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番外【「甲辰 静かなる岩」@大阪】

ジュリーこと沢田研二さんの経歴やあれやこれやを徒然なるままにつらつらと綴って参ります。細々とやっていきます。

Xで連載(?)しているネタのまとめです。
よろしくどうぞ。

※普段は上記のように沢田研二さんのあれこれを綴る
「まだまだ沢田研二」のまとめをやっておりますが、今回は番外編です。

#沢田研二  #まだまだ沢田研二 #甲辰静かなる岩

「甲辰 静かなる岩」正月大阪体験記

……というわけで、行って参りました

    沢田研二「甲辰 静かなる岩」
2024年1月17日(水) 大阪フェスティバルホール

えー、実は私は東京在住なんですが。
それがどうしてこの大阪の地まで足を運んだかと申しますと。

チケットが取れない😢


ということなんですね(涙)
やはり昨年6月25日の後期高齢者突入記念LIVE(違います)が大成功裡に終わった余波か。その後の「まだまだ一生懸命PART II」からチケットが取れないの何の。もう何年も前から東京でも渋谷公会堂は取れないのが当たり前になってはいましたが。
ここに来て遂に!
東京国際フォーラムホールAですら取れない!
という状態になっているわけですね。

参考
渋谷公会堂:1,956席
東京国際フォーラムホールA:5,012席

渋谷公会堂 座席数
東京国際フォーラム ホールA 座席数

ちなみに渋谷公会堂はネーミングライツにより、現在は「LINE CUBE SHIBUYA」という名称ですが。
建て替え前に某レモンジュースの名前が付いていた時、某S田K二氏が「私にとってはここは渋谷公会堂です」と仰せになられてから、私もカタクナにここを「渋谷公会堂」と言い張っております(笑)

5,000席オーバーでもチケット瞬殺って、これはもう横浜アリーナか武道館かドームでないと追い付かんのじゃないか?

「まだまだ一生懸命」TOURは長期間に亘りましたから私も数本参加し、FINALのさいたまスーパーアリーナにも行きましたから。まだ辛うじて「PART II」に参加できなくても、何とか諦めは付きました。

しかし!
この「甲辰 静かなる岩」は正月TOUR。例年、正月は東名阪のみの小規模TOURでしたから、これを見逃せば後はない! そしてジュリーファンとして「TOUR丸々不参加」等あってはならぬ!
……と、そんな意気込みでもって先行予約から一般発売まで踏ん張ったところ、ようやくどうにか確保できたのがこの日のチケットでした。
まぁ、この時点ではまさかこうしたチケ難状態についてご本人が言及するとは思いもよりませんでしたが(笑)


……てなことで、やって参りました大阪フェスティバルホール。

フェスティバルホール エントランス

フェスティバルホールあれこれ

フェスティバルホールは大阪市北区、堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲である中之島にあります。京阪中之島線渡辺橋駅か大阪メトロ四つ橋線肥後橋駅直結。京阪本線・大阪メトロ御堂筋線淀屋橋駅からは徒歩5分。
中之島ですから周辺は各企業の本社・大阪支社や大阪市役所、大阪市中央公会堂等々、政治経済文化の重要施設が並ぶ要衝の地。この施設自体が朝日新聞グループの朝日ビルディングが運営しており、同社や朝日新聞大阪本社も入居する「中之島フェスティバルタワー」の4階から8階を占めております。

フェスティバルホール 外観

初代フェスティバルホールは、大阪帝国大学理学部を経て大阪大学産業科学研究所等に勤めた音響学者の北村音一(1921~1995)の音響設計によって、1958年に誕生しました。横幅が広く勾配が急な座席配置と木材を主とした筐体内部の構造で音響が非常に優れていたことで知られます。

初代フェスティバルホール音響設計者 北村音一

その素晴らしさは「天井から音が降り注ぐ」と称えられたほど。
特に、どんなコンサートホールでも前方と後方、1階と2階では音響に差があるものですが、ここは「どこで聴いても残響が同じ」となるよう設計されていました。音響の美しさは出演するアーティストにも評判を呼び、クラシック、ロック、ジャズ、能、バレエといったように国の内外を問わず多様なジャンルの多様なアーティストがここの舞台を踏みました。

場所は現在と同じ 初代フェスティバルホール

そしてここからは多くの名盤、ライブアルバムも生まれました。
朝比奈隆の指揮による大阪フィルハーモニー交響楽団の各種作品、
ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』(1972)
マイルス・デイヴィス『アガルタ』(1975)/『パンゲア』(1976)……

DEEP PURPLE『ライヴ・イン・ジャパン』(海外では『MADE IN JAPAN』)

『ライヴ・イン・ジャパン』は日本武道館公演とミックスして収録されており、世界に「BUDOKAN」の名を広めた作品でもあります。

マイルス・デイヴィスの2作品は共に1975年2月1日の公演より、『アガルタ』が昼公演で『パンゲア』が夜公演を収録しています。合わせて「アガパン」の通称で呼ばれる、電子音楽を大々的に導入した「電化マイルス(エレクトリック・マイルス)」の集大成となった作品で、全編に炸裂する即興演奏は多大な論争を巻き起こし、ジャズの歴史に不動の名を刻みました。

