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家入一真さんにたっぷり2時間取材しました!!part2

やさしいかくめいラボのメディアチームで、ラボのメンバーが疑問に思っていることや家入さんについて知りたいことについて2時間たっぷり取材してきました!
part1はこちら

これを読む前に忘れて欲しくないことは、家入さんの考えは正解とは限らないということです。でも家入さんの考えに触れて参考にできることや考えさせられる部分はたくさんあるはずです。ラボのメンバーやラボに興味を持っている方はもちろん、家入さんの考えが知りたいという方にも楽しめる内容になっていると思うのでぜひ読んでみてください!


ー家入さんにとって、居場所というのは、家入さんの今までやってきたことにどんな影響を及ぼしましたか?居場所があるからこそ挑戦できた体験や、居場所が足りなくて挑戦できなかった体験を具体的にお聞きしたいです。

学校での居場所がなくなって13歳くらいから20歳くらいまで部屋から一歩も出られないという状況になった。でも結局その貴重な体験があったから今、居場所をつくるっていう活動に繋がってるし今は後悔はしてないんですけど、やっぱりその当時とか、ようやく外に出られるようになった25歳とかでは、あの10代の貴重な時期にもっとやれたことがあったなとすごく後悔したこともありましたね。

なんでもっと勇気を出して外に飛び出さなかったんだろうとか。フリースクールに通うとか、インターネット以外の居場所をもっと能動的に探すとかすれば良かったっていう後悔とかはずっとあったけど、かといってそれはたらればの話なので。

もしその時に例えばリバ邸みたいな場所を見つけてそこに通ってたらどうなってたのかとかってわからないし。だから居場所がなかったからできなかったことっていうのは結局たらればの話にしかならない。

ーそれは自分で居場所をこれまで作って来られたから挑戦できたということですか?

そうですね。一番最初に作ったペイパーボーイという会社も、まあでも居場所を作ろうと思って作った会社じゃない。後から思えば、あれが居場所になったなと振り返って気づくものですけど。その時は別に大きな会社にしたいとか、社員を雇いたいとか全然なかったので。一人でやれるくらいの事業で僕が食っていけたらいいなくらいの会社だった。そしたら想像よりお客さんの伸びが早かったので、自分一人じゃまわらなくなった。そこで、ネットで友達だった人を一人、二人と採用していった。

その時に初めて、「あ、なんか、ここは僕の居場所だ」と思った。それまで引きこもりで、なんとか就職したこともあったけど、どの会社でもうまくいかなくて最後は出社拒否でクビになって、それから起業しました。すでに存在している会社の中には僕は居場所は見つけられなかったんですけど、だけど最終的に自分で会社を作って、仲間がそこに集まってきて、朝会社に行けば「おはよう」っていってくれたり、「お疲れ様」とか、そういったことを言い合える仲間ができたことによって救われた。

その場を起点として新しい活動を少しずつ広げていくことができたので、自ら居場所を作ることで、自分の視野だったり価値観だったりが変わって、でまた新しい居場所を作ってっていうのも繰り返してきた感じはある。

ー就職でうまくいかなかったのは何が理由だったんでしたっけ?

まぁ、ずっと引きこもっていたのにいきなり就職するわけですよ。まず、人とのコミュニケーションが取れない。目も見れないし、会話ができない。定時に出社することもできなくて、遅刻するとだんだん会社に行きづらくなって、最終的に会社に行かなくなる、みたいな。人間として終わってますけど。でも逆に、会社経営やってると、そういう心が弱いというか、ある日突然こなくなっちゃうスタッフとかいるわけですよ。でも、なんか気持ちわかりますよね。わかる、来づらいよね、みたいな。

ー家入さんの目指す社会とは「全ての人におかえりと言ってもらえる居場所がある社会」だと思うんですがもっと詳しく聞きたいです。

居場所が選べる、あるっていうのは大前提としてあり、その先に、一人一人が不安とかを抱えずにチャレンジできる形が整うと思う。そこを起点としてみんなが声を上げられる世界っていうのが理想だと僕は思う。

居場所があることを大前提として、そういう居場所があるからこそ自分は起業する、自分は絵で食べていく、自分はミュージシャンになるみたいに小さく経済圏を作っていくことによってお金のためにあくせく働くとかではなく、別にそれを否定するわけではないけれど、小さく経済圏を作り、お互いに支え合って生きていけるような共同体を作っていけたらいいなと思いますね。なんか村2.0的なところがあるかもしれないですね、それは。


