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006_仕事はじめ前夜

11月末の某日、ついに私は写真の対価としてお金を得る世界に踏み込んだ。
いちおうここまでは、有言実行。

何の写真を撮るか

言ってしまえば副業カメラマン・フォトグラファーになるわけだが、いくつかジャンルがある。フリーランスとして募集しているだけでも、出張カメラマン(家族写真・学校写真)、ウェディング、あとマネタイズという視点ではストックフォトなんかもある。

ただ何を撮るかは端から決めていた。
写真を撮り始めるきっかけが結婚式だったのだから、ウェディング一択だ。
あと、アマチュア的根性を排除する修行目的なのだから、一番クオリティ要求がキツそうなものをやらないと意味ないと思ったのもある。
(なんというマゾ精神…)

これはフォトコンに投稿したが、受賞できなかった写真のひとつ。
個人的には良い出来と思っていたが、相手がほしいと思うものでないと
駄目なんだと痛感することに。

応募

ひとまず私が住んでいる地方で募集しているウェディングフォトグラファーの職を探してみて、一番条件がキツそうなところを選んだ。
(これもマゾ精神)

パッと見で思ったのが、写真歴は要求しないが機材の要求はあること。
フルサイズ2台、広角・標準・望遠レンズ所有。
…これだけ機材を持つやつなら、アマチュアでもガチ勢だろうと、スクリーニングをかけているのだと思ったし、実際必要なのだろう。

自分がフォトグラファーを志す目的を履歴書に記載して、それとは別に機材リストを先方に提出した。化学系大学院を出てAIの研究開発をしている人間が、フォトグラファーの門戸をたたく珍妙な構図なのだから些か目立って
くれるかな…?と思い1.5週間待ったところで、面接オファーが来た。

面接でなに話そう?

新卒から数えて何度目の面接だろうか。はっきり言って慣れている自覚は
ある。(おそらく現代視点では良いことだろう)
事前に何をアピールするか考えたところ、自分の考えが整理された。

・ドキュメンタリー的な作品制作を志している
・ストリートスナップを趣味としているが、色々と限界を感じている
 ・人の役に立っていない。主観オンリーの撮影では成長限界に達する
  ⇒他者のために撮るという行為で、この殻を破る必要がある
 ・ひとを撮りたい意欲があるものの、現代日本におけるスナップ撮影
  としては制約が多きすぎる(法や一般認知のうえで)
・カメラを勧めてくれた友人の結婚式、両親の離婚騒動etc…により
 結婚というものを自分で再解釈したかった
・写真は自分で楽しめればよい、というアマチュアリズム脱却目的の修行

面接当日

11月末の某日、実際に会社へ赴き、面接をして頂いた。
やはり先方は奇怪な経歴に驚いていたが、私の話を色々と聞いたり、その方のフォトグラファー観を伝授いただいたりした。

記憶に残っているのは、理屈だけでは写真は撮れないぞ、というような発言。どうも理系の私は相当に理屈っぽいみたいだと、すぐ気づいた。パターン化・効率化を意識するのは芸術と逆行するものがある事は事実と思う。

そしてやはりというか、「写真は相手のために撮る」という旨のお話も頂いた。これが出来るかがアマ/プロの境界なのだと痛感。
また、失敗できないプレッシャーや、マネージャーとの折衝なども重要との話をして頂いた。覚悟はしていたが、こう強調されると身構えてしまう。
やはり、応募の門戸は広く開いているが、面接で絞る意図だ、甘くはない。

仕事はじめ前夜・足りないものをあわててかき集める

1時間ほどお時間を頂いて、その場で採用のお言葉を頂いた。
二度面接があると聞いていたので今日内定が出るのは予想外であり、
正直面食らったが当然快諾した。
おそらくだが…撮影に対する向上心と、仕事を学ぶ意欲を買われたと思う。

面接中「ポートフォリオに組写真はないのか」と聞かれた事は心に残った。
知り合いのフォトグラファーも学校の卒業制作で組写真やテーマに基づく作品撮りをしていて、写真をデザインする意識を垣間見て感銘を受けた。
(自分にはできないので)
やはりこの部分は…現状まったく能力が足りていない。仕事を受けるまでになんとか、能力を伸ばしたいところ。

あと、機材に関しては結構アドバイス・ご指摘を頂いた。

 ・クリップオンストロボはEX600相当が要る。
 ・F4通しズームでもいいが2.8通しのズームが望ましい。
  (お客様は背景がボケた写真をお望みの事が多い)
 ・カメラ2台持ちが前提だがダブルスロットかつ両方ミラーレスで
  色味も合わせやすい機種を選ぶこと。
 ・音を立てず歩ける靴と、動きやすい黒のスーツが要る。

…全部そろえました。まさかR6markIIに追加で、R5を買うことになるとは思わなんだ…お陰でボーナスはぶっ飛びました。
(ちなみに、記事トップのカラーチャートは、R6markIIとの色味チェック用に交互に撮影したもののひとつです)

R5と入れ替えでお別れした5Dsで撮った、近所の写真。
高画素でしぶい色が出るのと、光学ファインダーの面白さを
教えてくれた機種でした。

さて、収支マイナス150万円から始まる副業生活ですが、はりきって邁進していこうと思います!一体いつになれば、投資を回収できるかな…


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