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5mm - チミを知りたいのさ

2024年の本作は、2021年の1作目から数えて4作目になる。アルバムタイトルは初めて邦題がついた。またカバーアートは収録曲のタイトルをモチーフにした10種類のイラストが配置されている。メンバーのねこっぱちさんのnoteで本作の紹介と合わせてバンドの全曲作詞作曲をすべてこなしているホリオタダシさんを構成する42枚という事でアルバムが42枚紹介されている。それらはオリジネイターと言われる事の多いミュージシャンと並んでそのフォロワーによるミュージシャンの名作が多くピックアップされている。この点は非常に興味深い。

タイトル曲、チミを知りたいのさは、強めのビートの英国気質あるグルーヴとピアノが牽引する変拍子で5mmらしいプログレッシブポップが展開する。コーラスに覆われたサビの転調とその後の不穏なピアノとギターフレーズによる間奏のつながりがとても印象的だ。

天才は、ゆったりと続く長音が1980年代のポストパンク系バンドによる1960年代のサイケデリックポップへの憧憬を思わせるアプローチが素晴らしい。メロディーの起伏をワンコードの中でサイケデリックに展開させていく歌や浮遊感あふれる間奏のギターソロから、終盤にかけては1990年代のUSインディーにも通じる世界観に移り変わる切り替わりが見事だ。

スモーキングディナーは、アコースティックギターの質感が素晴らしい。沈み込むようなスネアや乾いたエレピに柔らかなストリングスが混じり合うカラフルな世界観が心地よい。中盤のリズムチェンジと力強いコーラスからギターソロへと続く構成や、オクターブをはさんだボーカルメロディーなどパートごとに対になるアレンジが示されている。とても印象的な構造だ。


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