ーこれからも寺子屋いえいりや、やさしいかくめいラボのイベントを開いていくと思うのですが、現在、地方例えば四国や沖縄の人がなかなか参加できないでいるようです。これからはそういった地方でも開催していくのでしょうか。それともこの前飲みの席で山田樹に関西の家入を名乗って欲しいと(冗談で?)おっしゃっていましたが、そのように地方ごとに家入さんの分身となる人を作りその人たちを中心に行なっていくのでしょうか。

みんな名乗っていいよ(笑)。
別に彼だから言ったわけではない。分身もいらない(笑)。

僕が全都道府県を回ってもいいんだけど、全部回るのに4年くらいかかるかな。それを待ってるの?僕がいなければやらないのはおかしいし、やりたければやればいい。

待っているときや理想を語っている間は何も始まらない。受け身であるうちは何も変わらないと思う。でもどこかで開催するとなったときに、出張があれば行くしやっぱりみんなと会いたい。東京の子だけじゃなくて。僕も仕事で毎月いろんなところに行っているので、その時は会いたい。

ーちょっと家入さんにこだわりすぎなメンバーもいるかもですね。

できる時間と体力があれば、2000人いるなら2000人みんなと会いたい。でも僕が言い出しっぺで始まったラボだけど、本質は僕じゃなくてラボのメンバー同士のn対nの交流なので。そのカオスの中から次のヒーローとかヒロインが生まれると思っている。他人と交流することを恐れずに。ラボを通じて出会ったメンバーはかけがえのない出会いなので、そこを大事にして欲しい。



ー家入さんはラボの家入への質問チャンネルで、「一人の人間が生きた意味みたいなものは、死んだ後に残された人によって見出されるもんだと思っているので、あまり生きているうちに生きている実感を感じないように生きています」と発言されていますが、家入さんの考える人生の意味、目的についてもう少し詳しく聞きたいです。

人が生きる意味って逆にありますか?

ーうーん、楽しむために生きてるんだと僕は思ってます。

楽しむってなんだろ?

ーわくわくする感じですかね。

まあ、たしかにね。生きる意味もそうだし、夢もそうだし、基本的にはないほうがいいって思ってる。例えば夢を持たなきゃいけないとか、夢探しをするとか、自分らしさとか、結局探してる時ってすげぇしんどいですよね。てか見つかんない結局。夢は敗れた時に幻滅してしまう。希望を持つから絶望するし夢を持つから絶望する。だって夢なんてほぼ叶わないですよ、なんか。

例えば就活してる子たちに「理想の就活先なんてないよ」ってよく言います。「〜の会社は…してくれるらしい」みたいな理想を持っていって、「あれなんか違うな、絶望……。」ってなる人が多い。結局、希望を持つから絶望するし、理想を持つから幻滅するし、夢をもつからがっかりする。ほぼ理想とか夢とか希望とかって、勝手に脳内で膨らませた勝手な期待を相手に押し付けてすがってるだけじゃんっていうふうに思うんです。それより、職人とかサラリーマンになって日々やるべきことをやっている人ってすごい美しいなって思う。

まあ自分ができなかった分だけそう思うのかもしれないですけど。例えばアーティストとかでも、自分のことを応援してくれるファンのことだけを大事にしてるアーティストとか、数が少なくてもちゃんとファンと向き合ってるアーティストとかすごく美しいと思う。大きな夢とか、いつかはこうなる!みたいなものを持たずに日々やるべきことをやってる人をすごい美しいなと感じる。そういう人たちって夢とかじゃないところにモチベーションを置いてると思うんですよ。

目の前にいる人を喜ばせたいとか、横にいる同僚を助けたいとか、そういうのがいいなって思う。生きる意味を探すって自分のことしか考えてないじゃんって思っちゃうんですよ。いいですよ、若いうちに世界一周とかNPOに入って見るとか色々やってみたらいいと思うんですけど、自分探しとかなんか自分のことしか考えてないなって思っちゃう。自分らしさとか知らねえよって思っちゃうんだけどどう思います?

ーえぇ……でも他者に貢献するために自分らしさを探すというのもあるかもですね。

自分らしさがないと他人に貢献できないんだっけ?

