記録023

 滞りなく、というほどではない程度の迷惑をかけ、二ヶ月の派遣が終わった。ここ二ヶ月ほど、週末はほとんど家におらず、でかけたり友達と会ったり帰省をしたりしている。とてもこころよく過ごして、生きているのが楽しかった。
 きょうは久しぶりの、なんにも予定がない月曜日だった。眠りについたのは4時すぎ、起きたのは14時半、布団から出たのは17時を回っていた。ゾッとした。遊びの予定も仕事もないと、わたしはすぐに「こちら側」に引きずり込まれてしまうのだと知った。無気力で、感情も思考も明かりもない部屋でじっと横たわる、死んでいるのと同じ《なにか》になる。そういう時間は、なんにもないからとても楽だ。そうしてさえいれば、それだけがある。善も悪も快いも不快も喜びも悲しみもない。疲れる感情は何も無い。何もない、そういう空間に、わたし自身が取り込まれる、あるいは、わたし自身がブラックホールになっていくような。
 虚空との対峙はとても疲れる。ずっとそう思っていたし、事実指一本動かすことでさえ、そういうときにはひどく重労働だと思う。けれど、ふと「風呂入るかあ」と声に出してみた。そうしたら、いとも簡単に、わたしは立ち上がった。

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