アートワークは横尾忠則 マイルス・デイヴィス『アガルタ』
アートワークは田島照久 マイルス・デイヴィス『パンゲア』

個人的な話柄で恐縮ですが、私は生まれ育ちが大阪でして。
この初代フェスティバルホールにはジュリーを含め様々なアーティストのLIVEを観に足を運びました。オーケストラを聴くと顕著でしたが、残響の美しさは本当に印象的でした。
ジュリーでは、京都会館第1ホール(初代)がお世辞にも音響が良いとは言えず、音割れを感じることがしばしばでしたが、同じTOURをフェスティバルホールでも観ると、明確に「音が違う!」と感動したものです。
……ま、ジュリーの京都公演は地元として独特の熱気に溢れますので、それはそれで好きでしたが。

さて、そんな初代フェスティバルホールは施設の老朽化を理由に2008年閉館。同じ地に建て替えられ2013年に開館したのが現在の2代目フェスティバルホールです。

ホールの上に高層ビルが建てられた 2代目フェスティバルホール

現在のフェスティバルホールは、上階に朝日新聞大阪本社や様々な企業のテナントが多数入居する高層ビル「中之島フェスティバルタワー」の一部となっています。ホールの上に高層ビル、は同じ2013年に開館した東京の5代目歌舞伎座にも見られるコンセプトですね。こちらは純和風建築の上に近代ビルディングという構図が景観を損なうという批判もありましたが。

歌舞伎座の上に高層ビルはシュールな光景? 歌舞伎座タワー

初代フェスティバルホールの建て替えには、美しい音響を誇る施設の喪失としてかなり強い批判もありました。「美しい音響」は2代目の設計に当たっても充分に意識され、永田穂(ながた・みのる/1925~2018)率いる永田音響設計は入念な計算の元、現在のフェスティバルホールの音響を作り上げました。永田はサントリーホールやすみだトリフォニーホールといった、やはり美麗な音響で知られるホールも担当した日本が誇る音響設計の大家です。

サントリーホールも担当した 永田穂

こうした努力の甲斐もあり、現在の2代目フェスティバルホールも高い評価を得ており、「神様が与えたホール」と称えたさだまさしを始め、初代を愛した多くのアーティストにも引き続き愛されております。

沢田研二を観る!

さて、いよいよジュリーの大阪LIVE。
東京に住みながら渋谷公会堂も東京国際フォーラムホールAも取れず、泣く泣く(?)大阪までやって参りました。

この地でジュリーを観るのは2018年1月以来。奇しくもこの日も17日、つまりはジャスト6年ぶりでございました。此の時は50周年記念50曲1コーラスメドレーというお祭りTOURでしたので、行ける限り行こうと思って行ったのでした。ので、ファイナルのNHKホール含め普段より多めに足を運びました。鉄人バンド(+依知川伸一さん)解散TOURにもなりましたので、本当に行って良かったと思ってます。ただ、今回と決定的に違うのは。

「(取れるだけ取れるから)行けるだけ行こう」だった2018年、
「(取りたくても取れないから)行ける(ところ)だけ行こう」の2024年。

会場を選ぶ権利がない!!!
1本でも行けりゃ御の字!!!

なワケですよ今回は。
ま、だだっ広い国際フォーラムホールAの2階席後方で観るより、遠征してでも1階席で観る方がシアワセじゃない!?


……そんなこんなで自分を慰めつつ、ようやく辿り着きましたフェスティバルホール。

早めに着いたので開場前に フェスティバルホール

場内に入るとSEは近年お馴染みの井上堯之バンド&大野克夫バンド名曲集。
『太陽にほえろ!』『傷だらけの天使』『名探偵コナン』等々、名場面の数々を彩った名曲が流れております。
そして近年のエレキギター1本楽曲も。実はこの後で演奏される『根腐れpolitician』もかかっておりました。私もジュリーのみならず色んな人のLIVEに行きますが、LIVEで演奏する曲をSEにするのは初めて聴いたかも(笑)

あ、あと今回のTOURが発表されてから何気に気になっていたのが。
「甲辰」の読み方。「きのえたつ」が一般的(?)でしょうが、「こうしん」とも読みますし「こうぼくのたつ」とも言いますし。
「静かなる岩」というタイトルも、まさかアコースティック??? なんて心配(?)もちょっとありました。

開演前の場内アナウンスで「きのえたつ」であることは無事判明。
「静かなる岩」については実は未だに不明ですが(笑)
「岩」は「ROCK」のことだと思うんですが、何故に「静かなる」なのか?

会場入りして初めに気付いたのが、「旗がない!」ということ。
ギター1本LIVEが始まってから昨年まで、深紅の「JULIE LABEL」旗が下手後方に陣取っておりました。公演中もわざわざ風を送って翩翻としていたレーベル旗、別にLIVEのマストアイテムとは言いませんが、無くなると無くなるでちょっと寂しいかも……と思っていたのですが。

定刻通りにブザーが鳴り、数分経って遂に始まりました!!

