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BADBADNOTGOOD - Talk Memory

前作ボーカルアルバムに続いて2021年にリリースされた本作はインスト作品になっている。本来のアプローチに近いのかもしれない。ジャムセッションのような雰囲気を保ちつつ細かなエディットが加えられており、スピリチュアル、フリーからメロウソウル、エレクトロニカまで自在に表現を打ち出してまとめていく壮大な仕上がりだ。

冒頭のSignal from the noiseは、Floating Pointが参加していることで話題になった。スピリチュアルジャズアプローチにエレクトロを織り込んだ中盤からの流れが素晴らしい。タイトル通りノイズの入り混じったサウンドが印象的だが全体としては緩急の行き来が素晴らしい。

Beside Aprilは、Arthur Verocaiのアコースティックギターとストリングスアレンジでトロピカリスモ色の強い前半部分を過ぎると徐々にバンドの強めのフレーズが入り混じる。ドラムを含めて全体で奏でるリフ、ギターの単音インプロビゼーションを含めて非常に複雑な作りだが前半部分のトロピカリスモがどこか全体を覆っていてシーンが切り替わる度にリラックスする瞬間があるのが面白い。アルバム終盤の同曲Repriseではさらに流麗なピアノとストリングスによる室内楽的アプローチが美しい。

Talk Meaningは、ベースラインとライドシンバルから始まる。緊張感あるバンドの演奏に穏やかなストリングスの組み合わせがとても印象的でクロスオーバー感あるジャズに仕上がっている。後半、バンドの演奏が止み、最後はブBrandee Youngerによる流麗なハープがメロディーラインを辿る静かなアプローチで終わる。

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