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「タンギョウ」というカルチャー【來々軒 @木場(東京都江戸川区)】

この日はずっと雨。日中は葛西駅のそばにある「独一処餃子」で880円の餃子とチャーハン定食を食べた。

そんな僕のこの日の夕飯は、またしても餃子。僕はなんの躊躇いもなく3食連続で餃子が食べられるのだ。僕がどれだけ餃子が好きかについてはもはや説明不要だろう。

この日の夕飯のターゲットにしていたお店は木場駅のそばにある「來々軒」という町中華。昭和34年創業という老舗であり、「タンギョウ」という愛称で60年以上親しまれてきたお店だ。なんの前触れもなく「タンギョウ」という言葉を出してしまったが、これは「タンメンと餃子」の略である。そう、このお店に行ったらタンメンと餃子をセットで食べるのがど定番中のど定番なのだ。僕は餃子が好きだけど、町中華で食べるタンメンって美味いんだよなぁ。


日中、餃子を食べ終えた後は木場駅近くのコメダ珈琲で作業をし、18時過ぎになったタイミングで餃子を求めて歩き始めた。木場駅からその「来々軒」までは徒歩4分。お隣の駅の東陽町駅からも歩いて4分である。この時間も相変わらず雨は降り続いていた。それに寒い。

お店に着いたのは18時半ごろ。入り口の上にかけられた看板の中央には「來々軒」と書かれており、その両脇にはそれぞれ「たんめん」と「餃子」という文字が書かれている。「タンギョウ」だ。入り口の横に置いてある傘立てに傘がそこそこ刺さっているのを見る限り、結構なお客さんが入っていそうな感じだ。僕もその傘立てに傘をブッ刺してお店の扉を開けた。

お店の外観

お店に入るとまず目に入ったのは券売機。おお、こういう町中華にしては食券制なのか。意外だな。その奥に控えてるカウンター席にはお客さんがたくさん座っていた。券売機の前に立ち、そのラインナップを眺める。こういう時は大体券売機の一番左上にあるメニューがそのお店の名物メニューというのが鉄板であり、このお店ではそのポジションは「タンメン餃子」という文字が担っていた。やはりこのお店は「タンギョウ」のお店なようだ。僕は迷うことなくその食券を購入した。券売機の割にPayPayが使えるのも意外だった。

券売機

優しそうなおばちゃん店員さんに案内されたカウンター席に行くと、その席にはなぜか野菜が盛られた皿が用意されている。あれっ、まだ食券渡してないけどな。戸惑いながらおばちゃんにタンメン餃子の食券を渡すと、おばちゃんは

「こちらサービス野菜でございます」

と言ってお店の奥の方へ去って行った。席に座り、カウンターに貼られた貼り紙を見ると「当店では初めにタンメン野菜のサービスをしております!」と書かれている。なるほど。タンメンに入っている野菜がサービスで提供されるってことか。皿を改めて見てみると町中華とかでよく見ると野菜炒めの3分の1くらいの量の野菜が皿に盛られている。これがサービスだなんて、このお店気前良すぎないか。サービス野菜だそう。ラー油をかけていただく。シャキシャキしてるしラー油も美味い。これだけでもビールが進みそうだ。

サービス野菜

サービス野菜を1〜2口食べて舌鼓を打っていたら、なんともう餃子がやって来た。えっ提供早いな。町中華で餃子頼むと大体提供されるまでそこそこ時間かかるぞ。僕が席に座ってから餃子が出てくるまで体感3分くらいしかかかってない気がするんだが。早すぎてビックリしたわ。そしてこれは予想だが、たぶん僕がおばちゃんに食券を渡す前、「タンメン餃子」のボタンを押したタイミングで餃子を焼き始めていたのだろう。それくらい焼き始めが早くないとこの提供時間は実現できない気がする。僕のこの予想が当たっているかどうかは正直どうでもいいけど。