沢田研二「甲辰 静かなる岩」
2024年1月17日(水)
大阪フェスティバルホール

SET LIST

1.ス・ト・リ・ッ・パ・ー
2.TOKIO
MC
3.あなたに今夜はワインをふりかけ
4.カサブランカ・ダンディ
5.追憶
6.根腐れpolitician
7.ISONOMIA
8.恋のバッド・チューニング
9.おまえにチェックイン
10.A.C.B.
11.マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
12.THE VANITY FACTORY
13.ヤマトより愛をこめて
En
MC
14.そのキスが欲しい
15.気になるお前
16.LOVE(抱きしめたい)
17.LUCKY/一生懸命

沢田研二&七福神
沢田研二(Vo.)
柴山和彦(Gu.)
依知川伸一(Ba.)
高見一生(Gu.)
平石正樹(Dr.)
斎藤有太(Key.)
すわ親治(Cho.)
山崎イサオ(Cho.)

ジュリーはラガーマンの格好で!
左右の胸には「G J」と書いてあったと思います。
Good Jobの略かGood Jijiiの略かはたまたGod Julieか(笑)

1.ス・ト・リ・ッ・パ・ー

1981年Al『S/T/R/I/P/P/E/R』&Sg

冒頭、メンバーが揃った際に。
本来はコーラスとして上手奥、斎藤有太さんの後方に陣取るコーラス2名がフロントに。あれ? 立ち位置変ったの? と思う間もなく始まりましたオープニングナンバー!!
下手から依知川⇒高見⇒すわ⇒ジュリー⇒柴山⇒山崎の順だったと思いますが、6人がフロントに並んで身体を左右に揺らす姿。やっぱジュリーはROCKやでぇ!! との思いを強く強く改めて強く感じさせた幕開けでした。

派手なドラミングから始まり、炸裂するギター、全編に亘って唸りまくるベース、とバンドサウンドの粋を集めた楽曲だといつもいつも思っております。もう、今回のバンドが始動してから音のブ厚さと迸るROCK魂にシビレっぱなしなんですが、今回のTOURも冒頭からやってくれましたわ。

……ただ、あえて難を申さば。
このバンドが始動した2022年「初詣ライブ」でもこの曲は披露されましたが。その時はもっとキーボードが聴こえたような?
斎藤有太さんのサウンドはジュリーにピッタリだと思っているので、バンド全体の音量バランスにちょっと不満を感じた幕開けでした。

そしてこの不満、実はこの曲に留まらなかったのでありました。

2.TOKIO

1979年Sg&1980年Al『TOKIO』

2022年のシングルc/wでリメイクされましたが、今回はオリジナルバージョン! 「哀しい男が吠える街」のフレーズが出て来ず、延々と「やさしい女が眠る街」だったことを覚えてます(笑)まぁね、哀しい男はいないにこしたことはない(笑)
前曲でキーボードが小さい! と思わされましたが、この曲はむしろ主役(笑)斎藤さんや依知川さんはコーラスも担当されますが、いつもニコニコ楽しそうに歌われます。鉄人バンドの皆様もよく微笑んでおられましたが、現在のメンバーも笑顔が絶えないステージングで、エンタメ性の高いこの曲をより一層、楽しませてくれます。

間奏の随所で繰り広げられる両腕を交互に突き出すパフォーマンスと、間奏終りに五芒星を描いて食べる(?)仕草は今回も健在!

MC

挨拶もそこそこに元旦の能登半島地震について触れてました。奇しくもこの日は1月17日。大阪も多大な被害を受けた阪神淡路大震災の日。
「被災された皆さんに愛とパワーを送って下さい!」と叫ぶジュリーに、能登半島を中心とした被災者の皆様へ熱い万雷の拍手が送られました。

復興には長い時間と多くの助力を要すると思います。私を含め一人一人に出来ることは僅かな力にしかならないでしょうが、被災された皆様が一日でも早く平穏な生活が取り戻せるよう、心よりお祈り申し上げます。

そして、ここで早くもメンバー紹介が。ここではバンドメンバーのみで自分は名乗りませんでした。

3.あなたに今夜はワインをふりかけ

1978年Sg『サムライ』B面&Al『思いきり気障な人生』

いつも思うのですが。MC明けやバラードの次など「一息吐いた」後にこういういきなりトップギア!! な曲をやれるのが本当に凄い。
そして! このゴージャス感あふれる曲は、2022年にこのバンドが始動してから絶対に聴きたかった曲の1つ。何せブ厚いコーラス、ブ厚い演奏、そして最初から最後までハイスピードでハイテンションなパーティーソング!! 絶対バンド映え、LIVE映えする1曲でしょ!!
そんな期待に応える厚くて熱い演奏とジュリーの美声が轟き渡る至福の時間でした。

原曲のオーケストラをギターとキーボードで補うわけですが、それが一層「バンドサウンド」としてのまとまりを強め、LIVEで聴いて楽しい! と思わせてくれます。この、歴代のバンドに合わせて元曲をリアレンジさせることが、ジュリーLIVEの醍醐味の一つだったりします。

4.カサブランカ・ダンディ

1979年Sg

コロナ禍以来封印していた「水芸」が遂に解禁!
冒頭からお祝いじゃあ! とばかりにいつもより多めに盛大に吐きまくったせいか、歌い出しが一瞬出遅れる痛恨のミス(笑)
サビではダブルサムズアップがお約束で2022年の現バンドお披露目でもあった「初詣ライブ」でもジュリー、すわさん、山崎さんのお三方が繰り広げてくれてましたが。この日はこの曲に限らずすわさんのボディーアクションが控えめでした。演奏陣も大概ながら歌い手とコーラス陣は更に結構なご年齢(笑)なのでちょい心配です。

