マネジメント

ドラッカーのような事は書けないし、書く気もない。自分の観測範囲の中で気づいた、マネジメントをするって事の意味を書いておこうと思う。

管理職って言われるけど、管理職ってはっきり何言ってるか分からない……、管理するって何をするんだ? 君は今日から管理職だぞ! って言われても、きっと途方にくれるはずだ。だって、管理職って何管理するかよく分からないから。

僕がマネジャーをすることになった時に、僕は自分の上司に言ったし、自分の上司からも言われて覚えてることがある。

君に人を管理する事は求めてないから、コードの管理をして欲しいんだが?

これなら出来るなと思って引き受けたのを覚えてる。ソースコード番長。それなら分かる。今、思うとこの上司は相当、聡明だよね。

ソースコードにまつわるありとあらゆることを僕はやった、レポジトリから始まり、プロジェクト管理ツールやら、フレームワークやら、技術選定やら。今でこそシニア何たらみたいな役職があるからピンとくるけど、この時にそんな事やっている人は陽の目も当たらんし、ニッチな方だったと思う。

まぁ、人とは揉めるわ、わけわからんコミットは飛んでくるわ。使い方間違ってるわ。俺も誤解してるわ、わけわからん事この上ない毎日だった。でも、楽しかったのは間違いない。今ならブラックだー!とか言われるけど、楽しく働いてたから多少の無茶や無理もした。

そんな折に、ソースコード番長の元に部下なる人がやってきてしまう。番長2とかでも良かったんだけど、それじゃ示しがつかないし。何せ新人さんだったから番長にはなれない。なっても、他の海千山千の猛者から返り討ちにあってしまうので、しゃあないので考えることにした。

色んな物語が人にはあると思うけど、始めた動機なんて意外とこんなもんだったりするんだ。そこから、しゃあないからマネジメントなるものと向き合うことになった。ドラッカーとか、カーネギーとか読んだ。よく分からん怪しい記事とか、Team Geekとか、How google works とか読んだ。困ったから。

困らないと僕は動かない怠け者なので、基本的に全部手探りだった。ただ、相手は人間だから。とりあえず、どんだけ遅くても21:00には帰れというルールだけ作って始めた。これも、今ならゴチャゴチャ言われそうだけど。

まぁ、上手いこといかん。全部、失敗する。作為的に、恣意的にやろうとした事はことごとく失敗した。本に書いてあることなんて、所詮、絵空事やと身をもって感じたもんだ。

でも、一個だけ上手いこといったことがある。それは、

どんだけメンドくさくても説明する。何十回でも言う。機嫌悪い時は、機嫌が悪いって言う。

この2つだけ。

何で上手いこと言ったんやろう?考えた。考えまくった。

で、シンプルな結論に至った。人間の感情に寄り添ってるからだなと。

機嫌が悪いから人に当たり散らすのは、基本的にしたくない。だから、その時はそっとしといてくれ。後から絶対拾うから。ド緊急とかなら仕方ないそんな感情を露わにしてる場合じゃないから。けど、そんなにド緊急事態なんてない。1時間ぐらいは待てたりするもんだ。その間に開いても残りの仕事片付けといてくれた方がいい。

説明は、分かったつもりになってる自分への警鐘でもある。説明して伝わらないって事は、己が悪いだから手を替え品をかえやってみる。駄目なら本も紹介する。一緒に探す。やってみる。これも、分からないっていうある意味、仕事する上で一番辛い所に向き合ってるからだったりするんだろう。

だから、そこからは人の気持ちに寄り添うことにした。出来るだけね。俺も人間だから、ATフィールドを完全侵食されたら崩壊してしまうので。

そこから、自分のマネジメントスタイルは決まった。

俺はオモロい事を言う。つまらないなら、何がつまらないかを教えてくれ。あとは、好きにやってくれ。出来るだけ、自由に自分で良い方法で。

と言うようになった。ここから、劇的に色んなことが変わった。変えてくれた。正確には俺は干渉することを辞めただけ、説明が必要になったら何千回でも説明する役割に変わった。悩んでたら、一緒に飲みに行ってお金払ってくれる人になった 笑。

チームのパフォーマンスとかを科学的に考えると、ツールやら方法論や、成功をなぞりたくなる。でも、どう成功するかをきちんと見てあげるのが、マネジメントだったりもする。勿論、クソめんどくさい他の業務もあるよ。

でも、人間が一番。人間を見てあげることがマネジメントの本質で、それが色んな言葉で語られているだけだと思ってる。

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