【観劇】一人はみんなのために、みんなは一人のために
あなたの周りに「助けてくれる人」はいるだろうか。
それが当たり前にはなっていないだろうか。
もし、その「助けてくれる人」が助けてくれなくなった時、あなたはどうするだろうか。
去る6月30日、劇団ジェット花子第四回公演「ウエスタン家」を観劇した。
2月のコンプソンズ以来の観劇で、今回はヤバイ芝居さん
Twitter: https://twitter.com/YabaiSibai
と一緒に観ることにした。
ヤバ芝さんのお芝居に対する熱量がとても心地よく、楽しく語り合うことができて新鮮でした。
あとお芝居の感想を褒めてもらえたの嬉しかったです。やったぁ!
そんな「ジェット花子」前回公演の感想はこちら。
今回のジェット花子は、前回の勢いはそのままに、後から考えさせられることの多い内容だった。
あらすじ
200年前から地球に怪人が跋扈する世界。
町に一人スーパーヒーローが在籍する世界の日本
舞台の町のスーパーヒーロー・ウエスタンは同居のおばあちゃんそっちのけで町を守る活動にいそしんでいる。
町の皆もウエスタンに頼りきりだ。
しかし、ウエスタンはパワーの源であるウエスタンハットをなくしてしまい、ウエスタンはヒーローではいられなくなってしまう。
すると、あんなにウエスタンに頼り切りだった町の人たちは手のひらを返したようにウエスタンに冷たくなってしまう。
孤独なヒーローの物語を描くのかと思いきや、ここからがジェット花子の素晴らしい所だ。
しかし、ここから立ち上がったのはウエスタンに頼り切りだった女の子、チコちゃんだった。
市長に対してヒーロー、ウエスタンガール(しゃくれている)となり代わりに町を守ると宣言する。
そしてなんやかんやあり、洗脳が解けた元怪人・ヒロシの手によって怪人が実は「操られた元スーパーヒーロー達」だったことが判明し、怪人の親玉を倒せば怪人の増殖を止めることができる。
力を失ったウエスタンは町の人々の協力と不条理な死(ギャグ要素)によって力を取り戻すが、その時、ウエスタンは孤独なヒーローではなくなっていた。
彼だけではなく町の人々も恐れながらも立ち上がり、全員が協力して怪人キングを打ち倒すのだ。
相変わらずストーリーだけ見れば気持ちのいいド王道だが、ギャグがとにかく面白い。
前回よりも笑いがパワーアップしているし、役者さんたちが無駄に元気がいい。
観劇後はニコニコと機嫌がよくなり、電車の中でもニヤニヤしていた。
外国人にボディーランゲージで「お前の持ってる傘が邪魔だ」って言われてもニヤニヤして傘を引っ込めた。
感想記事に私事を挟むのはいかがなものかもしれないが、その日まで私はべらぼうにメンタルの調子が悪かった。
2か月以上は寝込んでいたし、寝食忘れての逆で寝食(とゲーム)しかない生活を送っていた。
ガチでTwitterで有名な横山三国志の「とてもつらい」みたいな状態だった。(ヒマな人はググってみよう)
正直、観に行けるかは賭けに近く、でも絶対に行きたいという強い意志を持ってその日を目指していた。
というかその日に合わせて体調をなんとか持って行った。
結果、あれだけ悪かった体調はかなり良くなり、まぁ次の日はまた体調を崩したけど、数日で復活してこうして感想記事を書いている。
いい物語は、熱量によって作られるお芝居は、とてつもないパワーで人の心と体に働きかける。
そして、元気にしてくれる。
ジェット花子は、観る「エナジードリンク」なのだ。
本当に見て良かったと心から言える。
ジェット花子の世界観が好きだ。
観た二作品に共通する、「一人を一人にさせない」ところが大好きでたまらない。
「このキャラ必要か?」の塊みたいな仲間ばかりだけど、「このキャラ必要なかったよな」という登場人物はいない。
一人はみんなのために、みんなは一人のために。
そうやって立ち上がる仲間たちは、みんながみんな、とても愛おしいのだ。
脚本のグミ沢さんは、昨今の裏切りに溢れた物語たちの中で、観客や読み手の「こうあって欲しい」という切実な祈りをかなえる、貴重な書き手・スーパーヒーローだと思っている。
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