CCIE EI v1.0合格体験記(3回目でPass)


はじめに

ネットワークの関わる業務をしている社会人15年目な2児の父がCCIE取得するまでの経過となります。試験内容には触れられませんが今CCIE EI取得を目指されている方に少しでも参考になればと書き残しました。
※v1.1にもうまもなく変わってしまいますが。

CCIEを取ろうと思ったキッカケ

 最初のトリガーは障害対応でした。BGPとOSPFを組み合わせた環境で障害が起き、うまく経路情報が再広報されずに通信断が起きてしまいました。原因自体は単純だったのですが当時の私では確信が持てず、業務影響もないことからその晩は何もせず翌日対応としたことがありました。その時に、実は自分は自社のネットワーク構成に理解はあるが、ネットワークを何も分かってないのでは?と思い、勉強のし直しを始めました。
 その半年ほど後、同僚がCCNPを取得をしていて、CCNAの失効から何もしてない私も取るか、とCCNPを取得した波に乗ってCCIEを目指すという、今にして思えばそこまで強くない意思で2022年3月にスタートしました。

勉強方法

まず最初にLearning Matrixを落としてきてチェックリストを作るところからスタート。まぁまぁ分かる単元から全く分からん単元の色分けをしました。

1.INEのLearning Path

 CCIE Enterprise Infrastructure v1.0の内容をまずは理解するところから始めました。Brian McGahanさんの英語が非常に聞き取りやすいのと解説が分かりやすいんですよね。INEの動画はYoutubeでも幾つか視聴はできるので、そちらでお試ししてみても良いかもしれません。
 INEで特に良かった点は仮想LAB環境が用意されていること。SDWANは特に環境を用意するハードルが高めなのでサブスク買えば一年間いつでも検証できるのは非常に良かったです。

2.Cisco Press

ENCOR 350-401 Official Cert Guide
Optimal Routing Design
CCIE Enterprise Infrastructure Foundation
完全に読破したわけではないけど、主に読んでいたのはこの3冊。
特に3冊目のFoundationはPDFで移動時間には必ず目を通していたし、環境を作って問題を解いたりで一番活用していた。

3.CCO

おそらくここ最近、最もアクセスしていたであろう場所。
読む!動かす!読む!動かす!の繰り返しでした。
OSPFのLSUのキャプって眺めてみたり、Debugコマンド打って眺めているのが逆に休憩感がありました。

4.DevNet SandboxPractice lab

主にSDWAN/SD Accessの勉強は手元に検証環境を用意するのが困難だったので活用しておりました。Practice Labは”Basic”とついている1と4のシナリオを複数回トライしてました。50$と試験本番と比較して安価なので、とりあえずどんなもんじゃいと練習してみると良いと思います。

5.CML

手元の検証環境はCMLのPersonalライセンスで用意しました。
INEの教材がVIRLファイルでgithubに置いてあるので、そのまま活用もできます。2や3の勉強をする際には何かしら環境が手元に無いと辛いです。

活用の比率

初回受験時は1が7割、2が2割、4が1割くらいだったと思います。
2回目受験時は、記憶を頼りに作った問題をひたすら練り練り答えを探る合間に1,2,3を必要に応じてという感じでした。
3回目は3の時間が増え、英字キーボードに慣れるといったアナログな対策に時間を使ってました。その辺のTipsは以下でも共有しています。

勉強時間の確保について

 長女、次女の2児を寝かしつけた後の22時~2時の間を勉強時間にしていました。初めは22時~24時での勉強でしたが、途中から好奇心でブレーキが壊れました。あとは隙間時間にINEのVIDEOをiPhoneアプリから視聴したり、FoundationのPDF読んだり、隙間時間の活用は他の勉強と同じと思います。
 家事、育児の分担は(試験直前を例外に)崩さずにいたかったので、勉強時間は自ずと深夜となりました。フルリモートで勤務していたので、深夜に寝て翌朝に子供から百貫落としされて起きる生活で回してました。お昼寝は取る頻度高くなっていたと思います。
 また運用部署にいるため夜間エスカの電話も珍しくはないのですが、勉強中は2コールで出れることが多く、頭冴え冴えでシュッと障害対応できてしまうという想定外のメリット、、、なのだろうか。もありました。

各回のラボ試験後の感想

1回目(2022/12/6)のFailed

 Exam Topicsの通り、まんべんなく来たなという感想でした。他の方の感想でも似た感想を拝見しましたが、ロックマン定番の最後のボスラッシュ感があった。各問題で何を言っているかは何となく分かるんだけど、頭で要件整理してCLIでアウトプットに至れない歯がゆさがありました。
 Learning Matrixで分かった整理になっていたものへの勉強と手を動かす時間が圧倒的に足らんなというのが特にダメだと思った箇所への感想でした。
 ただ、壁の高さは見えたつもりになっていて、2日目のチャレンジに迷いはなかったです。