ーまあそういうわけではないですね……。

まあ、僕はそう思ってるってだけだけ(笑)。ただ、自分らしさとかを求めるにあたって辛そうな人ってすごい多いなと思う。生きる意味を探すのに必死になってすごく辛そうだな、と。僕が夢っていうものを嫌うのはなんでかっていうと、上の世代から「夢を持て」って押し付けられてきたなって思うからかもしれない。一定数、押し付けられた夢みたいなものに苦しめられている人たちっているんじゃないかと思うんですよね。

夢があることは素晴らしいことだけど、別になくたっていいよってことを言い続けてきたつもり。でもこういうこと言ってるときにある人から「夢に縋らなきゃ生きていけない人だっているんですよ」って言われたときはハッとした。「今目の前の人生に絶望していて、死にたいって思っている人がかすかな夢みたいなものにしがみついてすがって、それでちょっとでも生きてみようと思う人もいる。夢がないと生きていけない人もいるんです。」って聞いたとき、ああそういった人たちのことは否定できないなって思った。



ー家入への質問チャンネルで、「僕にとっての正義とは「戦うべき敵を見誤らないこと」です。人間は、自分が信じる正義のために、相手側にもまた信じる正義があることを想像できずに、石を投げてしまう。それって、戦うべき敵を見誤ってるんですよね。自分たちが信じる良い世界を実現するために、何と戦うべきなのか。それを見誤ると、みんな不幸になってしまう。」と発言されていますが、家入さん流の戦うべき相手の見分け方を教えてください。

こうしたら見分けられるよ、みたいなものはないですね。常に本質に立ち戻るという態度がいると思います。自分たちが何を目指してたのかとか、何を信じてここまでやってきたのか、どんな世界を実現したいのか、そういう本質を人はすぐに忘れてしまう。

だから会社とかってビジョンとかミッションとか最初に作るわけですけど、まあこういうの作ったはいいけど形骸化しがちではあるけど、自分たちの一番最初の想いってのに定期的に立ち戻ること(が大切)ですね。日々やってく中でなぜ自分たちがラボに入ったのかとかってことは忘れがちなんですよ。

例えば、ラボ内から異なった思想を持ったグループが独立したケースで、ラボのメンバーがその独立したグループを叩くのは謝り。お互い戦ってしまって、最終的に消耗してしまってどちらも消滅してしまう。これは過去の宗教にしろ、会社組織にしろ、国にしろ、いろんな共同体の歴史が証明している悲しい過去である。まあ共同体で一つの敵を作ってあいつらをつぶそうってやれば団結力や指揮が上がるというのはある。それはもうしょうがない。

でもその人たちと戦うためにこのラボ作ったんだっけ、って思ったときにいやちょっと待てよ、と。一回本質に立ちもどろうと。冷静になろうと。もともとラボではこういうことやりたかったんだよね。こういう世界を目指してたんだよね。じゃあ別に彼らのことはもう忘れて、僕らは僕らのやるべき戦いをやればいいんじゃないのって戻れる場所があれば、いつだって戦う敵を見誤らずに自分たちが戦うべき世界に立ち戻ることができるんじゃないかなって思います。だから本質に立ち戻るってことがすごく大事ですね。すぐ人はそれを忘れてしまう。

で、これは一人の人間においてもそうです。共同体に限らず。だからやっぱりプライドとか見栄みたいなものとか体裁みたいなものとか、そういったものによって人って本来やるべきことをやれなくなってしまう。まあプライドにもいいプライドと悪いプライドがあると思うんですけど、プライドみたいなのを気にしすぎてやるべきことを間違ってしまったりとか。まああとは焦りとかもそうですね。だれかと比べて自分はどうなんだと。あいつに負けたくない超えたいから頑張ろうみたいないい焦りもあるんですが、往往にして焦りが人の方向性を狂わせる。

学校、学歴、就職先もそうかな。あいつが入った学校よりいい学校に行きたいとか、周りから見ていい就職先に就職したいとか。そういったもので人はすぐ本質を忘れて人の目を気にして動いてしまう。それって戦うべき敵を間違ってるなって思います。敵を外部に設定すべきではなく、自分の戦いを忘れるなってことです。

家入さんへの取材part2の動画はこちら
part3は来週公開予定!

インタビュアー:加藤江(かとこー)
記事執筆:七海加藤江(かとこー)
記事編集:加藤江(かとこー)末岡 弥馬大
カメラマン:katsuyuki
取材協力者:田中理(さとし)野澤明宏Tetsuya Matsuda、他メディアチームのメンバー

取材日程:2/28の19時~21時
取材場所:CAMPFIRE本社

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