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ヤプシ街道の2022年6月~2023年12月を振り返る

12/7に「いつまでも『りばスプ』壁打ち用解題の記事をトップに置いておくわけにはいきませんので、近日中に現在の状況などプチ更新の予定です」とか書いておきながら、その後ずっと放置で結局大晦日という惨状。
2023年は当サークル・ヤプシ街道としては色々とあった年であるために、何とか年内には振り返りをしておきたく思います。
以下、特に目新しい情報はありませんが、「年末年始だからヤプシの2023年を振り返りたいなあ」というレアな欲望にかられた人のみ、ご覧ください。

2022年6月

振り返りと言いつつ、いきなり2022年からスタート。今年の1月からだと逆に分かりにくいので、どうせなら事の発端から現在までということで……。

2022/6/10

ある意味記念すべき久々の書き込み。10年以上放置しててもアカウント自体は生きてるもんなんですね。なぜ再ログインしたのかはこのサイトをご覧の皆様はさすがに大体把握されていると思いますので省略しますが、この頃はTwitter(現X)の通知欄がすごいことになってたのだけ印象にあります。残念ながら誰も「有名人じゃん」とは言ってくれず。

2022/6/19
この日に某インフルエンサー氏のアカウントで、例のグダグダなやり取りを取り上げられてしまい大炎上。通知がヤバい。なぜかこっちに説教してくる人までいたので(「転売者に遠慮して再販しないつもりですか?」的な強圧コメント)、「ここは狂気の世界だ みなおかしいんだ…」と思わずコブラ状態になったりもしました。
そういう系のリプライに辟易したこともあり、アカウントは一時的に鍵をかけることに。『夢を確かめる』旧版の在庫が100枚少し残っていたので、その時点でフォローしていた人のうち希望者に販売するという流れにしました。
販売経路はBOOTHの匿名通販サービスを利用。瞬間最大風速がすごいことになりまして、通販開始から数十秒で売り切れになったりと、色々と販売方法に工夫をこらした時期でした。

2022年7~8月

2022/7月上旬~8月上旬頃
希望者への発送作業を開始。1枚ずつ手弁当で梱包&ヤマトに毎日のように持ち込みしていました。約1か月ぐらいかかったのではないかと。本業の片手間で、しかも猛暑だったため、最後の方は体力の限界が訪れて1週間ぐらい寝込む……。

2022/8月中旬
謎の人物から連絡が入り、『夢を確かめる』炎上騒動に関するインタビューをしてもらいました(※これの詳細はまた後ほど←バレバレ)。
リニューアル版収録のおまけコーナー「同人ゲーム残酷物語」でも激白したことですが、実はこのインタビューの時に熱が38度以上あり、無事に録り終えられるか不安だったものの何とか最後までいけました。心は常に熱いから大丈夫だったんや。

2022年9月

2022/9/19

8月に収録された謎のインタビューの真相がついに……?

2022/9/20
今後の展開をどうしようか迷っていた時期だったので、時々アンケート機能を使ったりもしていました。この頃は平和だったんだなあ。ていうかここまで来て「何も制作しなくていい」に投票するのやめてよ(笑)。

9/27
9月22日公開予定だったインタビュー動画が、編集作業上の都合により1週間ほど延期に。このツイート(現ポスト)でも言ってる通り、スケジュールに2回掲載されたという意味ではかえって良かったのではないかと…。

2022/9/28
というわけで謎の人物が誰かが判明しました。奥様は魔女――ではなく、謎の人物の正体は餅月ひまりさんだったのです!!

未見の方は今からでも遅くありませんので、10万回ぐらい見て下さい。
ちなみにこれも今や鉄板ネタになりましたが、サムネイルの男性はフリー画像であり士戸本人ではありません。そもそも何で手術着みたいな色の服着てるの……? そういうシチュエーションのフリー画像なの……?

この時、メンバーシップ限定で配信された↓の動画では、さらなる裏話で盛り上がりました。活動初期の頃から応援の声を寄せてくださった「Aさん」とその後に起こったマジで映画みたいな感動エピソードとか、『長靴をはいたデコ』に影響を受けた話とか、夢かめマニア(いるのか?)にとっては垂涎のネタが!

