。特に、「障がい者」のことをネットスラングで「ガイジ」と呼ぶ人がいて、「あいつガイジかよ」「こんなこと言うだなんてガイジだよな」みたいな感じで使われて、前からいい言葉ではないと思っていたけど、見かける度に「私もそう思われてんのかな」って自分のことをけなされているみたいで悲しくなるようになった。

私はずっとこの脳で過ごしているのでもうこの状態が当たり前だし健常者より劣っているとは思わない。少なくともそんな「ガイジ」だなんて汚い言葉を使う人より余程自分の方が優秀だと思っているので「ガイジですけど何ですか?」って感じである。同時に、バスが割引になるのに弟が障がい者手帳をあまり持ち歩こうとしない気持ちも分かったような気がした。自分では当たり前のことなのに健常者が勝手に比べて劣っているから「障がい」という言葉で区別しているだけじゃん、とか思ったりもする。

少し話がそれてしまったが、私が「障害者」でも「障がい者」でもどっちでもいいと思っているけど「ガイジ」と呼ばれるのはすごい嫌なのと同じように「お前」という言葉に嫌悪感を抱く人もこの世の中にはいるということがこの話で一番、大事なのではないかと思う。

人の考え方は技術革新によって変化する

「昔はよかった」「めんどくさい世の中になったものだ」と昔を懐かしんでばかりいる野球ファンがいるけれども、人間の思考の変化は技術革新によって起こる。現に私がこうしてこの話について自分の考えを上げられるのもスマホがあり、ネット環境があり、このnoteというコンテンツが必要だ。昔は自主出版でしか表せなかったことがこんなにも簡単に出来る。与田監督の発言がここまで影響を及ぼしているのもSNSが原因だ。テレビは追随したに過ぎない。これによって様々な意見を目にすることが容易くなったのもこの問題の本質にも繋がってくる。

技術の進歩に伴って性別や障害によるハンデを克服できるようになりつつある。これからはもっとこのスピードが加速していくだろう。今までは大多数の意見が採用されていたけれども、これからは各々が生きやすい社会が実現されていく。そういった流れに社会全体が傾きつつある中で誰かを傷つけてしまう可能性がある言葉は今後使われなくなるか、意味が変化するのは避けられない。めんどくさい世の中になったとは思うが何も突然めんどくさくなった訳じゃない。技術革新によってたくさんの意見が「見える」ようになっただけだ。

#スポーツ #応援歌 #お前問題 #中日 #サウスポー #野球 #プロ野球

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