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家入一真さんにたっぷり2時間取材しました!!part1

やさしいかくめいラボのメディアチームで、ラボのメンバーが疑問に思っていることや家入さんについて知りたいことについて2時間たっぷり取材してきました!

これを読む前に忘れて欲しくないことは、家入さんの考えは正解とは限らないということです。でも家入さんの考えに触れて参考にできることや考えさせられる部分はたくさんあるはずです。ラボのメンバーやラボに興味を持っている方はもちろん、家入さんの考えが知りたいという方にも楽しめる内容になっていると思うのでぜひ読んでみてください!


ー家入さんはやさしいかくめいラボを若者の居場所になって欲しいという思いもあって作ったのだと思うのですが、なぜこのコミュニティーを作ったのかをもっと詳しく聞かせてください。

そのようなコミュニティーを作る構想は以前からあったけれど、忙しくてなかなか作れなかった。昨年末にやっと時間が空いたので今のうちにできることをやろうと思って作った。じゃあなぜ作ったのかっていうと、リバ邸とか完全無料のプログラミングスクール『青空学区』などのような若い子を対象とした居場所づくりの取り組みはこれまでにも色々やってきていて、最終的に行き着いたのが僕が場を作り、仕組みづくりまで全部関わっていき、ある程度回るようになったら僕が抜けてっていうやり方だと居場所を作っていくペースがすごく遅い、かつ多様性にかける。要は、僕を中心に集まってくる場所だと僕の色とかがどうしても入ってしまう。それは仕方ないとは思うんだけどもっと多様性のある居場所を作ろうとした時に、僕以外の人が居場所を作るサポートをしたりとか、あと居場所を作る人たちを作っていかなきゃいけないなと思ったんですよ。僕が作るだけだと広がりが生まれないので。「やさしいかくめい」を起こす人たちを育てていくというか、集めてその中から「やさしいかくめい」が生まれるような場所を作る必要があると思っていて、そういった次世代の場所を作る人たちを育てるような取り組みは前からやりたかったということですね。

ーそれで若い世代には「やさしいかくめいラボ」という場所を作り、その次に「寺子屋いえいり」を作ったんですね。

そうです。寺子屋は寺子屋でこれもまたずっとやろうやろうと思ってたんだけどなかなかできなかった取り組みで、僕自身もまだまだ何も知らないしまだまだ学んでいきたいことがたくさんある。それを共に学んでいけるような仲間たちを集めたいっていうのが寺子屋です。まあ別に全部一緒でもいいんだけど、いろんな形を試しているみたいな感じ。やさしいかくめいラボでは(何度か発信したことなので知っているとは思うけど)あまり僕の方からこうしようとか言わないようにしてたつもり。なぜかっていうともちろん言い出しっぺだからどういう思いで作ったとかどういうことを大事にしていこうとかそういうのは最低限出していくけども、ルールをどう作っていくかとかどういう自治を生んでいくかとか、そういう仕組みづくりみたいなとこはなるべく僕は口を出さずにみんながどういう風に振る舞うんだろうなというのを眺めていたつもり。どうしようもなく揉めてるとか荒れてるとかっていうときはまあ、こうしようああしようっていうのはアドバイスしたこともあるかもしれないけど、基本的にはみんなどういう風に立ち振る舞うんだろうっていうのをみさせてもらったかな。やっぱり荒れたりすると抜けちゃうって子もたくさんいるし、ログインしていない人もたくさんいるし、だけどそれでもまだ踏ん張っている子達もいるし、もしかしたらまた戻ってくる子もいるのかもしれない。一つ言えるのは、一回荒れたからとか一回ミスったからとかで全然終わったとか思わないし、このやさしいかくめいラボの取り組みは僕は全然短期で考えてないので、これが5年10年ってなったきた時に、そういえばそういうこともあったねっていう笑い話になるんじゃないかなって思う。あとはまあ、ここで集まったみんなが勝手に飛び出して新しい活動を始めても全然いいし。

ーできる限り少ないルールでやりたいと言っていましたね。

うん。だって僕がいうともう正解みたいになっちゃう。家入さんがそう言ってるからそうしようみたいになっちゃう。それって全然僕が目指したかったものではない。

ーやさしいかくめいラボを、「少人数からじわじわ増やす」ではなく、一気に多数を集めた理由があったら教えてください。

別に一気に集めたつもりはないんだよね。やさしいかくめいラボは最初から、このラボに入る想いみたいなのを一人一人書いてもらってからはじめて入れるようにしていて、自由に入れるという場所にはしなかったし、一気に集めたつもりはないがツイッターで発信したら想定以上の人数が集まった。初日の段階で800人くらい一気にきちゃった。そこから少しずつ増やしていった。まあでも一旦わっと増えてわっと荒れるというのは想定はある程度できてたので、それを含めてみんながどう動くのかをみたかった。そりゃあね、少しずつ増やしていくっていうやり方もあったんだろうけど、それだと本当に限られた人しか入れない。こういう場所を待ってたという人たちがたくさんきて、入りたいのにどうしても入れないという飢餓感を煽るようなそういうコミュニティの作り方ももちろんある。だけど、一旦増やして一旦制限かけて様子を見るというやり方を今回は取ってみたという感じ。

