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好きじゃけぇ、広島。 〜広島支社ができるまで〜その1


はじめまして、こんにちは。
マネーフォワードのBtoB事業「Money Forward Business」事業推進本部で営業をしている、矢尾板(やおいた)です。私の仕事は、クラウドサービスの『マネーフォワード クラウドシリーズ』を、全国の会計事務所に導入してもらうこと。入社して4年間、全国の会計事務所をまわりながら、中小企業の生産性向上を目指して活動してきました。

そんな私が広島エリアを担当し始めたのは、2016年1月。東京から出張ベースで担当していました。
そこから3年以上がたち、徐々にお客様が増えきたことと、広島在住のメンバーが入社をしてくれたことをきっかけに、2019年5月広島支社を立ち上げました!!

マネーフォワードとしては7つ目の地方拠点です!!(パチパチ..)

広島というエリアを、出張でどうやって市場開拓したのかについて、
当時の涙と苦闘、そして出会った広島の方々への感謝の気持ちをまとめていきます。



広島を担当することに決まった時は「うれしかった」


まずは 広島という場所。みなさまはご存知でしょうか。

品川駅から広島駅まで新幹線で約4時間。
羽田空港から広島空港まで飛行機で1時間半+市内までバスで約1時間。

そう、いっちゃあなんですが、広島は東京から出張するにはとても時間がかかります。
「え?大阪とか福岡に拠点あるのに、なんで東京から担当するの?」
そんな声が聞こえてきそうですね。はい、私もそう思いました。

なぜかというと人が足りなかったからです。
当時、マネーフォワードの営業部隊は十数人。地方は案件も少なかったため、問い合わせがあった時に東京メンバーが飛んで行って対応するエリアでした。それが組織変更をした際に、私が広島を担当することになりました。
(実は広島と指定されたわけではなく、「誰も担当していないエリアの担当」という役割。なので当初カバーしていたエリアは、関西と九州以外の西日本全部、すなわち中国地方全部、四国全部、沖縄を一人で出張で対応していました。)

担当となったエリアは、当時誰もなり手のないエリアでしたが、私は気にしていませんでした。むしろ自分一人の「担当エリア」を任せてもらえた、ということが私は嬉しかったんです、実は。
マネーフォワードの良さでもあるのですが、何をやっても自分次第。やらされ感は全くなく、他にやる人がいないから私がやるしかない!本気でそう思っていました。


「契約取れないし、なんとなく人は距離感を感じるし、
広島は好きじゃない」

先に書いた通り、地方は「案件が出てきたらときどき出張する」レベルで対応できていたエリアです。私が担当になったからと言って、そんなに急に案件が湧いてくるはずもありません。
正直最初の2ヶ月は売上が立たず苦しみました。

今ほど商品ラインナップがあるわけでも、機能が豊富でもなかったため、新規顧客を増やすしか売上を立てる方法がありません。顧客開拓をしなければ....!!と、とにかく焦燥感にかられていました。
そしてこの地域の担当者は私一人だったので、状況を共有する人もいなければ、縁もゆかりもないエリア、土地勘もない。当時の雰囲気では相談もできず、とても孤独に感じていました。

担当した地域で最初に契約が取れたのが高松でした。なかなか契約が取れない広島のことを、当初私は「好きじゃないな」と思っていたのです。


思いつくことを片っ端からやってみた

(1)セミナー
東京ではセミナーを開催し、商談につなげていました。広島でもそれをやろうと思ったところまず人が集まらない。セミナーではダメだ。東京と同じやり方では開拓はできないとすぐに気づきました。
色々取り組んだ後に気づいたこと。広島は地域性が強く新しい情報はコミュニティから取っていく。だからセミナーよりも、一番信頼できて確かな広げる方法は口コミだったのです。


(2)飛び込み
顧客開拓が必要、ということで、がむしゃらに飛び込みをしていました。
対象顧客になる「○○会計事務所」、「○○税理士事務所」という看板をみたら飛び込んだり。HPで検索して電話をしたり。
とても非効率だとはすぐに気づきましたが、とにかく必死だったのです。


(3)問い合わせがあればどこへでも
問い合わせが入ったらすぐに飛んでいきました。広島に限らず、高松、松山、徳島、高知、那覇、、と契約につながりそうなお客様のところを、浅く広く訪問していました。
出張ベースで、何度も通って対応することができないため、1回の訪問で成約につなげる交渉をする必要があったのです。

私の営業手法は、論理的に説明しクロージングをかけていくというよりはお客様のやる気をモチベートする”エモい”感じですw
当時はクラウド化という世の中の勢いもあいまって、1回だけの訪問でご契約いただくことがわりと多くありました。
ただこんなことをしていた私は、のちに苦労と反省と後悔をすることになります。


1年経って

「マネーフォワードクラウドサービス」は、サブスクリプションのモデル。すなわち使い続けていただくことでミルフィーユ状に利用者が増えていくサービスです。
ただし、私のお客様にはライセンスをまとめて販売する、期間契約をする形でご注文をいただいていました。
つまり、まとめて契約いただいても、使っていただかなければ、お客様にとっては使えないものにお金を払っている状況になり、期間終了後に解約されることになります。

私の場合、遠方でしかも広範囲を一人で担当していたので、契約後のお客様フォローがおろそかになっていました。そのため一般的なサブスクリプションモデルではチャーンレート(解約率)が3%以内が目標とされていますが、一時期私の担当先では10%以上になることもありました。

たった一人で、出張ベースで新規契約もサポートも全部をするのは厳しい。
もうこれは解約率が高いことの言い訳でしかないのですが、会社に度々不満を訴えていました。


地域を絞る

担当をしてから1年が経過した後は、契約数がだいぶ増えていたので、さすがに担当している全地域を見る体力と時間が、限界に近づいていました。
苦しい。
しんどい。
飽きた。。

フィードバック面談の際、当時の上司に「誰よりも移動時間がかかるところを担当しているのに、誰も手伝ってくれない、営業目標はみんなと一緒で、どうして私ばかり大変なんだ!」と涙ながら訴えました。
もう、心のブレーキを踏みまくっていますね。

その頃には地域メンバーも多少増えていたので、会社のサポートもあって関西と九州のメンバーに協力もらい、担当地域を広島、岡山、山口に絞ることになりました。また時々ではありますが、契約後のフォローも東京から足を運んでくれることになりました。

それに伴い、広島、岡山、山口はどうやって攻略すればいいか。県民性や地域性、文化や考え方を調べ、お客様さまにも直接お伺いして出た答えは、
「仲間になれば世話を焼いたり情に熱いが、表面的なお付き合いでは信頼されない」

それまでシェアを取ろうとどんどん飛び込んで行っていたものの、仲間だと思ってもらえるほどの関係性は築けていませんでした。当時はフォローもままならず、解約も経験していた時期。
「もっと広島の方の”仲間”になることが必要なんだ、広く浅くではなく、狭くても深い強固な関係を作らないと、この地域ではやっていけないかもしれない」と考え始めました。

ちょうどその時期に、あるお客様から「弊社のシステムを全面的にマネーフォワードクラウドにしていくことに決めました」とお申し出をいただきました。システムのすべてをマネーフォワードクラウドに切り替える会計事務所様は多くなく、簡単なことではありません。
それを決めていただけたのは、サービスと会社と私を信頼してただけたのだと、心底嬉しく感激しました。同時に、「この全切替プロジェクトをしっかり完遂しなくてはいけない」とプレッシャーを感じたことを覚えています。

その2につづく。


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