そしてこの9月28日は色々なことが起こった日でして、なんとLost Script様の『長靴をはいたデコ』がかつて発売された日でもあったんですよね。インタビュー動画の公開が延期されなかったらこのツイート↓はしなかったはずですので、ここら辺の展開はマジで運命の輪が回り過ぎてると思います。
(このツイートきっかけで、大槻涼樹様とも繋がりが持てました)

12年越しにリアルで伏線回収するとか、滅多にないことです。本当にこればかりは様々なご縁に感謝しております。「螺線(スパイラル)から螺旋(ヘリックス)へ至る物語」ってこのことだったんですね(違)。
ちなみに大槻様からはプレイのご感想として「よくぞ人の身でここまで練り上げた」という最上級のお言葉を頂きました…!

2022年10月

2022/10/22
そしてまたもやアンケート機能を活用する日々。パッケージを出すこと自体はウェルカムなんですが、最低製造数がいくらぐらいになりそうか、見込んでおきたかったのです。でも「いらん」が20%以上もあるのは傷付くからやめてね。自分で項目作っておいてこの言い草。

2022/10/28
ひまり動画のコメントで「作者はいい人だなあ」的な書き込みがいくつか見られたので、念押し。

2022年11月

2022/11/7
この時期もまだパッケージ版を出すかどうかは模索中。おまけ要素の内容をどのようにしていくかも未定の部分が多かったです。要するにほとんど進んでない。当初は10分ぐらいのアフターストーリーをイメージしてました。
で、小説版も体力が持てばやってみるか…というような。

6.4%の方々、「別に会いたくない」は傷付くからやめてね(だからそういう項目を自分でわざわざ立てなければいいのに…)。

2022/11/11
そして上のツイートでも示唆していたように、この頃、イラスト担当のとめきちさんに新規CGを既に依頼させて頂いておりましたので、このようなラフ画もアップされていたわけです。月並みな言葉ではありますが、12年ぶりに「彼女たち」の姿を見ることができたのは本当に感動しました。

2022/11/14
夢かめとは直接的には関係ない話題ですが、士戸が以前に企画とシナリオを担当した同人ゲーム『りばー・スプリング!』も、BALANCEさんの温情により再頒布されたのがこの時期です。

『夢を確かめる』の作風とはまったく異なるタイプのゲームですが、気になる方はまだ販売対応してくれてますので、以下のサイトをよろしくアミーゴ。士戸も今回の件があって全編再プレイしてみました。様々な意味で時代を感じさせる部分はあるものの、良い出来だと思います。

2022/11/18
とめきちさんにお願いしていた新ジャケット画像のラフを頂き、パニックに陥る士戸(笑)。まあ誰でもそうなります。

2022年12月

2022/12/1
「良い知らせと悪い知らせがある」という思わせぶりなツイートですが、要するにパッケージ版製作&おまけ要素ボリューム大増量を正式に決定したというものです。

ここで書いていることは実話でして、ジャケット画像の完成CGを頂いた時はうち震えておりました。――というか、このイラストを作ってもらって、中途半端な物は普通出せないですよ。創作をする人間ならば、誰であっても同じ判断を下したと思います。ジャケット公開前、制作関係者のみにこのCGを見せて回った時、誰に見せてもほぼ100%の反応で「えっヤバ、すごすぎ」と言われたのが今も強く印象に残っています。
(※さらにとめきちさんにはもう1枚、おまけシナリオ内での追加イラストを描いて頂いております! ぜひぜひ実際にプレイして確かめてください)

2022/12/24
この頃、追加部分にご協力してくださるクリエイターの方々との連絡をめっちゃ取りまくり、年末のお忙しい際の時間を割いて頂きました。
10年以上ぶりのディレクター的な作業がここからずっと続くわけですが、やっぱり大変ですね。

2022/12/30~31
この辺りの事情はTwitterに書いておらず、士戸の内部情報のみです。夢かめリニューアル版用のおまけシナリオ「プロトタイプ・サンシロー」の構成を年末に作成。プロット自体は2日ぐらいで急ぎ作りました。

