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【引退馬】馬の未来を考える! 「肥育場」という現実とSNSでの新たな可能性について

Youtube動画と自分自身の体験を掛け合わせていくシリーズです。
これまでの競馬界のタブーに切り込んだ面白い動画を見つけたので、今回はその件について書いていきたいと思います。


「肥育場」という場所

ついにこういうのも社会で取り上げられるようになったか。
とこの動画がタイムラインに流れてきて驚きました。

馬の肥育場。馬を食用にする場所ですね。
馬肉・馬刺しなどを食べる文化があるので、元々食用で育てられている馬もいると思うのですが、競走馬であるサラブレッドが食用に転用されると「殺処分」と言う人もいるとか。

高齢馬に「かわいそうだから引退させてあげなよ」と言う類の人ですね。
元々、経済動物として生み出している生き物なので、1頭1頭の馬との信頼関係を築く、そして人間社会に最大限の価値を生み出させてあげることが「馬を大切にすること」だと個人的には考えているのですが、どうしても犬や猫のような動物と混在してしまっているのが現状ではないでしょうか。

閉鎖的空間が生み出した“誤解“

食肉に反対するのであれば、鳥や豚、牛も同じであるはず。
なのになぜ馬だけそういった反対意見が出るのか。

おそらくこれまでマスメディアや馬の業界がアンタッチャブルな存在にしていたからではないかと考えております。

これまで色んな方から聞いてきた情報に加えて、先日行われたホースメッセに参加し自分自身で感じたこととして、馬業界は狭く本当に閉鎖的な空間だと感じております。

筆者のような馬業界を知らない人間でも、1年に何千頭の馬が生産されれば、こういった肥育場があることはむしろ自然な流れだと思っているのですが、競走馬の育成に携わる人々からすれば、自己否定に繋がりかねない存在であるが故に、表に出してこなかったのではないか。

そういった“見えない“環境の中で「動物愛護」を主張する人々の意見だけが表面化したことによって、正しい現実が見えなくなってしまったのではないか。

もしそうであれば「発信力」の問題とも言えるかと思うのですが、さすがは現代社会。どんなこともネットを通じて表面化するという意味では、今回動画を作って発信してくださった“馬主なのにミニチュアホースを飼う人“さんの勇気と熱意にも感謝しております。

サラブレッドを扱う難しさ

動画の中で、引退後に調教師から「乗馬クラブに引き取っていただきますね」と言われるけど、実際は肥育場に行っているケースがほとんど。馬主も引退した馬を追わないのが暗黙のルールのようなことを仰っておりました。

そして「乗馬って1日いっぱい人を乗せて本当に過酷な仕事」とも仰っておりましたが、本当にその通りなんですよね。
競走馬を乗馬に転用するってそんな簡単なことじゃないと思っております。

と言うのも先日、これから乗馬になるためリトレーニング中という馬(マジックカーペットくん)に会ってきましたが、本当に気が強く、人参が見えたら襲ってくるのではないかという程の元気っぷりでした(苦笑)

マジックカーペットくん

乗馬クラブで働く方も「急に突拍子もない行動をすることがあるので、まだ経験者しか乗せられない状況で…」と仰っており、競馬をやっている方から見たら9歳=高齢馬であっても、乗馬にとってはまだまだこれからという年齢。

それも乗馬がゴールではなく、乗馬を引退した後のことも考えなければいけないとなると「乗馬クラブは良い、でも肥育場はダメ」という二極論ではなく、かつ既存のものだけに限定をせず、今後も色んなキャリアの可能性を作っていく必要があるものと考えております。

SNSブランディングの可能性

もう1つ動画の中で「観光牧場や養老牧場に行けるのはG1を勝った馬や、人気馬。あるいは良血馬で繁殖として実績を残した一握りの馬だけ」という趣旨の発言がありました。

確かにG1馬やサラブレッドの中でも更に「良血」と呼ばれる馬は限られているのですが、人気=(競走馬として)強いではないと個人的には思っており、やり方次第で人気馬の数は増やしていけるのではないかと思っております。

その可能性を感じさせてくれたのが、SNSでも人気のコジュウチョウサンです。

コジュウチョウサン(エピちゃん)

牝馬のポニーにオジュウのメンコをつけてジャンプさせる。
「オジュウと何も共通点なくない?」
と思わずツッコミたくなってしまうのですが、その可愛さとユニークさから、先日のホースメッセでもコジュウとの触れ合いに行列ができるほどの人気でした。

他にもSNSで人気のある馬はたくさんいると思うのですが、馬の個性を見つけて、それをSNSで発信することでファンを増やしていく。
その人気でグッズができたり、牧草を送ってもらったりして生きていける環境を作っていくことができたら。

SNSでのブランディングについては、まだまだ可能性があると考えており、今後筆者も何かしらの形で貢献できれば…と感じさせられた次第です。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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