2回目(2023/4/21)のFailed

 1回目よりは全然手が動かすことができたが全然時間が足らなかった。割と要件とその回答は頭に浮かべられるとこまで来たがアウトプットが遅過ぎた。まだ半分程度なのに気づいたら残り1hになっている。
 2回目のFailedのあと、シンプルにアウトプットの速度を速めれば良いじゃないという思考になり、先述のTipsへ戦略を変えました。設計を速めるよりは、Configurationとverificationの手を速める方に余地あり過ぎた。
 "1.0 Network Infrastructure"の出来が思ったよりダメだったので、何が間違っていたんだ、、、という迷路に入り込んだ感じもかなりメンタルに来ました。これはCCOを読んで検証で試行錯誤してる内に解消できた部分もあり、やはり3回目のチャレンジに迷いはなかったです。諦めない心が大事。

3回目(2023/6/26)のPass

 受験して帰宅後、Failedって見えたのでもう何が正しいのか分からん…となり一旦CCIEの試験は休もうと思っていました。諦めない心が折れてかけていました。
 その日の晩も夜間エスカがあって疲労困憊の中でオペレーションしてました。ひと段落して動作確認を依頼し待機してる時に、Score ReportがCiscoから飛んできて、落ちたの知ってるよ!と思いつつ覗いたらPassしてた、という流れ。合格したことを初めて共有した人がエスカしてきた人でした笑
 一晩経ったらやはり4回目チャレンジに意気込んでいたのかもしれませんが、Failedして回答が分からんのは迷路感あって辛いですね。

雑談

資格に関する情報は以上で、以降は適当に書きなぐりです。
(追記)ただ、何かこっちの方が本質感も出てきた。

お金の工面について

 3回分の5,000$近い金額は自腹での受験をしてます。特にダメとは言われる気もしませんでしたが妻には金額感を伝え一応了承を得ました。弊社制度で合格の手当的な一時金はもらえますが圧倒的に赤字ですね。
 受験しようと覚悟をしたときに、2回の受験費分の米ドルを予め外貨預金で確保しておいたので、2022年の円安による受験費高騰を回避していたのは我ながらファインプレーだったと思います。
 他INEのサブスク、CMLのライセンス、Practice Lab、書籍などを含めるとトータル80万円弱くらいはかかったと思います。

体調面と集中力の管理について

 初回受験はここの意識が明らかに弱かったです。
 2022/12/6って何があったか覚えていますか?そうサッカーワールドカップの日本×クロアチア戦です。わざわざ六本木で前泊して準備していたのに、結果が気になり過ぎてPK戦が終わるまで起きてました。寝たのAM3時くらいだったかな。翌朝試験に遅刻することは無かったのですがコンディションはベストではなかったのは明らかで集中力が8hもちません。

 冗談はさておき、まず試験が8hあることの認識が甘かったです。普段のお仕事で8hを継続して集中している人は多くないと思うのですが、CCIE Lab試験ではそれが求められます。さらに普段はチョコなどの糖分、コーヒーやエナドリのカフェインを気の向いたときに摂取できていたのに対して、試験中は水とお昼の弁当のみ。とてもじゃないですが後半頭を動かせる様に心身が仕上がってなかったです。
 初回の受験以降、エナドリの常飲は完全に止めました。DDOの5hを集中し続けることを意識して勉強するようにもなりました。試験中の息抜き成分をverification時に得られる様に意識も変えました。Debugやキャプチャを眺める記述は先ほどしたのはここの意図もあります。完全に癒しです。
 showコマンドで意図した動きになっていることを確認しながら次の問題を見て設計を頭に起こすのを休憩と呼ぶのはおかしいかもしれませんが、Configuration叩き込んで意図した動きをしないで四苦八苦してるのに比較すれば十分休憩なんです。受験した人なら誰もが分かってくれると思います。
 フィジカルが弱いと自覚もしたので運動したり、白湯を朝晩で飲み始めたりも取り入れました。今では体重が5㎏ほど落ちて標準体重に戻りました笑

モチベーション維持について

 正直そこまで困るほど落ちたこともなかったのですが、初回受験後に肩をガックシ落としてた私にプロクタのジェームスさんが「難しかったろ?私は4回目でPassしたよ」と言ってたので、私も4回目まではやり切ろうというスイッチは入ってました。社内のホルダーさんが2回目でPassしてたので、私も2回で決めようとは思ってはいたんですけどね。
 普段の業務で設計改善の提案、実装やら障害対応がスムーズに終えられたりと副次的な効果も適宜得られ、上長らにはCCIE受けるんすよーと言っていた手前なのか評価も得られ易いのもモチベ維持には一役買っていたのだと思います。
 よく目にする話ですが、Lab試験はとりあえず予約してから考えるのがベストだと思います。身近な人に受験を宣言することも個人的には効いたと思います。一番重要なのは諦めない覚悟を最初にすること。

あとがき

CCIEを取ってからも深夜に勉強する習慣は残りました。
次はCCNPのDCCORかSCCORを取って更新しようかなと思っているので、CiscoPressをまったり読んだり、Udemyで勉強したり、数学やったり。
お酒も1年くらい封印してたのでウィスキー飲みながらホントまったりやってます。
ちなみに、初回のサッカーネタはガチの話です。ただ初回はサッカー見てなくても確実にFailedだったと今では確信できていて、Passできた今だからこそ話せるネタです。

長文を最後まで読んで頂きありがとうございました。


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