2023年1月

2023/1/1~
正月休みそっちのけで「プロトタイプ・サンシロー」のシナリオ本文を書き出し始めました。当初は2週間ぐらいで終わるかなと激甘な予想を立てていましたが、結局完成したのは3月の頭でした……。
この間、ゲストクリエイターの方々との連絡や調整も進めており、もはや何が本業か分からない状況に(爆笑)。

2023/1/24
『夢を確かめる』旧版もジャケットとマニュアルを担当してくれた親友のBBB(suzuki yosei)がめちゃくちゃに気合を入れて、新ジャケットとタイトルロゴをデザインしてくれました。ジャケット初公開の日はドキドキものでしたが、大反響を頂き一安心したのを覚えています。
――で、士戸を様々な決断に至らせた噂のイラストがこちら↓なのですが、これを受け取ってしまったら、誰でも同じことをするでしょう?

ちなみに旧版・リニューアル版ともにデザインを担当してくれたBBB(suzuki yosei)は、他業界ですがプロのデザイナーとしてバリバリに活躍中です。今回も引き受けてくれて本当ありがとう。「旧版のデザインは改めて見たら気になるところがいっぱいあって、今ならもっと上手くやれる」って返事をもらった時は、マジで映画だと思ったよこの現実。職人にも程がある。カッコよすぎる。

2023年3月

2023/3/2
2月はずっとシナリオ制作&連絡・調整がひたすら地味に続き、特に報告できるようなことは無し。
ツイートログを確認する限り、この日にようやくおまけシナリオが完成したようです。約2ヶ月ですね。
本編は大体25万字ぐらいで、おまけシナリオは35万字ぐらいです。

2023/3/3
で、シナリオが完成したからといって翌日にもう調子に乗って遊んでる。ダメだこいつ……早く何とかしないと……。夢野ユメって誰だよ。

2023年4月

2023/4/3
制作は裏で進めまくっているのですが、表に出せることがあまり無いという同人ゲームあるある状況に突入する時期です。
ゲストクリエイターの方々について発表するのはいつにしようか悩んでいたものの、結局4月に謎の連続更新で盛り上げることにしました。

おしとやかでおっとりした心の優しい人・森溝今子さんです。

この謎の美少女はいったい誰なんだ……!?
そして5日目からはおまけシナリオの宣伝。ノベルゲームの広告にありがちな(多方面に失礼)意味ありげ台詞を画面内に張り付けまくるシリーズです。

おまけシナリオでは大活躍したこの人。八面六臂のちぎっては投げちぎっては投げ。

おまけシナリオでは大活躍した人その2。「強キャラ感がすごい」とか「前作のラスボスが続編で仲間になった安心感」とかいうご感想を頂きました。

おまけシナリオでは大活躍した人その3。結局全員大活躍なのね。でもやっぱり一番活躍したのはこの人なんじゃないのかなあ。「プロトタイプ・サンシロー」は彼女のためのストーリーでしたね。
終わりだと思ってもまだまだ続く。それが大事であるらしいです。
(※なお、この頃ちょうど選挙があったためこのようなツイート内容になってます)

そしてここからがいよいよゲストクリエイターの方々を発表する連続告知。
サプライズって重要よね。

うん、なんかここまでの流れ……すごすぎるね。とても一介の同人サークルには余る恩寵を受けている気がする。「長い……長い夢を見ていました……」って今さら全部無かったことになってもおかしくないレベル。

というわけで怒涛の13日間連続更新は狂乱のうちにいったん終了。
改めまして「あしたのーと」の高岡兼時さん&RYUNKAさん、餅月ひまりさん、歩サラさん、大槻涼樹さん、うつろあくたさんには感謝いたします…!しかしこの時はまさかあんなことになろうとは、神ならぬ我が身には想像もできなかったのです(不穏)。

2023年5月

2023/5/3
夢かめはNscripterというノベル制作ツールで動いておりまして、これは旧版発表時の2010年当初にはまだまだ現役だったのですが、さすがに現在は世代が変わりつつあります。
ただ、夢かめ独特の「YTIシステム」がNscripterの機能を魔改造して表現しているものであるゆえに、新たなツールでこれを再現するとなると手間がかかりすぎる――様々な葛藤を経て、「Nスクで通すッ!」と決断しました。
2023年にNスク制作の同人ゲーム(しかもゲストが超豪華)というだけで前代未聞だと思うのですがどうでしょう。
この辺りのUI事情については、以下のツイートにある記事からどうぞ。

