記録001

まずまちがいなく、鬱ですよ。と言われて、ちょっと驚いてしまった。一人だと眠ったり、食べたりすることがうまくできなくなるのは、そういうレベルのことなのかと思う。

今は寝て、食べて、それができるようになってから、これからのことを考えなきゃいけないよ、そうでしょ?って言われても、それが正しいことなのかどうか全然ピンとこなかった。こういう、相手に確認するようで、ただ結論を示しているだけの言い方は怖くて、圧迫面接みたいなので、泣きながら話をきいて、やっとの思いで返事をした。甲状腺の主治医くらい怖い先生だった。女医さんのいるクリニックにすればよかったと少し後悔した。最後に、処方しますけど、薬は毒ですからねと忠告される。食後に薬を飲むということは、ご飯を食べなくてはならないということなので、食べる理由があるのは、助かると思った。食べる気がなくても、食べなくてはならないことにしてもらえれば、気分が楽でいいと思った。

この数日間ずっと仲の良い友人たちに会っていて、一緒にご飯を食べたり、遊んだりして、夜は少しでもたくさん眠ることができたのは、ありがたかった。私はうまくふるまえていたのか。外食をしても、自分が何を頼んだのか、何を買ったのか、うまく覚えていられなかった。道や忘れ物を教えてもらった。私はうまく話し、うまく笑っていられたか。振り返ってみても、よくわからないと思った。

道中ではとても気分の高揚することがあって、でも、いつもだったら、もっとたくさんのことばや、気持ちや、色彩や、そういう感覚が自分のなかに生れてくるはずだったのに、ただただ頭は空っぽになって、それが今は、一番かなしく思う。今日も、クリニックの診察室にある絵画が、とても力があるように見えて怖かった。あとはなにも覚えていない。

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