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蔵出し:「Trip to Denver(デンバーへの旅)」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第28回)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
  『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
         (1999/9/3発行) 第28号 (火・金曜発行+日曜版)
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 先月末約10日間、デンバーまで車を飛ばして行ってきました。私たちが乗っているのは、昨夏貯金を叩いて買った1991年式スバルのジャスティーとい
う中古車で、今回初の遠手となりました。デンバーまで丸3日、そこでは数日、10数年前に日本で知り合ったアメリカ人夫妻宅で過ごし、帰り道は世界で初めての国立公園、イエローストーン(Yellow Stone) など少し寄り道をしながら帰ってきました。今回走った総走行距離は3700マイル(約6170km)。やはり半端ではなく遠かったです。今日は、この旅で体験したいくつかの逸話をトピック別にお伝えしたいと思います。

◆本日のテーマ「Trip to Denver(デンバーへの旅)」

・トピックその1「ここでも発見!犬と旅するアメリカ人」

 このタイトルでピンと来た方は『アメすん』を第1号から読んで下さっている方でしょう。車に、部屋にまるで人間と住むかのように犬を住まわせているアメリカ人を見かける、そんな逸話を第1号でお伝えしましたが、今回、オレゴン州以外にユタ、モンタナ、アイダホ、ワイオミング、そしてコロラドの各州でいずれも「犬と共に車で移動しているアメリカ人」に遭遇しました。
 町で、キャンプ場で、やはり犬を車に乗せている人を見かけることは少なくありません。実際、フリーウエイの各休憩所には「ペットエリア」という長距離ドライブに疲れたペットを遊ばせる場所が完備されていました。

・トピックその2「デンバーの街にて」

 デンバーではもちろんダウンタウンにも行きました。いつも思うのですが、こういう都市はバスのシステム、町の作り、通りの名前等どこも似たような感じで私には余り違いがよくわかりません。ただシアトル、サンフランシスコ、ボストン、ポートランドなどこれまで見た都市とデンバーが決定的に違ったのは、大抵の大都市には存在する「チャイナタウン」がなかった、ということでした(チャイナタウンは、旧ソ連時代のモスクワにもあったらしい、、、)。
 なお、ダウンタウンでは日本人女の子二人組が揃って「厚底靴」を履いて歩いている場面にも遭遇しました(日曜版1号のテーマでした)。 

・トピックその3「旅と言えば、おいしい料理、、、?!」 

 といかないのがアメリカです。日本でならば、地方色豊かな食事が旅の楽しみの一つですが、アメリカでは本当にどこでも同じ食事、ハンバーガーにオムレツ、Fish & Chips、とその地方らしさ、というものが余り感じられません。
 加えて外食は量が多すぎる、脂っこい、おまけに高くつく、ということで、夕食はほとんど地元のスーパーのお惣菜コーナーでポテトサラダ、野菜などを購入し、モーテルで食べるという毎日でした。おかげでうちのダンナは10日間で体重が5ポンド減ったと大喜びでした。(私はなぜか変わらず、、、)

・トピックその4「1泊20ドルのホテルは、やはりスリル満点」

 毎日の宿泊場所はいつも行き当たりばったり、日暮れ間近になったところでそこらのモーテルに飛び込む、これが私たちのいつものパターンです。2人で一泊30~40ドル程度に抑えていたのですが、一度、観光地のモーテルに泊まらざるを得ず、この時は一泊55ドルもかかり、その翌日は何とか前日の出費を取り戻そうと、その町で一番安いホテル(モーテルではない)に泊まりました。
 ホテルのドアを開けた瞬間、中のロビーでは煙草をモクモクと吸ってたむろしているおじさんたち。流石のうちのダンナも「ちょっとここ危ないかも、、」という程の所でした。トイレ、バスルームは共同、トイレに行く度にダンナに付いていってもらうという、お子さま状態で、無事一夜を明かしました。

・トピックその5「昼食は自然を満喫しながら、、、」

 食事には期待できなくとも、自然の豊かさは満喫できるのがアメリカです。加えて特に自然の多い所にはキャンプ場、休憩場が完備されており、ピクニック用のテーブル、椅子が見晴らしの良い丘の上、川辺などに設置されています。天気の良い昼間にわざわざレストランで食事をするなんてもったいない、これらの野外施設を利用しない手はありません。そこでまたまた、スーパーのお惣菜コーナーでサンドイッチなどを買い込み、外の気持ち良い空気を満喫しながら毎日のお昼を楽しみました。お昼の後は、時間があればダンナは川で釣り、私は川辺で本を読んだり、うたたねをしたり、のんびりと時間を過ごしました。

・トピックその6「行けども行けども、、、」

 アメリカ国内、これだけの長距離を車で旅するのは実は今回が初めてでした。その感想を一言で表わせばやはり「行けども行けども」でしょう。かつて日本で東京から北海道の宗谷岬まで250ccのバイクを飛ばして走った経験を持つ私ですが、やはりアメリカは比べ物にならない程「広い」本当にこの一言に尽きます。よく地平線を見ながら走る、などと言われますが、確かに日本で見ていた車のコマーシャルなどでおなじみのシーンが本当に延々と続くのです。時には砂漠地帯、時には緑のなだらかな平野、最初は「わー」と思っていてもあれだけ続くと、最後は「まだ続くのお?」という感じでした。

 それでも、生まれて初めて見た地平線に沈む夕陽は流石に感動的で、車を道路脇に止め、二人でしばしその場にたたずみました。   (つづく)

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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