餃子

その餃子は一つ一つはやや大きめ。箸で掴んだだけでもタネが結構みっちり詰まっているのが分かる餃子だ。まずは何もつけずにそのまま一口。おお、ニンニクがバッチリ効いている。昨日の夜と今日の昼に食べた餃子はニンニクが入っていないものだったため、餃子のニンニクのパンチを味わったのがなんだか久しぶりな感じがした。ニンニク味の力ってすごいんだな。そして予想どおりみっちりと詰まったタネに含まれている野菜はシャッキシャキ。肉汁、旨味もたっぷり。これはマジで美味い餃子だ。

何も付けずに餃子を一口食べたあとは卓上調味料も試す。ラー油は自家製のようで辛味がそこそこ強いものだった。もちろん付けても美味しかった。カウンターに貼られた貼り紙によると、ラー油だけで餃子を食べるツウな常連もいるようだ。

あと卓上調味料の中で印象的だったのは、鎮江香醋(チンコウコウズ)という黒酢。中国で売ってる黒酢なのかな?見たことのないパッケージだった。老酒の酒粕で作られた黒酢らしく、餃子を付けて食べてみると角のない甘さを感じる。貼り紙にも「ギョウザとの相性が最高ですよ!」と書かれていたが、まさにその通りで僕個人的にはこの黒酢だけで食べる餃子が一番美味しかった気がする。

タンメンも餃子の提供からさほど間隔を開けずに登場。スープの透明度は高く、野菜がモリモリと乗った町中華では王道のタンメンの見た目だ。こちらもさっそくいただいてみよう。スープを飲んでみるとその味は少し薄めだ。だがそのあっさりさの中にじんわりと柔らかなコクを感じる。野菜の甘みがスープに溶け込んでいる。周りのお客さんを見るとタンメンにラー油やコショウを入れているお客さんをよく見かけた。どうやらここではこの薄めのタンメンを自分好みの味にアレンジするのが鉄板のようだ。

タンメン

タンメンの麺は中太のちぢれ麺で、モチモチとした食感がとても心地よい。野菜はさっきサービス野菜として先にいただいておりその美味しさは十分分かっていたが、スープと合わせて食べる野菜も絶品だった。僕自身タンメンを食べたのが結構久々な気がするので、改めてタンメンの美味しさを思い知らされるような味だった。

このモチモチ麺を食べ、スープを飲み、餃子を食べる。まさに「タンギョウ」だ。とにかく美味い。箸もレンゲもどんどん進む。永遠に続けていたくなるルーティンだ。なんといっても餃子が美味い。最後の餃子を食べ終わった時、マジでここからもう1皿餃子を追加注文しようか悩んでしまったほどだった。ここに来るまで短いスパンで2食、ニンニクに頼らない餃子を食べて来たけど、なんだかんだいって僕は餃子にはニンニクが入っている方がパンチがあって好きなのかもしれない。いや、先に行った2店舗の餃子も美味しかったんだけどね。僕はエスニック料理も普段あまり好んで食べないし、舌が完全に日本人の舌なのだろう。将来海外で生活してみたいな、なんて思い浮かぶこともあるが、日本食があまりにも美味過ぎるので僕は果たして日本から出られるのだろうか、と思ってしまう。


この3連休で餃子を4回も食べてしまった。でも不思議と飽きないんだよなぁ。なんなら明日も餃子でもいい。さて、今週はどこの餃子を食べに行こうか。


今回行ったお店

來々軒
●住所:東京都江東区東陽3-21-4
●アクセス:木場駅から徒歩4分
      東陽町駅から徒歩4分
●営業時間:10:30~15:00 / 17:00~20:00
●定休日:水曜日/第1週・第3週の木曜日
●支払い方法:現金、交通系、PayPayなど
●駐車場:なし

お店のHPはこちら

頼んだメニュー

●タンメン餃子 ¥1450

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