おまけシナリオが完成した後の3月~7月の間は、スクリプト担当の一葉くんが毎日修羅場状態で「いつもすまないねえ…」と士戸がねぎらいの言葉をかけておりました。まあその修羅場を与えているのは士戸なのですが。

2023/5/13

この辺りはひたすらUIの改善や細かい調整作業の連続です。士戸も一葉くんもお互い本業抱える身でありながら、毎日のように進捗の連絡を取り合ってましたね。
現在はネット上のドライブ共有などが発達しているので、この辺りのやり取りは本当に簡略化されて助かりました。10年以上のブランクがあったにもかかわらずこんなクソ素人どもが完成までこぎつけられたのは、現代IT(イ…インターネットテクニック)の恩恵による部分も大きいです。

2022/5/23
この頃は、5月中に全データ仕上げることを目標にしておりました。
しかし以下のツイートにもあるように、スクリプト面で致命的な問題が発生。説明が難しいのですが、要するに現在のWindows10がベースとなったPC環境でNスクのデータを暗号化しようとするとエラーが起きてしまうことが分かったのです(※この暗号化ができないと、ゲーム内のすべての素材が生データのままプレイヤーに見えてしまうことになります。絶対ダメです)。そら2023年にNスクでゲーム制作しようとしている奴なんて想定してるわけがないわな……。

Nスクのスクリプトは、テキストやCGを表示させようとする時に「Aフォルダに入っているB画像を表示しろ」という風に指示文を入力するのですが、この指示が暗号化作業のプロセスでうまくいかない。結果的に判明した解決策は、「すべてのデータを種類ごとにフォルダ分けするのではなく、同じフォルダに入れる」という地獄のようなものでして、通常のゲーム制作では考えられない「巨大なフォルダが1個ドーンと入ってる」状態にしなくてはならないことになりました。
で、これがデータを全部1個のフォルダに突っ込めばいいというだけではなくて、これまでに入力してきた指示文をすべて書き換えなくてはならない。
「Aフォルダに入っているB画像を表示しろ」「Cフォルダに入っているDテキストを表示しろ」という指示をすべて、「Xフォルダに入っているB画像を表示しろ」「Xフォルダに入っているDテキストを表示しろ」と前半を書き換えなきゃならんわけです。
これはキャラクターの表情1つを変えたり、効果音1つを鳴らすという動作でもそれぞれに指示文が必要であるため、全部を書き換えるのは膨大な作業になりますし、書き換えにあたってのミスも起こりやすくなります。

この期に及んでさらに制作期間が延びるとかマジ絶望……と沈んでいたものの、最終的には炎の職人・一葉くんがジェバンニ並みに頑張ってくれて、一晩とは言わないまでも3~4晩で何とかしてくれました。すごい。本当にいつ寝てたんだろ?

2023/5/29
そしてこの間、サークル外部の方によるチェックも入れる必要があったため、テストプレイヤーを募集していました。そちらの調整でも大忙し。
幸いなことに、カワチさん、SIGHさん、小林白菜さんの実績あるゲームライターの方々にご協力頂けることとなりました。色々な人に支えてもらっております。いよいよゲームデータ完成が見えてきた時期です。

2023年6月

2023/6/12
メロンブックスさんで事前予約開始ッ! 2週間ほどの予約期間を設けて、大体の生産数を決定するという流れでした。しかしこの時はまさかあんなことになろうとは、神ならぬ我が身には(2回目)。

6/12の夜11時半から6/13の午前0時半。深夜帯のこの1時間にかけて、予約上限の数に達してしまいました。
これには士戸もメロンブックスの担当さんも驚愕し(笑)、急いでやり取りして上限数の設定を引き上げてもらい何とか予約は復活。美味しんぼ風に言えば「これは嬉しい不意打ちだよ!」ってやつなんですが、だいぶ奔走させられた出来事です。

2023/6/13
というわけで上にも書いたように、予約は無事復活!
いやあ本当によかったよかった。幸せだなあ、こんなに恵まれていて本当にいいのかなあ。
?「ククク……奴は我々予約トラブル四天王の中でも最弱……」
?「四天王の面汚しよ……」




