宇宙に放り出された宇宙飛行士をヒーリング

前回の海が怖いのヒーリングで見えた、宇宙に放り出された宇宙飛行士の記憶と孤独をヒーリングします。


【以下、ヒーリング内容を小説風に書いています】

意識を拡張して、癒しながらリーディングをはじめる。
仰向け(あおむけ)で宇宙に浮かんでいる。重力がほとんどない宇宙空間で「仰向け」と呼べる姿勢があるかわからない。しかし仰向けという感覚で真っ暗な宇宙を漂っている。満天の星。ただそこにある、散りばめられた光。もうすぐ死んでいくのがわかる。

船外で作業をしていた。命綱はない。船の周りにはうっすら引力が働くし(宇宙船にはそんな機能があるらしい)、万が一、船から離れても(作業用)スーツにある装置で戻ってこれる。霧吹きのような小さなジェットの反作用で宇宙空間でもうまく動くことができる。得意分野だ。だからこそ船外作業も「安請け合いする」と揶揄されながらも二つ返事で「安請け合い」した。(首をすくめるポーズ)

毎度のことだ。今回はスーツの噴霧装置が壊れていた。確かに、変な置き方をしてあった。変だなと思ったが気にも留めなかった。今になって答えがやって来た。なるほど、これだったのか。

助けは来ないだろう。ずいぶんと船から離れてしまった。俺が(船外で)作業していたなんて誰も知らない。いないと話題に出たとしても「いつもの仮眠でしょ(モノマネ口調)」で片付く。 俺は死ぬんだ。そう思った瞬間、急に怖くなった。


結婚式のシーンが浮かぶ。ウェディング姿でくしゃくしゃの二人の笑顔。純白の世界。光と花々。周囲が祝福している。
「俺の人生で最高の瞬間だった。」

次に子供が生まれたシーンが浮かんできた。
「あぁ、なんてかわいい、最高にかわいい。俺たちの所に生まれてきてくれてありがとう。俺の人生でもう一つの最高の瞬間だ。」


妻と娘を残していくのは忍びない。といっても少々早くなっただけか。娘とはケンカしたままだ。数年、会っていない。口も聞いていない。些細なことで…。こんなことなら認めればよかった、かわいい娘が連れてきた男を。些細なことだ。もういい大人だというのに。…仲直り、していればよかった。

妻が泣く姿が見える。早すぎる夫の死を静かに泣いている。
アイツにはどこか強さがあった。アイツなら大丈夫だ。

娘が母親に駆け寄る。父親の死を知って、なぜだと抗議するように娘も泣いた。
「こんなことなら…」娘が泣きながら声を漏らす。娘も同じ思いのようだ。
『仲直りしていればよかった。』
娘の思いを、文字を読むかのよう声にした。涙が溢れる。自分の思いを口にして初めて、わかった。そして、娘の人生にもこんな思いを作ってしまったことを申し訳なく思った。


おおむね、いい人生だった。小さな幸せがいっぱいの、小さなトラブルもまぁ少し、スパイス程度、ちょっとした刺激で、おおむね幸せと言える人生だった。


水色を基調とした虹色の、縞模様のトンネルに入っていく。トンネルの壁には映画のスクリーンのような画面がいくつもあり、いろんな映画が上映されているようだ。それを横目に見ながら、広いトンネルをなめらかに進んでいく。明るくひらけた所に出た。眩しい光の中に誰か立っている。出迎えに二人、おじさんとおばさんだ。久しぶりとハグし合う。お前を迎えに来たと言う。おじさんおばさんと共に、眩しい光の先に進んだ。


こっちの世界で充実した生活を送っている。勉強したり、人に会ったり、相談事を手伝ったり、助けたり。やることはいっぱいある。娘や妻が気になった時は、意識を向けると彼女たちのすぐそばに赴くことができる。そんな時はだいたい彼女たちが助けを必要としている。トラブルとまではいかないが、どうしようと困ったり迷ったり、行動できない時が多い。そんな時、生きている時なら、どうしたと手を出すことができるが、こっちの世界からだと手は出せない。話しかけても聞こえない。せいぜいアイデアを送るくらいだ。だがそのアイデアが届けば、彼女たちはひらめき、行動できる。問題解決だ。俺はそうやってこっちにいながら、妻や娘のそばにもいる。



【ヒーリングを終えて】
人生に散りばめられた小さな幸せ。宇宙に放り出されたこのおじさんが見た満点の星は、おじさんの人生の無数の小さな幸せの一つ一つの輝きだったかなと思います。それにしても今回は走馬灯と死後の世界のおまけつき。水色基調の虹色のトンネルの複数のスクリーンに上映されていた映画は、この男性の他の転生の人生だと思います。思いのほか「孤独」が出てこなかったので、つづく。


2020年2月10日 ハル自己ヒーリングより

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