平成は終わり、わたしは大学院を辞めた

 タイトルの通りだ。わたしは本日をもち、大学院を中退する。手続きはおそらく済んでいるとおもう。本当は、退学ではなく除籍がよかった。
 「除籍」、「抹籍」というのはどちらも退学の一種であり、大学側による処遇を示す。除籍は今回の私のように期日までに復学手続きを行わなかったり、学費の未納が続く場合などに、それまでの取得単位などと含め大学内での履歴が削除される。抹籍はさらに重大で、たとえば罪を犯した場合などに下される処分であり、入学まで遡ってすべての記録が消去される。除籍の場合はたいてい入学の記録だけは残されており、未納金を支払うなどすれば復学できたり、再入学の際の一部試験が免除になる。わたしはもちろんこれらの事情を知っていたが、何度も何度も何度も不在着信を受け、メールで三行半を叩きつけたつもりがさらに追い討ちで電話はなりつづけ、とうとう速達で退学届を送り付けた。
 わたしはあの大学の、こういう、「無神経な善意」が、ほんとうに吐き気を催すほどに大嫌いだった。彼らは私の無知を愉そうと、わたしの不利を排除しようとして、結果わたしのなかのありとあらゆる神経を逆撫でする。何かを申請する時、誰にでも見えるところにある記入簿に個人情報を隠すための気遣いがないのがすごく嫌だった。就職状況を提出していない人の名前が学内に掲示されているのがすごく嫌だった。学費の納入が遅れている時、わたしの許可なくそれを教授という第三者に伝えていたのが本当に本当に本当に嫌だった。毎回一生懸命訴えたのに一つも改善されなかった。退学届だって書面は退学願という名前なのが本当に嫌だ。なんで私が誰かに許可をとって休んだり辞めたりしなくてはいけないのだ。わたしの個人としてのプライバシーは、自由は、尊厳はどこへ行ってしまったんだ。
 あの大学にいて、心地よかったことなど一度もない。だから大学に居たこと、入学したこと、もう全部消して欲しいのだ。除籍にしてほしいのだ。もう縁を切りたい。金輪際関わりたくないのだ。いつもいつも衝突し、学務中に顔と名前が知れ渡り、なにかひとつ謝りにいくとさらに違う係からまた謝らなくてはならない事案が返される。わたしの生活は、日を追う事にうまくいかなくなっていた。課題やTAの仕事をするためにはアルバイトなどしている場合ではなかったが、その先には貧困しか待っていなかったので、毎日がどんどん希薄になっていた。食事、風呂、睡眠、最低限の生活がままならなくなり、とうとう眠ることができなくなって、わたしの最後の学生生活は終わりを迎えた――????冗談じゃねえぞ!!!!!!!!!
そんなバッドエンドがあってたまるか!!!!!!!うつになったからなんだ??!? 薬を飲まないと普通の人間のようになれないからなんなんだ?!?!? 最近「日本人は世界で最も自分の容姿に自信がない」というニュースをみたけどすっぴんに自信がないからなんなんだ????!!!!??!
 そんなの化粧をして生きていけばいいだけの話だろ!!!!!!!!
 わたしだって化粧をすればかわいいし、人よりできないことも多いができることだってたくさんあるし、薬さえ飲んでいればみんなと同じように生きていけるじゃないかそれでなにがダメだっていうんだ、うつが治るかどうかなんかもうどうでもいいそんなの知るか!!!!!!ガンと共に生きる?!?! **どうでもいいわうるせえクソ!!!!!! **一生薬飲まないといけなくてこれから先ずっと献血も治験もできなくても死ぬことよりずっとずっとマシに決まってんだろうが!!!!どんなことが起こったっていま死ぬよりは全然いいに決まってるんだよ!!!!大学院を辞めたぐらいでわたしの何が揺らぐというのだ!!!!だからあの大学に入った記録が残っていたところで何の問題もありはしない、ありはしないのだ!!!わたしの人生は私が選びとってきた、これまでも、これからも、自我を持ったわたしは強いんだよ!!!!!!

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