あれから2時間――







「ウワーーーッ!!」とセイレーンに追いかけられていた時のハチワレのごとく叫びましたよマジで(※この時点ではまだその回はアップされていないので時系列がややおかしい)。
メロンの担当者さんに再度連絡し、「上限数、とにかく上限数を引き上げて、たとえ地球の人類全員が買っても大丈夫なイ●バ物置ぐらいの上限にしてくだちい」と涙ながらに訴える。

2023/6/14
以上の「嬉しい不意打ち」の甲斐あってか(?)、メロンブックスさんの総合ランキングで1位という名誉を得ました。
有難いことこの上無いのですが、この時はまだ予約が復活してなかったので心理的にはちょっとヒヤヒヤ。

その後数時間して、予約が復活。三度目の正直、今度こそは堅牢な上限数の守りは破られることはありませんでした。
(ちなみにこれ、普通だったらマジで「寝ボケんな」と一蹴される数に設定してもらっていました)

2023/6/15

この数日間は色々と対応に追われ過ぎて、記憶が完全に曖昧です。「士戸ナオミの最も長い3日間」としてドキュメンタリードラマ化できるんではないでしょうか。

2023/6/16
そしてこの予約四天王の襲撃が終わった翌日、以下の事実に気付く。
このゲームの制作に関してはどうも運命の輪が回り過ぎてるような気がしてならないんだなあ。

例の炎上騒動からちょうど1年でリニューアル版完成・予約開始までたどり着けたということですね。ロマンチック~(byスーパーミルクちゃん)。

2023/6/22
この日にデータはマスターアップしたようです。
痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!

↑しかしこのツイートで「諸々の事務作業を士戸がポカしない限り」とか書かなくてもいい余計なことを書いてしまったがために、まさか後々あんなことになろうとは……。

2023/6/25
様々な事務作業を通して、パッケージ版を製造するためのプレス業者さんへデータを入稿完了。
ああ、ついにやり遂げた……と1人で祝杯を挙げる。
発売日も7/14に確定! もう後は何もやることはありません。
すべてがこれで終わったのです。
?「ククク……奴は我々入稿トラブル四天王の中でも最弱……」
?「四天王の面汚しよ……」

2023/6/28
プレス業者さんから携帯に直接電話が。

業者さん「送ってもらったマスターディスクですがファイナライズされてないので、このままでは製造できないです……」
士戸「~~~~!?」

はい、大ポカです。
データCDを作成する時はファイナライズという作業が必要になります。簡単に言うと、「マスターデータを書き込んだ後、これ以上データを新たに書きこむことができないようにクローズする」ということなのですが、それができていなかったと。素人がよくやるミスです。

業者さん「何のソフトで書き込みされましたか?」
士戸「Windowsにデフォルトで付いてる書き込みツールでやりました」
業者さん「あ~、あれでやると「ファイナライズできました」って言っておきながらファイナライズされていないことが結構あるんですよね」
士戸「そ、そんなメチャクチャなトラップが……(本当にこう言ってしまった)」
業者さん「明日までに正式なマスターデータをお送り頂けないと、納品予定日には間に合わないんですが……」
士戸「分かりました……。明日に速達で発送します……」
業者さん「いえ、明日"までに”到着なので、今日中に送って頂かないと厳しいんです」
士戸「(絶句)」※この日は本業の都合上、夜まで時間が取れないという状況でした。

数秒間思考して、

士戸「わ、分かりました……では明日に私がそちらの会社まで直接ディスクを持っていきます……。『SHIROBAKO』の最終回みたいな感じで」
業者さん「いやいや、●●さん(本名)のご住所からだと新幹線で数時間かかるじゃないですか。さすがにそれはちょっと」
士戸「私は一向に構わんッ!」
業者さん「いや構うでしょ。うーん、そうですね、プレス工場さんに連絡して期限を延ばしてもらえないか頼んでみます。たぶん大丈夫のはずです」
士戸「ほ、ほんまでっか……! じゃあ明日に発送しても何とか間に合うでしょうか」
業者さん「ギリギリですがいけると思います」

