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静物を観に行った日の事

5月の週末にイラストレーターの大庫真理さんの個展を観に行った。
東京都大田区にある古書店、タバネルブックスに向かう。

天気は良いが風が強い日だった

池上線の石川台駅で降りる。駅も初めてなら池上線も初めてだった。
駅前は高層ビルや派手なショップもなく生活の街という印象。
坂が多くて丘の上を目指して行くような道で、横浜の住宅街を思い出した。

車体が黄色で吊革が木製と洒落た電車だった

何をしているのか気になったが見えなかった

住宅街を彷徨ってまさかこんな所に本屋があるとは思えない場所にお店が現れる。通りすがりでは絶対に気づかないまさに隠れ家的なお店だった。
それもそのはずで店主の女性が実家の一階を改装して営業しているとの事。
チェコを中心とした海外の絵本やデザイン本を取り扱っているお店。どういった経緯で実家で古書店を開業する事になったのかバックボーンが気になってしまった。

杏の木が目印

大庫さんは普段広告や雑誌、書籍の装丁などで描いているが人物や風景など様々な物を題材にしている。今回は静物がメインという事で楽しみにしていた。

夕陽が強かったが外の杏の木がブラインドとなって柔らかな光が差し込んでいた
欲しい画集があったが予算が足りず
お手頃価格の本もある
風でふわふわ漂っていた

場所が場所なので客がゾロゾロ入って来るという事はないが、近所の人らしき客がちらほら来ていた。彼女は青山などの有名ギャラリーでも個展を開催しているが、そうした賑やかな場所とはまた違い落ち着いた時間を過ごせた。
デザインをやっているという若い男性が彼女に色々質問していたので、プロの現場を邪魔してはいけないと店内の本を眺めていた。欲しい画集があったが予算オーバーで結局「この世界の片隅に」を購入した、漫画の。アニメの映画を劇場で3回観てDVDを買うほど好きな作品の原作。何もこのようなアート本専門店で買わなくてもと思うがこれも出会いだ。

実家の庭に柿の木があったのを思い出した

静物と素敵な本を堪能してお店を後にする。丘の上から下るような感覚で坂を下りて駅へ向かう。建物が坂の途中に建っているので住宅の庭や神社の位置が高い。とりたてて観光名所などがある街ではないけれど、動物と子供が多い落ち着く場所だった。

犬の位置が高い
猫の位置も高い

大庫さんは産休に入るため、こうした大々的なイラストレーター活動はしばらく中断となる。
彼女のイラストのファンとしては出産を機にどのような絵を描くようになっていくのか楽しみにしている。

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