それにしても、この曲の斎藤さんのピアノは本当にエロい(笑)
ピアノのエロさとギターのノイジーさが綯い交ぜになって生じるカオス感こそ、このバンドの真骨頂だとつくづく思います。

5.追憶

1974年Sg&Al『JEWEL JULIE 追憶』

この日のハイライトの1つ。寒い時期のせいか、正月TOURはジュリーの喉の調子が不安定なことがちょくちょくあるのですが、激唱熱唱のこの1曲、ジュリーは見事にニーナを追憶してました!(何じゃそら)
ほぼかすれなし、伸びに伸びる声は本当に衰え知らず。
後期高齢者なんですよ、ジュリーは。ボチボチ生きてるだけで元気なだけですげぇ!! って言われる年齢ですよ。それが生きて元気で美声で会場をとろかすとか、今や人にして人に非ず、やはりGod Julieだわ。

6.根腐れpolitician

2019年Sg『SHOUT!』B面

前にも言いましたが、ジュリーはバンド編成を変える度、過去の楽曲をリアレンジさせます。「LIVE」とは文字通り「生(演奏)」ですから当然のことではあるのですが、近年は特にその編成が大きく変わりました。
鉄人バンドの前後もキーボードの有無やベースの有無という変化がありましたが、やはりギター1本時代は画期的でした。この時期は過去曲をどうギター1本で奏でるのか? に毎回毎回楽しんだり唸らされたり感動したり。

一方、このバンドが始動してからの楽しみの1つが、ギター1本時代の曲がどう生まれ変わるかということ。その意味で是非とも聴きたかった1曲がここでも来ました!
流石は柴山さん作品、溢れるROCKスピリッツと絶対的にバンド映えする曲であることが此度、無事に見事に証明されました!! ギター2本にパワフルなドラムに華やかなキーボードにコーラスに、このバンドバージョンが最高です!!

そして、歌詞が微妙に変わっていました。「hey say」が「令和」になっていたのは以前もだったと思いますが、「増税」とか現在時点の不平ワードが入っていたハズ。他にも変わってたんですが、残念ながらあまり聞き取れず。
ただ、「ウゥ~ウ」とシャウトする場面があってこれがメチャクチャカッコ良かった! まぁ、歌詞が飛んだだけかもしれませんが(笑)

ただ、「増税」や「令和」といったフレーズも含めて意図的な改変が為されていることは間違いない。2008年の『わが窮状』以降、そして2011年の東日本大震災以降、直接的な政治的メッセージを放ち続けるジュリー。ギター1本時代には長期政権の首魁に向けたより激烈で仮借ないフレーズを歌い上げ続けていました。その人物は既に世を去りましたが、今もなお日本には不平が満ちている。ジュリーの怒りは続いている。そんな覚悟と熱に溢れた1曲でした。

7.ISONOMIA

2017年Sg

これまた絶対にバンド映えするだろ! な1曲。後期鉄人バンド時代(依知川さん復帰後)なのでサウンドの大枠は現在と変わりません。
ギター1本時代に聴いた時も「こんなに楽器1つで魅せられる曲なんだ!」と感動した覚えはありますが、コーラスも含めて重厚なサウンドだとより引き立つ曲です。激しい曲と重厚な曲を織り交ぜながら繰り広げられた前半戦、その「重厚」路線の中で非バラード曲という意味で、LIVEにおける重要なハイライトとなる曲だといつもいつも思います。

そしてこの曲のギターソロ、本当にギターが叫んでる! と思わされました。元々ジュリーはギター大好き人間(自分でも結構弾けるそうです)、サウンドはザ・タイガース以来ほぼ一貫してギターを中心に構成してきました(ココロ時代はやや例外)。
しかし現バンド始動後、更に更にギターが目立つようになりました!
その意味を深く感じさせてくれた1曲。

8.恋のバッド・チューニング

1980年Sg&Al『BAD TUNING』

多分、キーが半音下ってました。2022年の時はどうだったかな?
此の時はギターの音がとにかくゴリッゴリでベースもブンブン唸ってキーボードも暴れ回って爆音ドラムが炸裂してコーラスも彩りを添えて、ひたすらパニック状態のカオスが現出してましたが、今回はちょっと演奏が大人しめに。というか、全体的にボリュームを抑え気味。せっかくBARAKA全員が参加しているんだから、もう1つレベル上げて欲しいというのが正直な気分なんですが。ジュリーのボーカルがこれだけ健在なんだから。

あ、2番Aメロがまるっと歌詞飛んでました(笑)

9."おまえにチェックイン"

1982年Sg&Al『A WONDERFUL TIME』

原曲がピアノが立ってる曲なので、このバンドでも楽しみな1曲。斎藤さんのピアノって軽やかで華やかで、色気があって良いんですよねぇ。
この曲はサビで「ウッ!」と言いながら両腕を後ろに突き出す「押忍!」なアクションがあったりなかったりするんですが、今回は全般でやってました。2番サビ直前「HALLELUIAH」の後に「ハレルヤー!」って叫ぶこともあったりなかったりしますが、こちらは今回はありませんでした。

こちらも2番のAメロが盛大に歌詞飛んでました(笑)
歌詞が消えながらもメロディーは維持できるのが流石です(笑)

10.A.C.B.