以上のような失礼極まるやり取りを経て、なんとか期限を延ばしてもらえることになりました。士戸の暴走を止めて下さった上に、工場へ掛け合って頂いた業者さんにはマジで大感謝です。
他にもこちらの業者さんからはおすすめのCDライティングソフトなども教えて頂き、地獄に仏とはこのことでした(勝手に地獄に突っ込んでいった)。
このドタバタ騒ぎについては当時説明する余裕はございませんでしたので、以下のように簡潔なツイートで済ませておりました。
業者さんからすると、ホントに大迷惑な客ですよ。

「読もう、コミックビーム!」のノリで「現物は一期一会!」みたいに書いてますが、内心はやっぱりヒヤヒヤです。この頃は毎日綱渡り。

2023年7月

2023/7/11
業者さんのリカバーにより、メロンさんへの納品期日までにパッケージ版がついに完成ッ……!! あとは7/14を待つのみ……!!

この流れは本当に熱いです!!
あと、どうも向こう側が色々と配慮してくれたようで(違)、あの超話題作のアニメーション映画『君たちはどう生きるか』と公開/発売が重なるというコラボも!

2023/7/14
『夢を確かめる』リニューアル版、発売!!!!!

ちなみにこのツイート↑、一見普通の告知文であるにもかかわらず、クリア済みの方には絶妙なネタバレ内容であるのが憎いですねえ。
ともあれ、ここまで来るのには相当苦労いたしました。関係者の皆様、本当に本当にありがとうございました!

2023/7/15
なんと発売から1日で予約分を含めて、納品した分はすべて完売!

これもうエンディングのスタッフロールが流れ出す場面でしょ。現実とは思えない程に出来過ぎたシナリオや。やらせやでこんなん。
と、ちょくちょく関西弁を入れながら、いやー自分でも本当によくやった、これにてお役目はひとまず終了……といきたいところでしたが、やはりパッケージ版を手に取りたいという人には残らず行き渡ってほしかったので、すぐに追加生産を決定。8月2~3日頃から再び販売が開始されました。

2023/7/25
本編クリア以降のおまけ要素をすべて閲覧するのが難しい、という声を多く頂いたので猛反省&ヒントページを急遽作成しました。
制作当初は「逆に考えるんだ 全クリできなくてもいいさと考えるんだ」と、ジョースター卿のように鷹揚な構えでいましたが、プレイヤーの立場からすると「ふざけんなアホ」ですよね。

2023年8月

2023/8/7~8
物理のパッケージ版に続き、8月に入ってからはBOOTH、DLSiteで順次DL版が配信されました。

しかしズッ友特典って本当何だったんだろうな……。

2023/8/9
そしてそしてこのタイミングで、ファミ通.com様にて再販の紹介をして頂けることになりました…!
この時も通知欄がすごいことになっておりました。サークル一同「ファミ通効果はやばい」と語彙力崩壊だったことを、今さらながらご報告いたします。記事作成をご担当頂いた小林白菜さん、ありがとうございました!!

2023年9月

2023/9/3
DL版は全年齢ゲーム・動画カテゴリで30日間の売上1位という結果になりました! ナオミ、よくやったな。

2023年10月

2023/10/28
とめきちさんに最後のヒロインにして本作人気No.1古柄菜乃さんをアナログで描いて頂き、昇天。なおこの色紙は現在、士戸の家で立派な額と共に飾られています……家族に対しても「自分の棺桶にはこれを入れて」と言っております。

2023年11月

2023/11/15
おそらく今年最後の大ニュース、今度はファミ通本誌で『夢を確かめる』をご紹介頂けることに…!
しかも今回は本作をガッツリやり込んで下さったライター・小林白菜さんによる濃厚な紹介記事&士戸へのインタビューで構成されておりまして、もはや現実と虚構の区別が付かない状態でありんゴ(←語尾で唐突にファミ通っぽさを出してみるが、もはや誰にも伝わらないネタのような気も)。

しかし普通に人生を過ごしていて、ファミ通にインタビューが掲載されるという出来事って起こるのでしょうか? ありがてえ…ありがてえ…!
皆さん鑑賞用・保存用・布教用で3冊お買い求めください!

