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Mario Castro Neves & Samba S.A. - S/T

プロデューサー、マリオカストロネヴィスと、その兄弟のギタリスト、オスカーカストロネヴィス率いるSamba SAによる1967年のアルバム。細やかなコーラスアレンジと躍動感あるブラジリアングルーブが心地よい作品だ。

Candomlbeは、プリミティブなアフロジャズを思わせる低音のピアノと抑制されたドラムから入るがコーラスの登場で一気にラウンジ度が増す瞬間が素晴らしい。その後はブラジリアングルーヴを押し出したアップテンポな展開が美しい。間奏のピアノのブロックコードとリズムの組み合わせは度々サンプリング引用されているフレーズだがとても心地よい。

Nanaは、スキャットから始まる細かなパッセージを含めて躍動感がとても素晴らしい。ここではオスカーによるボッサギターが美しい。中盤にギターをバックにしたマリオのピアノソロが入るが、ブラジリアンボッサ色強いギターにジャズテイスト溢れるソロをかぶせる組み合わせがとても良い。兄弟の幅広い音楽性を楽しめる瞬間でもある。

E Nada Maisは、ポップなメロディーと下降するコードを生かしたアレンジが静かに響く。どの楽器も細かなパッセージを淡々と弾き続ける中で時折入るピアノの3連符や、スキャットの高音などラウンジに収まらないグルーブがとても面白い。一方でギターとピアノのユニゾンのバッキングなど繊細さ等、穏やかだが振れ幅をもった楽曲だと思う。

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