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ごはんについて書くための習作67

早く目が覚めるようにレースカーテンだけにしていた窓からは予定通りに朝日が差し込み、太陽3つ分ほど昇った日の出。晴れ。朝5時半、熱海の東横インで起床。昨日の夜は都内で会食。最終の新幹線、寝過ごさないようiPhoneのGarageBandで曲を作るが、最寄りの小田原駅が近付き、曲名を付けたところで一瞬寝落ち。発射ベルで目が覚めるがドアが閉まり出発。次の熱海駅で1,200円ほどの乗越料金を払って、駅近くの東横インをネット予約。23時以降は安いということを知った。乗越料金を渡した駅員に熱海で出ますか、と聞かれたがこの時間は全ての電車が終了している。安酒はよくない。

5時半に起き、6時半発の東海道線に乗る。ホテルを少し早く出過ぎたので、コンビニしか空いていない駅前をふらつくが、坂がキツい。手持ち無沙汰で買ったコーヒーが甘くてキツい。朝の上り電車は思ってたより人が乗っているし、右側から朝日が入った。直接入るのもあるし、海に反射して入るものもある。GarageBandを立ち上げる。7時過ぎ、いつもの起床時間に合わせて帰宅。いつもの朝通りに過ごす。体は重い。

午前中の打ち合わせを終え、ぼんやりと過ごして12時過ぎ。昼食を食べるために商店街へ向かう。昨日の飲み放題付きコースの肉やパスタやピザが消化されてない感じがするが、先週混んでいて入れなかった中華屋で「汁なし担々麺」を注文してしまった。岡本敬三の『根府川へ』を再読。熱海駅と小田原駅の間に根府川駅がある。「汁なし担々麺」はメニューには載ってなくて、壁に文字のみで1枚だけ掲示されている。座る席によっては見えない位置なので、半裏メニュー、だと思っていつも注文している。

山椒のおかげで普通に食べ切った。『根府川へ』の続きを読みたくて家に帰る途中にあるコーヒースタンドに行く。9月の終わりだというのに暑い。去年の9月の終わりがどれくらいだったかは覚えていない。みんな暑さに飽きただけで言ってるなと思う。コーヒースタンドは一階にあって、道に面する部分はガラス張りでカウンターがある。読書をしながら道を眺めるが人通りは少ない。グレーのニューバランスのスニーカーを履いた男性が通りがかったので、入ってくるだろうなと思ったら、入ってきたし、その後に通りがかったネイビーと白のシンプルな服装の女性もやっぱりそうだったのでそういう店の雰囲気。ガラスの向こうに手を振ってる人がいるなと目をやると、いつも飲み屋で会うマリコさん。酒がないからか、予定があるからか、店には入ってこなかった。小一時間ほどで読了。薄まったコールドブリューコーヒーを金属のストローで飲み干す。初めて使った。

店を出る。なかなかの音量でかかっていた店内のBGMが道にもれる。ドアがゆっくり閉まるのに合わせて、フェードアウトする。やはり人が少ない。少し前を杖をつきながら歩くお爺さん。後ろから「もう木曜日か!人生短し!」と大きな独り言をいう自転車が来ていたので、そうだなと思いつつ、お爺さんが轢かれないよう(自転車が先に私にぶつかるよう)後ろを歩く。家の外壁塗装のために張られた幕。幕と外壁のあいだに作業員が挟まれているように見える。道の真ん中で潰れた赤いマーブルチョコ。新しくできた縦に細長いコインランドリー。人の少なさか、暑さに飽きたせいか、奇妙が濃い。


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