記録025

またルルカを失くした。これで何度目になるんだろう。あんな薄いカード1枚、どうしてきちんと管理していられないんだろう。改札を出た時には確かにあった。だって改札を出たのだもの。それからどうしたのか全く覚えていやしない。きっと適当にポケットにいれて、だからその辺で落ちてしまったんだ。チャージしたばかりで、明日の電車賃が入っていた。もちろん大した金額じゃない。けれど、やっとできるようになってきた「明日のために準備すること」が、自分の行いでパアになってしまったことが本当に、本当に、本当にどうしようもなく情けない。腹立たしい。やるせない。こんなことも満足に出来ないまま、25年を過ごしている。切符を買って電車に乗りこみ、急ぎApple Musicを起動する。一時の気休め剤としての音楽。車掌の引きつったような猫なで声がとにかく耳障りで、聞いていたくなくて、でも音量をあげるほどの気力もなくて、耳栓のようにイヤホンを押し込む。イヤホンをさしているだけで音楽をきいているわけではない、ということは、私にとっては実はよくあることだ。そうしないと注意が本当に散漫になって、人より早く疲れてしまうから。とにかくお風呂に入って、明日の準備をしなくてはいけない。電車賃はパアになってしまっているのだから。

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