海が怖いをヒーリング

「船舶免許を取りたい」20代の頃からたまに浮かんでは消えるアイデア。最近また浮かぶようになった。今なら余裕があって行ける、そう思いながら行動に至らない。なぜだろう? そういえば、海が怖い。小さい頃は水が怖く、川に入っても水に顔をつけることができなかった。小1の時の泣きながらの特訓により顔をつけるのは克服したが、海が怖い感覚はそのまま、まだある。もし、船で海に出て戻って来れなくなったら…。その発想はどこから? その辺りをヒーリングします。



【以下、ヒーリング内容を小説風に書いています】

意識を拡張して、癒しながらリーディングをはじめる。
甲板を磨く少年の姿が見える。海賊船? マンガで見るようなオンボロの帆船。船の上は、がっしりとした体躯の大男たちがウロつく。そんな中、細く小さい少年がひざをついて、ボロきれで甲板の板をゴシゴシとこすっている。大男たちに混じり動く少年は、ひときわ小さく見える。8歳くらいだろうか、10歳に満たない。白く、細く、小さい。そう感じた瞬間、少年の視点に切り替わる。

床に近い視点。床の木はボロボロだ。すべてがオンボロ、そして汚い。船も床も、大男たちも、すべてがボロく汚い。"清潔感"とは無縁の世界。少年の身なりも汚れている。しかし、少年にはどこか清潔さがある。幼い肌の透けるようなキメの細いなめらかさ、色の白さ、皮膚の薄さ、きれいな金髪のやわらかさが伝わってくる。純粋で、はつらつとしたエネルギーだ。

床を磨く姿勢で見上げると大男たちはさらにイカツイ。一人の男が何か言ってきた。赤ら顔の大男。少年を呼びつけ、大きく腕を振り上げ、少年をどやしつける。少年の身がすくむ。「海に放り投げるぞ!」男は怒鳴る。いつもそうやって脅す姿が見えてくる。少年は恐怖から怯え、動けない。「海に放り投げる」本当にその言葉を怖れているようだ。


次の瞬間、少年は海に放り投げられた。
急な展開。びっくりしつつ、少年の意識を追う。
少年は恐怖のまま海面に打ちつけられ、もがくのもつかの間、溺れ、沈んでいった。


沈んでいく少年。
見守りながら、ふと少年に話しかける。
「この人生、どうだった?」
(この時はもう、少年の意識は肉体を離れており、苦しみはなく、恐怖もない)

少年は、少し考えてから
『船は好きだよ! 僕の家だから。』

海の底に落ちていく少年を癒しながら、続ける。
「船員は荒くれ者ばかりだったけど、怖くなかった?」

少年
『怖いおじさんばかりじゃないよ、友達もいる。』
友達という言葉とともに、ジャックやチップという名前が浮かんでくる。

「あのおじさん怖かったね」

少年
『あのおじさんは怖かった。いつも怒鳴って、海に投げるぞって言ってくるだ。』
『…でも、わかった。あのおじさんが怖かったんじゃない。海に投げられるのが怖かったんだ。海でひとりぼっちになるのが怖かったんだ。』

少年が沈んでいく。孤独へと落ちていくのを思い出しているように。

落ちてゆくその先に、真っ暗な、広がりのある闇に、一人でいる感覚を感じる。ただ在る、暗い広がり。呼びかけても反響すらないだろう。映画で見た宇宙に放り出された宇宙飛行士の姿が一瞬よぎる。少年の言うひとりぼっちの世界だろうか。時間(の概念)などないと言うように、長い長い時間の片鱗を感じる。少年の気持ちの落ち込みを止めようとするかのように、また質問を投げかける。

「この人生でしたかったこと、何かあった?」

少年は、少し考え、顔を上げて言った。
『お母さんに会いたかった。』


次の瞬間、青年とその母親の姿が浮かんだ。
金髪に、赤と白の太いボーダーのTシャツ、白い長ズボン。マンガで見るような典型的な船乗りの出で立ちで、母親と二人、港を歩いている。少し笑えた。これは自分の知識から作った船乗りの青年像だろうと思いながら、この青年は少年なのだとわかる。

もしもの世界、大きくなって青年になった少年のパラレルワールドを見ているのか、少年の他の転生のワンシーンを見ているのか、その辺りのことはわからないが、"清潔感"を絵に描いたようなこの青年は、大人になった少年の姿だ。あのオンボロ船に乗っていなかったとしても、少年の人生は「船に乗る」人生だったのだろう。ボーダーの半袖から出ている青年のたくましい腕は強く、皮膚は白くやわらかい。青年は、母親と楽しげに話し、幸せそうだ。親子二人にもう一人加わる。年の近い妹もいるようだ。家族3人仲良さげに話すシーンから、意識はゆっくりシフトしていった。


青年には、海と陸に家(ホーム)があった。少年は船がホームだった。少年には陸にホームがなかった。少年はこの青年の人生で陸にもホームを持った。大好きな海にもホームがあり、陸にも家族、母というホームを持ったのだ。少年は、青年の人生で今生とのバランスを取っている。海の底に沈んでいく少年が、進む方向はそのままに今度は浮かんでいく。光の世界に。



【ヒーリングを終えて】
おじさんを「友達」と言った少年の言葉を聞いた時、泣けました。おじさんを友達と思う境遇に泣き、その純粋さに泣き。友達と言われたジャック当人に意識を向けると、なるほど少年のことを「小さな友達」と思っているようでまた泣けました。心の交流に年齢は関係ないと改めて思える今回のヒーリング。それにしても「母」「孤独」のキーワードが繰り返し出てきます。海の底に沈んでいく時に見えた、広がりのある暗い空間での孤独はまた別の転生のようで、次はそこを癒しましょうか。


2020年2月9日 ハル自己ヒーリングより

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