ー家入さんがやさしいかくめいラボのメンバーに主体的に動いて欲しいということをおっしゃっていましたが、さらに求めていること、これやってくれたらいいなあみたいな願望はありますか。

まあ、いろんな参加の仕方があっていいと思うんですよね。「自分は一つのチャンネルを読んでるだけです。」という人もいると思うし、「発言を積極的にやります。だけど運営には関わりたくないです。」という人もいるかもしれない。「運営に積極的に関わっていきたいです。」という人もいるかもしれない。ただ、それぞれがそれぞれの関わり方でコミュニティをどうしていこうかという視点を持って動かないといいコミュニティになっていかないはずなので、例えば「このチャンネル全然発言ないよね〜。」みたいに他人事のように言うのは僕はあんまり良くないなって思う。「いつもみてるんだけどなんか最近発言ないからつまんないよね〜。」みたいな他人事のようになってしまったら、終わっちゃうじゃないですか。発言がないなあって思ってるんだったらなんでもいいから自分が積極的に発言するとか誰かの発言にコメントしていくとかやり方は色々あるはずなんだよね。「雰囲気最近悪いよね〜。だから最近あんま見てない。」とか言うんだったら雰囲気をもっとよくするためにやれることだってあるじゃないですか。別にみんながみんな運営にならなきゃいけないという話じゃなくて、やさしいかくめいラボの愚痴を言い続けながら居続ける場ではないよねってすごく思う。なんかそんな場に入りたかったのかなみんなって思っちゃうし、そんな場にしたかったわけじゃないよねって思っちゃうんですよね。こうあってほしいってことはサイトの方にも書いてる優しくありましょうねってことだったり、誰かのこと悪く言わないとか、言葉遣いに気をつけるとか。同じことを言うにしても言葉遣い一つで伝わり方って変わるじゃないですか。ほんとはこういうこと伝えたいのに誤解を生んで伝わらないってのは結局伝えようとした方が損をするわけですよね。勿体無いじゃないですかそれって。言い方を変えたらもっと伝わったはずのことが伝わらなくなってしまうというのはすごく勿体無いことだと思う。そういった言葉遣いに気をつけようねとか最低限のことを大事にしていけたらいいんじゃないかなと思います。

ー以前「やさしいかくめいラボでは自分主体でなく、各リーダーは立てるがみんなで考えて進めてほしい。」とおっしゃっていましたが、会社経営の場合はトップダウンで進めることが多いですか?

ケースバイケースって話になっちゃうんだけど、そうだね。ヒエラルキーじゃない自立分散型の組織が色々あるんですが、スタートアップのベンチャー経営って走りながら右行くか左行くかみたいなことを判断しながら走らなきゃいけないから、昨日まで右って言ってたけど今日は左ってことがすごくあるんですよね。最終責任をとっている僕が右って言った時に一気にみんなで右にいける、左って言ったらみんなで左に行ける組織を作ろうとしたらどうしてもヒエラルキー型の組織になってしまうってことはあるかなって気がする。でもやさしいかくめいラボは別にそういう組織ではないので僕がトップにいてっていうヒエラルキー型のものを作りたいわけではないし、会社経営においてもヒエラルキー型の三角形の組織が本当に正解なのかというのも未だにわからない。ただ、ベンチャーがスピード感を持って機動性高く走り続けられる仕組みとは、今のところはそういうヒエラルキー型の仕組みになってしまうっていう感じかなあ。まあもちろんだからといってトップダウンで僕が常に命令しているわけではないし、その三角形の中でもそれぞれがそれぞれの裁量を持って責任を持って判断して動ければ、全然上から押し付けるみたいなことをせずとも組織というのは回っていくかなという気はする。時にはやっぱり大きく軌道を変更する、例えば今までこういうことやってきたけど、明日からこういうことやりますっていうことをトップダウンでやることだってある。

ー変な話なんですが、もし家入さんがやさしいかくめいラボのメンバーとしてやさしいかくめいラボに入ったら何をしていたと思いますか。どんな取り組みをしていたと思いますか。