2000年Al『耒タルベキ素敵』

正月TOURの定番と化しつつあるこの曲、いつからかキー下げでございます。勿論「2000年でも」のところは「2024年も」と変ってます!
……考えてみたら、この曲が出てからほぼ四半世紀になるんですね。「2000年でもくたばってない」どころか、それから25年近くを経てもくたばりもせず病みもせず、歌い続けるジュリー。
黙々と続ける凄さ、素晴らしさ。その日々の積み重ねがここまでの歴史を築いた偉大さ。この曲を聴く度に、「歴史」の重みを感じさせられます。アップテンポな曲なのでハシャギながら感動させられる、稀有な楽曲です。

タイトルの「A.C.B.(アシベ)」はザ・タイガース上京の砌、活動拠点の1つだったジャズ喫茶、歌詞にある通り今で言うところのライブハウスです。銀座と新宿に在りましたが、これも歌詞にある通りここでは新宿のこと。ジュリーには珍しい(?)自伝的要素を持つ曲で、かなり演奏頻度の高い1曲。

11.マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!

1997年Al『サーモスタットな夏』

出ました必殺パーティーソング! こちらもやはりキー下げ。元曲からコーラスが厚めなので、現バンドにピッタリ!! とにかくひたすら無闇に楽しい気持ちにさせてくれます。ジュリーにはもうちょっと食べ尽くさない方向でお願いしたい、と心の隅っこで思いつつ(笑)

ギターソロのコーラスを「はい大きな声で!」と煽ってオーディエンスに歌わせてました。普段は観客に歌わせることがほとんどないジュリーですが、これはもうみんなでお祭り騒ぎの1曲ですから!
いつも思うんですよね、この曲聴くとワイン飲みたくなるって(笑)
だからしょうがないか、食べ尽くすのは(笑)

12.THE VANITY FACTORY

1980年Al『G.S. I LOVE YOU』

畳みかけるROCKチューン!!! 佐野元春がジュリーに提供した楽曲の中で最もヘヴィーな曲ではないでしょうか?
ツインギターとコーラスが濃密に絡みつくナンバーで、やっぱりこのバンドで真価を発揮する1曲! 高見さんが加わった意義の大きさを心底から感じさせてくれます。その分、キーボードが控えめだったかな?

……ただ、あえて難を言えば。
やっぱもうちょっと音圧上げてほしいなぁと。
2022年「初詣ライブ」の時はもっと音が大きかったと思うのですが。
何より、これだけ手練れのROCK MUSICIANが集いその手腕が存分に発揮されるナンバーだからこそ!!
もう少し上のボリュームで陶酔したいという気持ちもありますです。

これもキー下げてたかな?

13.ヤマトより愛をこめて

1978年Sg&Al『今度は、華麗な宴にどうぞ。』

はい来ました心も脳もカラダも凡てがとろける名バラード其の1!
『追憶』とこれと、この日のバラードの映え方たるやもう……。
それは1にも2にもジュリーの声。もう見事な声量と甘さ美しさで酔わされました。そりゃ部分部分のかすれや高音の出し切れなさはありますよ(だから一部でキー下げてるんだろうし)。けどね、だからこそROCKナンバーで炸裂するシャウトがカッコ良い。そしてバラードの要所で響く甘さにトロけるわけです。75年モノの超熟成の逸品、まだまだ深みを増してまっせ。

ところでこれ始まった瞬間から、「あれ、ひょっとしてもう本編終り?」と焦ったのは事実。数えてたわけではないですが、明らかに曲数少ないでしょ? と感じたので。で、実際まだ13曲目だったんですよね。
しかし曲が終わると恒例の三方礼(上手⇒下手⇒正面に向いてそれぞれお辞儀)、え? やっぱ終わるの???? と焦ったもんでした。

結局はアンコールが4曲(通例は2曲)ということで、曲数自体は変わらなかったのですが。

ENCORE

MC

アンコールで出てきたジュリー、全身赤い布で包まれておりました。
あ! JULIE LABEL旗だ!! ステージに掲げずファンを寂しがらせて(?)、ここで自ら身にまとって登場とは、なかなか粋な演出ですなあ。

冒頭で着込んでいたラガーマン衣装、メットを脱いで上着を脱いでと徐々に脱いでいったんですが、ホントはもっと早く脱ぐハズだったそうで(笑)
熱さで朦朧とした、「朦朧」って字書ける? なんて笑ってました。
「ほんまは頑張らんでもええねんけどな、ついつい頑張ってしまうねん」に大拍手!!!

