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【競馬:西高東低】 一流を生み出すのは一流!? 美浦に大谷翔平は現れるのか…

今週行われるシリウスステークスに、今年のフェブラリーS 勝ち馬レモンポップが登録してきたことが話題となりました。
斤量が61KGなので流石に出走はしないと思うのですが、「ハンデの確認のため」「栗東の坂路を使用するため」など様々な憶測が出ている状況でございます。

そして今回は後者である“栗東坂路“に関連して、世間でよく言われる「西高東低」について書いていきたいと思います。


あらゆる場面で使われる「西高東低」

西高東低は元々天気で使われる用語であることはご存知かと思います。
西に高気圧・東に低気圧が位置している気圧配置で、冬の寒さや荒れた天気をもたらす気圧配置であることから「冬型の気圧配置」とも呼ばれておりますね。

この西の高、東の低が“レベル“に置き換えられてよく表現されるのが、野球と競馬ではないでしょうか。(ネットでも「西高東低」と調べると「野球」「競馬」が候補に出てきます。)

野球で言いますと近年は大阪桐蔭を中心とした近畿勢が全国大会のベスト4を占めており、競馬も日本ダービーなど大きなレースを制覇するのは関西馬ばかりだったことから「西高東低」が使われるようになったと理解しております。

新たな武器「美浦の新坂路」完成!

そんな競馬界の「西高東低」を打開すべく、関東勢が切り札として行ったのが美浦トレーニングセンターにおける坂路馬場改造工事です。

ニュース記事には下記のように書いてあります。

 全長(1200メートル)や幅員(12メートル)に変更はないが、平坦だったスタート部分を地下へ掘り下げ、高低差をこれまでの18メートルから33メートルに。栗東坂路の32メートルを上回ることで、〝強い関東馬〟を送り出すことが改良の主眼だ。5月29日から約4か月間にわたる閉鎖期間を経てこの度、全工事が完了。本運用開始(10月4日)に先立ち、9月26日からプレオープン期間が設けられることが15日に発表されていた。

「東スポ競馬」https://tospo-keiba.jp/breaking_news/36425

この「坂路」というのはトレセンでレース前の仕上げに使われる坂道コースのことですが、怪我を防止しながら馬に負荷をかけられるということで、特に栗東でよく使われているものと(やんわり)理解しておりました。

では「美浦には坂路がないのか?」と言うとそうではなく、今回の工事が“改造“であるように元々坂路はあったのですが、ニュース記事にも書いてある通り、栗東坂路よりも高低差がはるかに小さいことから効果が薄かったようです。

レースを使って馬を仕上げていた時代、「東京・中山競馬場にある坂が関東馬を強くしているのではないか?」という仮説から栗東・美浦にトレセンが開設後、関西馬は栗東の急坂を使った調教を始めたら形成逆転した。
だから「美浦にも大きな坂を作って関東馬を強くしよう!」というのが、今回の流れと理解しております。

関東馬の逆転はあるのか…

では坂路改造によって西高東低は是正されるのか?
答えはYESともNOとも言えると思います。

というのもアーモンドアイやイクイノックス、タイトルホルダーにソールオリエンスなど、近年は関東からも強い馬がたくさん出てきております。

その1つの要因として特にノーザン系生産馬たちは、ノーザンファーム天栄をはじめとした外厩でほぼ完璧な状態まで仕上げてからトレセンへ向かうため、トレセンの影響を受けにくくなっているからでしょうか。

以前の記事で木村哲也調教師が「餌やり調教師だ!」と揶揄されている話をしましたね(苦笑)
ただこれはあくまでも“きっかけ“に過ぎないと筆者は考えております。

例えば今年の甲子園では関西勢が早々に敗れ、東北勢が大健闘しました。
それはたまたま今年の仙台育英や花巻東が強かったのではなく、ダルビッシュ有から始まり、菊池雄星、大谷翔平と将来メジャーリーグへ行くレベルの一流選手たちが地域を強くしていったのではないかと考えております。

もちろんダイヤを輝かせた両親、指導者を始めとした関係者たちの支えがあってのものですが、関係者たちも一流を知って、次なる一流を生み出すサイクルを作っていったことで現在の高校野球が構成されているのだとしたら…
美浦の坂路改造は、競馬界の勢力図が変わる最中にできたハードの1つにしか過ぎず、強い馬を作り出すのはやはり強い馬ではないかと個人的に思う次第です。

偶然なのか?今回の話の起点となったレモンポップを管理する田中博康調教師は、先々週のレーベンスティールでセントライト記念、先週のローシャムパークでオールカマーを優勝と勢いに乗っておりますね。

もしかしたら今後、美浦の一大時代を築く中で中心となる調教師になるのでは?と今から期待せずにはいられないです。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

自分が大事にするものを皆さんへ共有できればと思っております。共感して頂ける方からサポートをいただけますと大変ありがたいです。