記録012

 新年度がはじまって、わたしは大学院を休学している。
 理由はいくつかあるが、どれもここに書くにはふさわしくない。私がとても傷ついてしまったことと、それを誰にも言えずに心身を壊したことと、それを誰かに初めて話すのはできていることだけが、知ってもらいたいことだった。誰かを頼りたかったことや、聞いてほしい話なんか、私にはなかった。慰めのために聞いてほしくなくて、聞いてほしい人には言えていた。それだけでよかった。私には、大学の名前がとてもとても重かった。あまりに背負わねばならない場面が多すぎて、それがとてもつらかった。
 今日は年金の手続きのために、久しぶりに大学の名前をボールペンで書いたけど、手が笑ってしまうぐらい震えていた。いまはまだ、名前をみたり聞いたりするだけで心がざわついている。4月に入って休学できて、正直とても心が楽になった。やっと荷物を降ろせたような気持ちがする。
 いまは勉強以前の問題として、まったく本が読めないということもある。もともと読書家ではなかったけど、長い文字列を見ていると目がすべって、とても頭が疲れる。そう思うと、Twitterはとても〔今の〕私に向いている。思ったことをすぐに書き留められて、かつ140字の制限がある。
 私自身は、この選択を「停滞」あるいは「ドロップアウト」のようにとらえてはいない。一日も同じ場所にとどまり続けることはできない。わたしは「休学」という道を選んで、それを進んでいるような気分でいる。
 
今後は、手帳の取得を視野にいれながら、せっかくの長期空白なので、首都圏でインターンをしてみたい、とぼんやり思う。京都エクスペリメントもいい。静岡でできればそれもすばらしい。でもその前に、アルバイトをしなくてはいけない。

休学して、一つだけ非常に困っていることは、奨学金が止まったことだ。

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