4月スタートの次期TOURのお話から現今のチケ難についての話題が。
何と25万の高値で取引されてるそうで!!!
……というお話は、多分この↓記事が出たからでしょうね。

ジュリー・沢田研二の人気沸騰!転売サイトで最高25万円に? ライブチケットが入手困難でファン困惑

個人的にはこういう記事は事態の解決には何ら寄与せず、むしろ徒に転売目当てのチケ獲得者を増やすことにしかならないと思うのですが。
実際、本TOUR最終公演(私が行けないヤツ!!!!!)も某転売サイトで最前列29万8千円とかいう値が付いてるのを見てしまいました。
29万8千円て……。ま、最前列ですから別格中の別格ではあるでしょうが。

私も長いことジュリーのライブに行ってますが、未だかつて最前列は取れたことがありません。お芝居ではありますが。とはいえ、ジュリーに渡るわけでもないお金を積んで、非合法の手段でもって手に入れるのは、やっぱり違うと思います。勿論、一番悪いのはその値段で売る人ですが。

まぁ、実際にチケットが取れず困っている身としては、「万やむを得ざる事情で行けなくなった人」の為のリセール自体はあって当然というかあるべきだと思うのですが、利益を得ることが目的の転売というビジネスには本当に不快感を覚えます。様々なアーティストが様々な手段で対策を講じていますが、本来的には各アーティストが個別に対処することではないように思えます。ダフ屋行為は大昔からあることですが、抜本的な解決が講じられないのは、色々と難しい事情があるのでしょうか。

……それにしても。沢田研二75歳。ここに来てチケ難とは。
ローソクが燃え尽きる前の何とかってヤツでしょうか。
本人よりファンが(失礼)

ちなみにお話の中で、閉鎖時点の澤會※会員が約1万6千人だと言ってました(笑)ま、この人数で全国TOURのチケットが取れなくなるなんて、そりゃ思わないっすよねぇ(苦笑)

※澤會(さわかい):沢田研二公式ファンクラブ。一般的なアーティストのファンクラブは会費を取って会報を発行したりライブの優先予約を設けたりファンイベントを開催したりしますが、澤會は会費永年無料。ま、その代わり特典はライブ先行予約のみですが(一時期は澤會限定販売のVHSやDVDもありました)。コロナ禍でライブ活動が停止した2020年に解散。
当時の会員には現在もTOUR開催と先行予約のDMが届きますが、先行予約は公式サイトでも告知されてDMを受取っていない人も誰でも申し込めるので特典としての意味はありません。

ちなみに。
こうしたチケットにまつわる話を続けた後で。

・そこまでして観たい人がいるのは嬉しいは嬉しい……が、反社の人を喜ばせるだけだから良くない

・前日になったら定価くらいまで下がるので、そうなった時点で買え

・根性やで

……という、大変心に沁みる有難いアドバイスを賜りました(笑)
4月から始まるTOURも(特に大都会周辺は)チケ難が予想されますが、沢田先生からの心温まるお言葉を胸に、合法の範囲内で根性出します(笑)


ちなみにMC終わってメンバーを呼び込む時、
普段なら柴山⇒依知川⇒高見⇒白石⇒斎藤⇒すわ⇒山崎、の順です。
2曲目後の最初のMCでもその順で紹介してました。

ところがここで白石さんの次にすわさんをコール!
あれ、何かあったのかなと思ったらすわさんが走って出て来ました(笑)
それでジュリーも気づいたらしく、苦笑しながら斎藤さんを呼び入れ、跪いて謝罪のポーズ(笑)「いいですいいです」と両手を振って笑いながら歩み寄る斎藤さん。いつも笑顔が素敵です。

14.そのキスが欲しい

1993年Sg&Al『REALLY LOVE YA!!』

出ました必殺ナンバー!
ほんとにこの曲好きだねジュリー。
勿論ワタクシも大好物ですが!!!
ギターとピアノがスピードに乗って絡み合うこの曲、元々演奏頻度が高い(2008年還暦記念ドームライブ『ジュリー祭り』オープニングナンバーでもある)んですが、今のバンドにピッタリなんです! 
柴山さん高見さんのワイルドでソリッドなギターに斎藤さんの軽快でセクシーなキーボード、そして白石さんのパワフルなドラミング!!
元が「バンドサウンドの教科書」のような曲ですので、これだけ大人数の剛腕ミュージシャンが集うと、こちらも本当に真価を発揮します!!

15.気になるお前

1973年Sg『胸いっぱいの悲しみ』B面&Al『JULIE VI ある青春』

1970年代の非A面曲では最も演奏頻度が高い曲では!?
とは言え今回のバンドが始動してからは初めてかな?
この曲はギターソロ、キーボードソロがあってその背後ではベースがゴリッゴリにうねります。もちろん派手なドラミングも見せ場があり、サビを中心にコーラスも必須!! 更に軽快で跳ねるようなリズムと、もうすべての要素が現バンドにピッタリ!! 聴いてるだけで飛び跳ねたくなります。実際ジュリーもぴょんぴょん跳ねて、サビでは拳を突き上げ続けます。

ジュリーは歌う時は基本的に、左手にマイクを持ちます。
ですから拳を振り上げる時は、右手を掲げます。
しかしこの曲、振り上げる時間が相当長いからか(笑)途中で右から左にマイクが渡って腕をいたわってました(笑)
ジュリーに合わせてお客様も腕を変える方が大勢。私は右手だけでやり通しましたが(笑)

16.LOVE(抱きしめたい)

1978年Sg&Al『LOVE 〜愛とは不幸をおそれないこと〜』

名バラード其の2!
LIVE終盤で聴くバラードは沁みるんだよなぁ……。
こちらでも声はかすれることなどなく、75年熟成の美声を心ゆくまで堪能しました。

17.LUCKY/一生懸命

2022年Sg

始まった瞬間、「あ、これで今日はラストだな」と思いました。
『明日は晴れる』なんかもそうですが、ジュリーの自作曲は「夕方」をイメージさせる曲が多いのです。疲れを癒す優しさとちょっぴりの切なさ淋しさ、そして明日に向けてまた頑張ろう! と思わせる明るさに満ちた曲。

ジュリーの歌詞は(特に政治的な作品は)ストレートな表現が多いのですが、メロディーは結構作り込んでると言うか、この曲は特に長尺でもありしっかりじっくりと聴き込む作品だと思います。

この日1日の楽しさ、嬉しさ、心地良い疲れ、そんなHAPPYを目一杯詰め込んで、今日もまたジュリーに逢えた素晴らしいLIVEを観ることが出来たLUCKYを目一杯感じて、多幸感に満ちた温かい気持ちでフィナーレとなりました。

メンバー

沢田研二(Vo.)