あと、↓ここにも書いた通り、ライターの小林白菜さんにはご苦労をかけまくりました。既にクリア済みの方にはお分かりでしょうが、とにかくネタバレ抜きに紹介するのが難しい内容で、さらにおまけ要素に至っては1つでも何か言えばネタバレになるというライターさん泣かせの仕様。
そんな鬼畜王(notランス)なゲームについて、未プレイ&既プレイの人両方に興味と満足を抱いてもらえるような記事を書かれた小林さんのライターとしての力量がとにかく凄まじいです。

実際にこちらの記事で本作に興味を持って下さった方も何人かいらっしゃいました。感無量という言葉以外出てこないですね……。
本誌で掲載されたものと同内容の記事が、現在ではネット上でも読むことができます!↓

小林さんには後にこのようなコメントも頂いておりまして、重ねて感謝です……!m(__)m

2023/11/24
さらにこれもファミ通効果としか言えないのですが、中国のゲームメディア様で夢かめを紹介して頂くということもありました。
基本的にはファミ通掲載の記事をそのまま中国語訳された文章のようですが、いかんせん中国語が分からんので確認不可能(笑)。
いやあ世界デビューか参ったなあ、明日からメールボックスがパンパンになるだろうなあウヘヘと有頂天になったものの、連絡は12/31の現時点で1通もございません(完)

2023年12月

2023/12/3
これは直接夢かめに関係しない出来事ですが、本作の「親」でもあるPCゲーム『長靴をはいたデコ』のメインライターを務められた大槻涼樹さんが、話題のTVアニメ『16bitセンセーション AL』の脚本をご担当されるというニュースが入ってきました。
当該のアニメは往年の美少女ゲーム制作を題材にしたストーリーであり、人々の熱い想いによって過去に制作された「モノ」は決して絶えることが無いという主題が、なんだかこの1年間の自分たちの動きとも重なってしまい、勝手に感動しておりました。というか、大槻さんの脚本に改めて心が震えた次第です。
(↓こちらの記事では、ライターのカワチさんが気を利かせて下さり、夢かめのことも一言触れられています…! あ、ありがたい……!)

2023/12/6
とめきちさんが夢かめのアクリルスタンドを作成して下さいました。
マジで誰が予想できたんですか…? 13年前に60~70ぐらいだけ売った同人ゲームがこんな展開になると……?

2023/12/24
これまでファンアートを数十枚描いてくださっていた、とりのさんが何と『夢を確かめる』の同人誌を作って下さいました

表紙・裏表紙フルカラーのホログラム加工、計20頁のイラスト本です。ポストカードまで付いてる!
このゲーム自体が同人制作なのに、さらにそれの同人誌って……。
マジで最高に嬉しいです、語彙力崩壊しました。こんなに最高なクリスマスプレゼントは他にありません、ありがとうございます!!

2023/12/31
――というわけで、ようやく現在まで追い付きました。13周年!

埋め込みリンク使いまくりのよく分からない振り返り記事になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
ファミ通での記事では「数奇な運命をたどった」と紹介して頂いた本作、たしかにこういう風に振り返ってみるとこの1年だけでも数奇な運命にも程があるような気がして参りました……。ドラマ性がすごいですね(笑)。
また、少なくとも、アマチュア制作の同人作品としてはほとんどの実績解除をさせて頂いているように思います。私自身も色々と踏ん張ってやり抜いたところはありますが、それでも多くの方々からのご協力とご支援が、こうした結果をもたらしたことは間違いありません。
こんなにも幸福なゲームもそうそう無いでしょう。皆様、本当にありがとうございました!!

これからの予定

長すぎる記事になってしまったので、以下は手短にまとめておきます。
無事に『夢を確かめる』リニューアル版が完成して一息ついているところですが、他に小説版の制作も予定しております。
さらにはこういう謎のチラシを作ったりもしており、運が良ければまたどこかで手に取って頂ける方もいるのではないかと。

小説版は、とめきちさんにまたもやご協力して頂き、表紙用の新たなイラストを何枚か描き起こしてもらいます。
当初は2冊を予定と書いてたかと思いますが、すいません、多分それ以上に増える……。
こうした事情により、2024年になってもまだ残留していることになるかと思います。ご関心がある方は小説版の方も時々情報チェックしてみて下さい。m(__)m
ではでは、皆様よいお年を。ここまで読んで頂きありがとうございました。2024年もよろしくお願いいたします。

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