景星鳳凰 - 新ミュージカル「スタミュ」


新ミュージカル「スタミュ」を観劇してきました!

千秋楽の前日に身内から「明日行けなくなってしまったから代わりに観に行ってきてほしい」との連絡を受け、急遽チケットを譲り受け京都へ向かいました。

この時点でわたしはスタミュのことを本当に1ミリも知りませんでした。わたしはアイドルからアーティスト、俳優まで雑多なオタクではありますが、2次元、しいては2.5次元はノータッチのオタク人生。事前情報として持っているのは「吉原さんが出ていること」のみ。(元々BOYS AND MENのオタクです) 当初は観に行く予定ではなかったので、予習などもしていませんでした。

そんなこんなでいきなり踏み込んだスタミュの世界がめーーーーっちゃくちゃたのしかったので、“スタミュミリしらの雑多オタクがスタミュミュ観に行ってみた” 記録を残しておこうと思います。


エンターテイメントとは

「観客に観てもらうために、元気になってもらうために、皆の憧れになれるように」エンタメをこなすというのは、原点のはずなのに、年を追うごとに難しくなる課題でもあると思っています。

先述したようにわたしはアイドルが好きですが、これまで好きになったグループの数々も様々な変遷を辿ってきました。やっぱりそれなりの結果を出さないと生き残れないし、チームで志した目標と自分の意思が少しずつ異なってきて、違う夢を追う選択をする人もいて。
否定するつもりはありませんが、たとえそうして個人として道を歩むことになっても、「初志貫徹」というのはすごく難しいことであると感じます。

まさに華桜会とteam鳳、そして個人として柊と鳳の対比がそのような気がして。

華桜会は学園の伝統を尊厳を重んじる厳格な集団ですが、それゆえ本来のエンターテイメントを見失ってしまっている、忘れかけているとも捉えられるような描写がいくつかあります。おもしろいか、おもしろくないかではなく、形式的に不安要素は排除し保守的な姿勢を見せる。そんな中で鳳樹はそれにとらわれず、自由に。おもしろいかおもしろくないか。観る人にどんな感動を与えられるか。そこに執着したエンターテイメントを作り上げ、team鳳に授けます。
でもそれは華桜会の意向とは反するもので、自分が辞する代わりに、team鳳に想いを託した。

そんな鳳のエピソードに改めて「初志貫徹」そして「集団としてやっていくこと」の難しさを感じました。

もちろん柊派の意見も間違っているとは思いません。ただ大切なのは、ああいったteam鳳の革新的なパフォーマンスを観た時に、素直に感動できるかどうか。かつての想いを、思い出せるかどうか。「らしさ」を認められるかどうか。

そこで思い浮かぶのがteam柊のメンバーです。特に辰巳は、最後まで困難にぶつかる彼らを見放すことなく、「らしさ」に期待し、“ライバル”として戦ってくれた。観劇する中ですっかりteam鳳に肩入れしていたわたしはありがとう〜〜〜😭😭😭と彼に感謝せざるを得ませんでした。故にteam柊の推しは辰巳です。


柊翼と鳳樹

本編だけだとはっきりとした描写がなかったのですが、ただならぬ“推せる”関係であることは明確で、例に漏れずこのふたりの関係性の虜になりました。

本家に引き取られ文字通り英才教育を受け、真っ直ぐ敷かれたレールを逸れることなく歩み続ける柊、分家で育ち確かな実力と型破りのエンターテイメントで観衆を惹きつける鳳。

正反対に見えて、ミュージカルに対する熱い心の持ち主であることは根底で繋がっていて、そのうえ双子なわけですから、ソウルメイトと言わざるを得ない関係で。

素人目線の簡単な考察にはなりますが、鳳と聞いてまず浮かぶのは鳳凰。想像上の動物ではありますが、永遠の時を生きるとされています。
一方、柊はクリスマスシーズンによく見られる赤い実のなる常緑樹。葉に鋭いトゲのようなものがあるのが特徴で、痛みがうずくという意味の「疼木」が当て字に使われたのが名前の由来の一説だそうです。(しんどい)

以上をもってすれば「柊樹」「鳳翼」の方が名前としてはしっくりくるはずですが、ふたりでひとつというべきか、姓と名で運命さえも分かつこの世でお互いだけの存在なんですよね。

わたしはミュージカルの今作しか観ていないので見当違いも甚だしいかもしれませんが、ふたりの関係性を見るに決して仲が悪いとか憎み合っているとかそういうわけではないと思いました。お互いがお互いを想うからこそ対等にぶつかりたいし自分の信念を貫きたい。でも本当は自分にできない生き方をするお互いが、少し羨ましい。よくある話だと、憎み合っていたお互いがある事件をきっかけに良好な関係を築くようになる、というものですが、はじめから100%で恨めしい存在ではないからこそ逆にしんどさとか救われなさもあって、そこが美しさでもあると感じました。そしてどちらも悪ではないということ、お互いの正義を貫いているところも、しんどさの一因です。

なかなか唯一無二の関係性のふたり、わたしは断然柊派なのですがもちろん鳳も大好きで非常に素敵なコンビに出会えたと思いました。コンビ厨の血、騒ぎまくりです。同行者が鳳のオタクなので、わたしは柊のアクスタを購入しました。いまから並べるのが楽しみで仕方ありません!!!!!


天花寺翔という漢

今回ガチのミリしらで行ったので、上演中にキャラの性格や名前を覚えていったのですが、マチネ休憩の時点でわたしの推しは天花寺くんに決定していました。

天花寺くんの啖呵切りまくりなところ、ああいう血の気の多いアツい男大好きです。なのに本当は飼い猫溺愛しててツンデレで梨園の貴公子で申し分なしです。

「これが恋なら堕ちてもいいさ ずっと俺の隣にいろよ」とか歌われるタヴィアン羨ましすぎました。ソワレでは「愛してるよ」とか言ってて大発狂するかと思いました。出会って数時間しか経ってないのにこんなに狂わされて悔しいとか思いながらずっと天花寺くんを目で追ってしまいました。

きっと小さい頃から沢山大変な思いをしてきて汚れた世界も見てきただろうに、ずっと綺麗な心と素直な気持ちを持ち続けている天花寺くんが魅力的でないわけがなく、これからもいろんな人の心を動かすパフォーマンスをしていくんだろうなという期待があります。そこは鳳先輩と通ずる意志がある気がしました。

アクスタ買いました!!!!!続編で彼にまた会えることが1番のたのしみです!!!!!


そんなわけで推しも決まり続編も決まり、あれよあれよとスタミュ沼のほとりに来てしまったわけですが、まだ全然アニメを履修できていないので、まずスタートラインに立てるよう少しずつ学んでいけたらなと思っております。
好きなジャンルが多岐にわたるので、スタミュに追いつけるのはいつになるやらという感じですが、1週間経ってもなおここまで情熱を持って文章を書けるものに久しぶりに出会えてとえも嬉しく思っています。やっぱりステージが、エンターテイメントが好きだと改めて感じさせてくれる作品でした。

素敵な作品に巡り合わせてくれた運命に心からの感謝です。キャスト、関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?