衣装はラガーマンの恰好で、最初はメットも被って顔が全く見えませんでした。始まってすぐにメットを取ったのですが……

何とジュリーの顔にメガネ(老がn以下略)が!!!
以前からポートレートではメガネ姿でしたが、遂にLIVEでもメガネっ子に!!(子???)アンコールのMCでも言及してました。随分と見やすくなったそうです(笑)
ま、冗談抜きで視界が怪しいと躓いたり転んだり事故の元ですしね。これから先は骨折一つが命取りだし(笑)
安全第一で暴れ回る為にも良い御決断、てかむしろ今までよく裸眼(コンタクト?)でやってましたよホント。
髪はそんなに長くなかったですが、おヒゲは健在。

柴山和彦(Gu.)

ROCK!!!!!
出てきた瞬間、そう思いました!
何せ黒のレザーパンツ、赤い柄(炎?)の上着に、お顔にはサングラス!!
髪も総毛立ちでちょっと色が付いてたように見えましたが……。

高見さん加入効果でしょうか? 柴山さんのROCK魂が蘇って来たようです! ジュリーはツインギターが大好きですが、今回に限らず一般的なバンドと異なりどちらかがリードでもう片方がサイドといった明確な区分はありません。曲により場面により柴山さんが前に出たり高見さんが出たりもちろん掛け合いもあったり。下山淳さんもバリッバリのROCKギタリストですから、柴山さんもROCK肌のギタリストとやるのが楽しいんでしょう!
このバンドが始まってから、一層音色がワイルドになっている気がします。

依知川伸一(Ba.)

確か上下とも黒だったように思います。
安定のニコニコ笑顔でゴリゴリベース(笑)
コーラスも含めていつもバンドを底支えしてくれます。
元はザ・ビートルズから音楽に目覚めたそうで、ジュリーのLIVEを観るとそんな依知川さんの歌心と言うか、メロディアスでハートフルな音色を感じられます。ハード&プログレッシブなBARAKAも最高なんですけどね!

高見一生(Gu.)

ROCK!!!!
……あ、いつものことか(笑)
レザーパンツにジャケットを羽織り、そしてお馴染みのサングラス。
とにかくヘヴィーなギターが印象的で、柴山さんとのツインギターの相性も最高! 緩急自在押し引き自在でプロフェッショナルの凄みをいつもいつも堪能させてくれます。

それにしても高見さんが加入してから、ジュリーLIVEのギターサウンドが一層派手になったと思います。前任の下山淳さんももちろんカッコ良かったのですが、よりノイジーにヘヴィーになったと感じられます。その分、ギターがより一層前に出て来る。そして柴山さんのギターも同様の変化を遂げたように思えます。

白石正樹(Dr.)

大音量パワフルドラマー!!!
……なんですが、何度か触れた通り全体的に音量がちょっと抑え目なもので。白石さんの本領を発揮させる為にも! 繰り返しになりますがもうちょっとボリューム上げてほしいと切実に願います。

斎藤有太(Key.)

いつもニコニコ笑顔のナイスガイ。
軽やかに舞う鍵盤がジュリーの色気を盛り立てます。曲によって鍵盤を使い分け立ったり座ったり大変そうですが(笑)様々なアプローチとパフォーマンスでLIVEの楽しさを存分に味合わせてくれます!

すわ親治(Cho.)

上でも触れましたが、全体的にアクションが控えめだったような。
そして実は、お二方のコーラスの音量もやっぱり抑えめだったんですよねぇ。折角の7人編成、本当にクドい繰り返しで恐縮ですが、ボリューム上げて!

山崎イサオ(Cho.)

ダンディですねぇ(笑)
ジュリーより年上らしいんですが、矍鑠としてピン! と伸びた背筋が凛々しい御仁です。普段のお姿を拝見するとちょっと気難しい方? なんて思ってしまうのですが、LIVE中は笑顔が溢れて「普段厳しい人が笑うと過剰に良い人に見える」現象にハマります(笑)いや、お人柄を何も知らずにこんなこと書いたら失礼ですね。

まとめと難題って何だい

とにかく2024年のジュリーも絶好調! と思わせてくれるLIVEでした。
私としては現在の七福神バンドが滅法大好きなので、末永くこのメンバーで
活動してほしい、という願いが第一。そして、彼らの技術と情熱を存分に
味わう為にも、もうちょっとボリューム上げてほしい、のが第二。

