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Philip Perkins - Drive Time

1985年のアルバム。その後、一層アンビエントスケープやフィールドレコーディングを極めていくPhilip Perkinsの初期の作品は、フィールドレコーディングとローファイエレクトロニクスのレイヤー構造によってアルバムが成立している。ヴァンダイクパークス的なフィーリングもあるが、一方でVaporwave以降という視点で新しいリスニング感覚も得られそうなアルバムだと思う。とても面白い。

At Home and Awayは、シンプルな波長のアナログシンセサイザーの発振音にトイ楽器風の生演奏が加わる。インプロビゼーション的なアプローチも感じられるが、各パートが各々に持っているテーマを奏でているようにも思える。

Mechanical Piano Paradeは、ヴァンダイクパークスを思わせるノベルディソングの雰囲気のあるピアノと通りの喧騒が入り混じるノスタルジックな楽曲だ。手前の楽曲、Ellaの静かなアプローチから賑わうこのトラックへの流れはとても映像的な感触を受ける。

Hotel TV (LA)は、そのタイトルからロードムービー的なノスタルジアを感じるが、楽曲は廃すパーティーのアカペラを録音したような雰囲気を持つ。この曲自体が何かの引用なのかもしれないがそれは分からなかった。1960年代後半のブライアンウィルソンのアメリカーナ的なアプローチにも近い感触がある。

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