ぶっちゃけになっちゃいますが、きっと既存のコミュニティに属せないから自分で立ち上げてきたっていう経緯があって、やさしいかくめいラボにもしかしたら入ってなかったかもしれない。特にみんなが入ってたりすると余計、あまのじゃくになってなんかほんとは入りたいんだけど、入ってたまるかみたいなこと思ってたかもしれない。元も子もないけど(笑)。入っていたとしたら、もしその中に不満があって不満を解決していけるのであれば解決していく側にいただろうし、ここにいてもダメだわと思ったら飛び出していたと思いますね。もっと軽やかでいいと思いますみんな。なんか一度入ったからには居続けなきゃいけないって思っちゃうと不満とかを我慢するみたいな話になっちゃうじゃないですか。別に我慢させたくてこの場を作ってるわけじゃないので、我慢するくらいなら飛び出すっていう選択肢もあるよと。ただ、運営チームの子達とかは本当にいろんな不満を聞きながらとかもっとこうしたらいいとか本当に見えないところで頑張ってくれたりもしてて、そういうのをもっとわかってあげられるといいよね。ラボに限らず会社もそうだしいろんな仕組みがそうだけど、表に出ない地味なところで実は頑張っている人たちの存在によって成り立ってるものってたくさんあって、でも人間は見えないものに対しての感謝とかありがたみってやっぱり感じないじゃないですか。まあ気づかないってのもあルシ。そういう時に実はそうやって裏方でやってくれてる人たちがいるってことをちゃんと知ることとか、一つ発言する時にも実はそういう人たちがいるんだよっていうことを忘れてしまうと刺激の強い言葉を発したりもするじゃないですか。優しくなくなっちゃいますよね。なので、もし本当にそういう不満とかあるんだったら不満を解決する側に回るか、違う場所を探すかの二択なのかなという気もしますけどね。

ー家入さんにとってやさしいかくめいラボのメンバーとは。
弟子という意識はなさそうに見えますが。

んー、弟子とは思ってないですね。できれば対等な立場でありたい。年齢はもちろんだいぶ離れているし、まあある種の経験は僕の方がしてきているはずだから、アドバイスとか意見をする側に回ることは多いと思いますが、出来るだけ一対等な人間として接したいなと思っています。弟子とかそういうふうにはは思っていないですし別にそんな存在欲しいとか思わない。だから自分はこう思うといった意見とか僕は嬉しいんですけどね。でもやっぱなかなか言いづらいですよね。年上のおっさんには(笑)。だから家入さん間違ってるよとか家入さんの意見は間違ってると思います、みたいなことは全然ぶつけてもらっていいんだけど。僕はそういうの嬉しかったりするし。


ーちなみにそれはCAMP FIREの社員などに対しても同じですか。
全く同じです。


ー3/28のやさしいかくめいラボの主催イベント「居場所の未来」が行われますよね。家入さんが思う居場所の未来はどうなっていくと思いますか。イベントの告知としても使わせてください。

居場所の定義は、そこがあるから安心して失敗できる場所だと思っていて、例えば居場所が学校のクラスという1つしかなかったとすると、やっぱり友達づきあいとかでこんなことしたら嫌われるかなあとか、もっと言えばいじめに合ってしまったりすると、その途端に居場所を失ってしまうじゃないですか。もしくは、失いそうになると、人間って一箇所しか居場所がないと、そこに固執してしまいますよね。本当に辛い思いをしててもしがみついてしまう。例えばいじめられても学校に頼り続ける子がいるのってそういうことだと思っていて、で、最終的に心が折れてしまって、例えば自殺してしまったりとか心を病んでしまったりする。でも実際には、世界には本当に居場所たくさんあるはずなのにそれに気づけない。もしくは気づいていても選択できない状況っていうのは、全ての人にとって不幸だと思うんですよ。だから属する居場所をいくつも持てて、それを選択できることが望ましい状況だと思っていて、居場所の未来っていうことをいう時にイメージするのはそういう世界ですかね。誰しもが、学校とか会社とか家庭とかだけでなく、他にも複数の居場所に属することができて、かつそれを選択できるのが望ましいなと思う。


ーこれからVR空間にできる居場所についてはどう考えますか。

VR空間でみんなで集まれるとかああいったものはすごく可能性があると思います。僕がいじめられて引きこもりだった時、唯一の社会との接点がインターネットだったので、要は知らない人とチャットしたりとか会話することによって、僕は本当に部屋から一歩も出られないような対人恐怖症みたいな状況だったんだけど、それでも文字ベースで知らない人とだったら会話ができたんですよ。それで少し救われてた部分があったんですよ。だからテクノロジーによってそうやって、例えば今一歩も家から出られない人でも交流できる場所だったりとか距離的にはすごい離れてるんだけど、さも近くにいるように感じられる場所だったりとかを実現する場所としてVRとかは可能性あるなって思う。で、そこを実現しようとしてるスタートアップもたくさんあるしその中で僕らは0からVR空間をつくる必要があるのかは僕の中ではわからないなあって感じ。ただ、毎回VRゴーグル買うんですけど、いつの間にか放置しちゃうよね(笑)。もう少しあれがカジュアルになるといいよね。

part2の記事はこちら


家入さんへの取材part1の動画はこちら

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インタビュアー、記事執筆・編集:加藤江(かとこー)
カメラマン:katsuyuki
取材協力者:田中理(さとし)野澤明宏Tetsuya Matsuda、他メディアチームのメンバー

取材日程:2/28の19時~21時
取材場所:CAMPFIRE本社

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