特に今回は、全体を通してキーボードとコーラスが目立たなかった。これはミュージシャンの所為ではなくミキシングの問題ですが。
繰り返しになりますが現バンドが始動してから、とにかくギターがエグくなってます。エッジが効いてヘヴィーな音が全編に亘って轟いております。これは高見さんの持ち味であり、柴山さんもノッているからだと思います。特に今回の柴山さんの出で立ちを観たからには。
そこに依知川さんの歌心ありながら唸るベース、斎藤さんの軽快でエロい(笑)キーボード、更にコーラス2名が加わり。

ザ・タイガース以来ほぼ全てのキャリアで「バンドサウンド」にこだわり続けたジュリーにとって、現バンドこそがバンドの完成形、最終形態だと思わされます。だからこそ、メンバー各員の魅力と実力を最大限発揮させる為にも、何とかもうちょっと音量と音圧を上げて欲しい。
まぁ、これを感じているのは少数派だと自覚はしてますが。

……更に、敢えて強いてたって申し上げるならば。
今回は本編13曲+アンコール4曲の計17曲。

実はジュリーLIVEの演奏曲数は、近年になって減ってきています。
21世紀を基準に考えると。

21世紀初三大都市公演(2001年1月) 23曲(本編19曲+アンコール4曲)
明日は晴れる(2003年) 26曲(本編22曲+アンコール4曲)
生きてたらシアワセ(2007年) 24曲(本編21曲+アンコール3曲)

と言った感じで、大体23曲超、公演時間はMCやアンコール待ちを含めてトータル2時間30分が基本でした。還暦以降も

秋の大運動会・涙色の空(2010年) 23曲(本編20曲+アンコール3曲)
三年想いよ(2014年) 24曲(本編21曲+アンコール3曲)
un democratic love(2016年) 23曲(本編20曲+アンコール3曲)

と、目立った変化はなく。
しかしギター1本時代、つまりジュリーが70歳を超えてから

OLD GUYS ROCK(2018~2019) 18曲(本編16曲+アンコール2曲)
SHOUT!(2019) 19曲(本編17曲+アンコール2曲)

と曲数が減ってきました。これは柴山さんの負担もあったでしょうが、勿論最大の理由はジュリーの年齢でしょう。その証拠に現バンド始動後も

初詣ライブ(2022年1月) 17曲(本編15曲+アンコール2曲)
まだまだ一生懸命(2022~2023) 18曲(本編16曲+アンコール2曲)

と、20曲を割る構成が続いています。公演時間は同じく込み込みで2時間。
正直、これから増やせとは言いません。増やせるもんなら増やして欲しいですが、それはもう難題の領域でしょう。ただ、これ以上は減らさないで欲しいと思います。

そして、これも贅沢な願い、いや難題だとは承知で敢えて強いてたって。
最近、LIVEで演る曲が固まって来てるなぁと。

ジュリーLIVEは本人が「ヒット曲は出し惜しみする」と言ってたくらい、毎回セットリストが様変わりします。例年、正月LIVEは「アルバム曲や隠れた名曲」を、アルバムTOURは「アルバム全曲と大ヒット曲少々」が基本コンセプトでした。そして、どんなミュージシャンにも存在するであろう「毎度お馴染みのこの曲」というのがありません。大体のミュージシャンは、例えば「アンコール1曲目はこれ!」とか「最後は皆さんご一緒にあの曲を!」といったお約束があって、何気にそれがファンにも一番の楽しみだったりすると思うのですが。

それは毎年毎年新譜を作っていたからでもあるのですが、聴く側としても「今年は何を聴けるかな?」という期待と「聴きたかったこれが聴けた!」という歓喜、そして「まさかこれが聴けるとは!」という感動、この混淆がジュリーLIVEに毎年毎年足を運ぶ大きな動機となっていました。

「絶対に聴ける曲は1曲もない」、これがジュリーLIVEでした。
「お約束が無いのがお約束」だった訳です。
私には、これがむしろ「最高にROCK」だと思われてきました。
だからこそ、また色んな曲を入れ替わり立ち代わり……と、思わないではないのです。

ただ、セットリストが固まってきたのは、分からなくもないです。
ジュリーの年齢、ファンの年齢を考えた時に。
敢えて言いますけど「今回を逃すと次はない、かもしれない」と。
だからこれからはむしろ「出し惜しみせず歌いたい曲をひたすら歌う」で良いんでしょうし、その結果が同じ曲ならそれも良し。

結局、同じ曲でも楽しいんですよ(笑)
現バンド始動後の曲は明確に「LIVE映え」「バンド映え」を重視していることを感じますので。

まぁ、何やかんや言いましたが。一番の願いは。
まずはジュリーが元気に歌い続けること、やっぱりこれに尽きます。

今後のこと

そして……。
既に発表された2024年TUOR。
タイトルは「甲辰 静かなる岩」。

……あれ? 今回と同じ??
今まで正月TOURは夏頃のTOURと別タイトル、別メニューだったのですが。ただ、そうすると恒例だったTOUR前の新譜リリースはなし??
東日本大震災追悼の3月11日リリースどころか、リリース自体ないの??

今のバンドで新譜新曲、メチャクチャ聴きたいんですが。
何ならフルアルバム作ってほしいんですが……。

そしてTOUR日程は現時点では7月まで。
ということは今年後半は???

謎が謎呼ぶ2024年の沢田研二。
果してどんな年になりますやら???

そして、我々はチケットを取れるのか????


……早速、最速先行は落選祭でした(涙)


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