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仲睦まじいハワイ州の鳥『ネネ』が見られるカウアイ島キラウエア灯台。

カウアイ島の北部キラウエアという地域にハワイ諸島最北端の灯台がある。
1913年に建てられ、いまなお現役で活躍しているキラウエア灯台だ。
このキラウエア灯台の周辺一帯は野鳥の保護区域に指定されていて、海に突き出した灯台の東側は断崖絶壁に囲まれた入り江になっている。その絶壁にまるで白い花が咲いたように鳥が羽を休めているのが見て取れる。

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ところでキラウエアという地名はハワイ島にもある。キラウエア火山で有名だ。キラウエアとはハワイ語で「吹き出す、まき散らす」という意味だ。
ハワイ島の火山はその意味通りで理解しやすいのだが、ここも同じ名前と言うことはきっと何かを噴き出していたはずである。いったい何を吹き出していたのだろう?知っている人いたら教えていただけたら嬉しい。

灯台の敷地内には数多くの望遠鏡が設置されていて、羽を休ませる野鳥の観察ができる。また灯台が立っている場所の奥にはさらに小さな島があり、そこにも野鳥の姿があり、周辺一帯が鳥たちにとってのオアシスなのである。

野鳥の宝庫なだけに、滅多にお目にかかれない珍しい鳥もひょこひょこ歩いていたりする。ハワイ語で「ネネ」、正式名称は「ハワイガン」という鳥がいる。ネネと言う名前は「ネーネー」と鳴く鳴き声に由来する。
マウイ島のハレアカラ山やハワイ島のハワイ火山国立公園内など、比較的標高の高い場所、そして雨あがりによく出没している。

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ネネには固体識別用の足環が付いていて、人工的に繁殖された個体はもちろんのこと、自然に繁殖した個体も見つかり次第、足環が付けられている。
さらにこの鳥には水かきが付いている。本来であれば水場に生息するはずの鳥(カナダガンと祖先が一緒らしい)なのだが、性格的にとてもおっとりしていて逃げることもしないので攻撃されやすい。さらに地面に巣を作りそこで卵を産むので、敵であるマングースは親鳥だけでなく卵も狙ったという。その結果、ネネはマングースから逃れるために標高の高い場所に生息するようになってしまったという鳥なのだ。

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マングースが卵を攻撃したために個体数が激減し、1952年には30羽になってしまい絶滅危惧種に指定されたネネだが、人工的な繁殖の努力もあって今では3000羽ほどになったそうである。
残された個体を人工的に繁殖させたために種の多様化に適しておらず、ある個体が致命的な病になると他の個体も同じ病にかかる可能性が高いそうだ。さらに、野生で個体群を維持できるほど幼鳥が誕生していないというのもネネの繁殖にとっての課題となっているようである。

常に雌雄つがいで行動していていつも仲良しなのだが、いったんパートナーを決めてしまったら一生相手を変えない浮気しない鳥だそうである。そのパートナーが死んでしまったら、その後は一生独身を通すという “けなげな” 鳥らしい。
ネネのような仲睦まじい関係に人間も学ばなくてはいけないが、いったい何が決め手でパートナーを見つけるのだろうか?この鳥独自のフェロモンのようなものがあるのだろうか?

ハワイにはたくさんの野鳥が生息しているが、この動きがスローで性格も穏やか、雌雄仲睦まじい、まるでアロハを体現したような鳥がハワイ州の鳥というのも頷ける。ネネを見る機会はあまりないが、ここキラウエア灯台に来ればほぼ確実に見られるので、カウアイ島に来たらぜひ訪れてみて欲しい。


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